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【ヨミ】アシミレーション アシミレーション

「アシミレーション」(assimilation)とは、直訳すると「融和」「同化」の意味。組織開発の手法の一つで、具体的にはチームのリーダーとメンバー間の相互理解を深め、関係構築を促進する仕組みを指します。チームに新しいマネジャーが着任したときなどに用いられることが多く、メンバーと新任のリーダーとの融合を図るために、上司抜きで上司について語り合う場を設け、その議論の内容を匿名で上司にフィードバックするのが、アシミレーションの一般的なやり方です。
(2015/5/8掲載)
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アシミレーションのケーススタディ

新リーダーと既存社員のミスマッチ解消に
部下が上司抜きで上司について語り合う場

新年度も1ヵ月が過ぎました。春の昇格人事・定期異動で初めて管理職に昇進した人や新しいチームの担当になったリーダーは、環境や業務の変化にもようやく慣れて、ほっとひと息というところかもしれません。しかし肝心なのは、既存のメンバーが新しい上司をどう受け止めているか。一刻も早くチームとして機能するために、状況が落ち着いてきたこの時期にこそ、これまでのマネジメントを振り返り、メンバーとの関係を見つめ直してみるべきではないでしょうか。

特に新任のリーダーの傾向として、前の職場やチームでの常識、規範、成功体験をそのまま持ち込もうとしますが、それが新しい組織に受け入れられるとは限りません。また、ハーバード・ビジネス・スクールのリンダ・A・ヒル教授は、リーダーとして成功するために必要とされるスキルや手法は、かつてプレーヤーとして求められていたものとはまったく違うものであり、その役割を誤解したまま過ごしてしまうことが、新任マネジャーのつまずく原因だと指摘しています。そうしたミスマッチを解決するために有効とされるのが、GE(ゼネラル・エレクトリック)など欧米の先進企業でよく使われている「アシミレーション」の手法です。

例えば、新しく部長になったA部長のもとに10人の課長がいるとします。着任して一定期間が過ぎた頃、10人の課長が集まり、次のような要領で、A部長に関するディスカッションを行うのです。

①部長を含め全員でアシミレーションを行うことを確認し、ディスカッションが始まる前に、A部長だけいったん退席する
②人事スタッフがファシリテーターとして参加。課長たちに、A部長について何を知っているか、何を知りたいか、A部長に何をしてほしいか、何をやめてほしいか、自分たちに関することで何を知ってもらいたいか、などの質問を投げかける
③要望や質問などが出揃ったところで、今度は課長たちが退出。かわってA部長が入室し、ファシリテーターから議論の内容について説明を受ける。もちろん、誰が何を言ったかは明かされない。
④ひと通り説明を受けたところで再度、課長たちが入室。A部長が提言や質問について、課長たちに一つひとつコメントしていく。

このセッションを通じて、リーダーはメンバーの考えを、メンバーはリーダーの考えをより深く理解することができ、組織のコミュニケーションの改善が期待されます。自分が周囲からどのように見られているのか、自分では意外と気づかないものです。リーダーにしてみれば、思わぬ厳しい指摘を受けたり、批判に晒されたりもするでしょう。しかし、そうした“自分の知らない自分自身”への気づきが得られることが、アシミレーションの大きなメリットなのです。

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