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【ヨミ】シャガイトリシマリヤク 社外取締役

取引や資本関係のない社外から迎える取締役のことです。その会社の業務執行には従事せず、一般株主の視点も踏まえて経営を監視することが求められます。
(2005/4/18掲載)

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社外取締役のケーススタディ

経営の透明性を高める効果あり
上場企業の3社に1社が導入している

社外取締役はこの1、2年で急速に広まってきました。複数の社外取締役がかかわって経営の透明性を高める米国型の企業統治の仕組みが2003年4月施行の商法改正で認められたことが背景にあります。すでに社外取締役を起用している上場企業は3社に1社に上っており(2004年、日本経済新聞調べ)、世界各国の企業統治に関する勧告や意見書でも、社外取締役は重要なテーマとして取り上げられています。

社外取締役を起用した場合、企業業績にどのような効果があるかということについて、米国などで多くの実証的な調査や研究が行われていますが、社外取締役の有無や人数と企業業績の間にはほとんど関係がないという結果が出ています。つまり、業績向上に即効性のある制度として社外取締役が導入されているわけではなく、よどみがちな企業に新しい風を吹き込み、企業業績とコンプライアンスの双方に良い影響を与えるためのシステムとして考えられているようです。

具体的な事例をあげると、カルロス・ゴーン日産自動車社長兼CEOはソニー、作家の堺屋太一さんは大阪証券取引所、中谷巌・多摩大学学長は通信衛生会社JSATなどの、それぞれ社外取締役になっています。全国消費者団体連絡会の事務局長だった日和佐信子さんは、牛乳食中毒事件や牛肉偽装事件などが発覚した雪印グループの不祥事を受けて、2002年6月に雪印乳業の社外取締役に就任しました。また、ジャーナリストの野中ともよさんが三洋電機の会長兼CEOに起用されたのは、同社の社外取締役になったのがきっかけと言われます。

社外取締役を導入している企業の間では「社内では思いつかない新しい視点が発見できる」「大所高所からの意見を拝聴できる」といった声が聞かれます。しかし一方で「会社の業務については素人で何の役にも立たない」「単なるお飾りではないのか」といった指摘もないわけではありません。社外取締役が健全で公正な経済社会を構築する仕組みの一つとなりつつあるのは確かですが、まだ十分に機能しているとは言えません。社外取締役は何をすべきなのか、今一度整理する必要がありそうです。

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