企業研修、採用、評価、人材開発、労務・福利厚生のナレッジコミュニティ

【ヨミ】キュウヨウシツ 休養室

「休養室」とは、職場で従業員が急に体調が悪くなった場合などに休ませたり、救急車が来るまで待機させたりすることを想定して、事業場に設置する施設のことです。労働安全衛生法が定める労働安全衛生規則および事務所衛生規則において、「事業者は、常時50人以上または常時女性30人以上の労働者を使用するときは、労働者が臥床(がしょう)することのできる休養室または休養所を、男性用と女性用に区別して設けなければならない」と規定されています。
(2014/5/12掲載)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

休養室のケーススタディ

急病人の発生に備えて設置を義務付け
怠れば規則違反となり法的リスクに

職場の労働環境や衛生基準、従業員の健康管理などについて定める労働安全衛生法には、同法を実施するための具体的かつ実際的なルールとして、労働安全衛生規則および事務所衛生規則が設けられています。両規則の規定は労働環境や職場設備の細部にまでおよび、また多岐にわたるため、必ずしもすべての内容が企業現場に周知徹底されているとはいえません。知らないうちに規則違反になっているケースも少なくないようです。

休養室」の設置に関する規定も、そうした見落としやすいルールのひとつといえるでしょう。休養室は、事業場内で体調が悪くなった人などを休養させるために使用する場所で、前述の両規則によって以下のように規定されています。

「事業者は、常時50人以上または常時女性30人以上の労働者を使用するときは、労働者が臥床(がしょう)することのできる休養室又は休養所を、男性用と女性用に区別して設けなければならない」(安衛則618条、事業所則21条)

 「臥床(がしょう)」とは、横になることで、休養のためにベッドや布団を用意する必要があることを示しています。もうひとつ、似たような名称で「休憩室」と呼ばれる施設もありますが、こちらは休養より“休憩”、すなわち息抜きや気分転換をはかるための場所です。椅子やテーブルを設置したリラックススペースの意味合いが強い施設で、その設置に関する規定も労働安全衛生規則と事務所衛生規則に明記されています。

 事業者は、労働者が有効に利用することができる休憩の設備を設けるように努めなければならない。(安衛則613条、事務所則19条)

休養室と休憩室は目的も仕様も似て非なる施設ですが、人事・労務管理の担当者として最も留意すべきはそれぞれの必要性の違いでしょう。上記の衛生規則の末尾をよく読むと、休養室は「設けなければならない」とあるのに対し、休憩室は「設けるように努めなければならない」となっています。つまり後者は“努力義務”にとどまっていますが、前者は“義務”。従業員の数が要件に該当しながら休養室を設置していないと、規則違反になるわけです。休養室を設置していない状態で、もし職場に急病人が出て、それが悪化したりすると、義務を怠った企業の責任を問われる事態にもなりかねません。規則に定められたとおり、休養室を設置し、不測の事態にも迅速かつ適切な対応がとれるよう備えておくべきでしょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

あわせて読みたい

喫煙休憩
「喫煙休憩」とは、就業時間中に従業員が喫煙目的で席や持ち場を離れ、オフィスに設置された喫煙コーナーや戸外など、喫煙が許される場所まで移動して休憩をとることをいいます。受動喫煙防止をうたった健康増進法の施行(2003年)以来、社内禁煙・分煙の流れが強まり、喫煙者は肩身が狭い思いをしていますが、一方で多...
衛生管理者
「衛生管理者」とは、労働者の衛生に関わる具体的・技術的な事項全般を管理する担当者のことです。労働安全衛生法によって、常時50人以上の労働者を使用する事業場(企業、法人単位ではなく、本社、支社支店、工場、営業所などの単位のこと)では、規模に応じて1〜6人の衛生管理者を選任することが義務付けられています...
就業規則
賃金、労働時間、休日・休暇などの労働条件や、服務に関する事項など、労働者が守るべき規律について、定めた規則の総称をいいます。

関連する記事

女性活躍推進の重要性が叫ばれる現在も、変わらず求められるのは 「トップやマネジメント層の理解」と「女性社員の意識改革」 ~「女性管理職3割以上」時代に向けて実態を調査~
昨今、女性管理職の登用を推進する企業が増えています。企業の現状はどうなっているのかを知るために、「女性管理職に期待していること」「活躍している女性管理職のタイプ」「女性管理職を増やすための取組み」の三項目について聞きました。
2014/10/01掲載編集部注目レポート
首藤若菜さん 「男性の職場」に進出した「女性」の働き方 
現業職場を中心に、体当たりで労働の現場を調査してきた首藤さんに、男女の職場を統合していく難しさについてうかがいました。
2006/06/19掲載キーパーソンが語る“人と組織”
職場のストレスをどう解消している?メンタルヘルス対策の最新実態を探る
実務担当者にとってメンタルヘルス対策は無視できない問題となってきましたが、その取り組みは今、どこまで進んでいるのでしょうか。企業のメンタルヘルス対策をめぐる事情について、労務行政研究所の調査をもとに探ってみます。
2005/07/11掲載人事・労務実態調査

関連するQ&A

休養室の常設について
休養室の設置について、教えてください。 現在会議室を1つ潰して休養室を作ることを考えていますが、休養室にしてしまうと 会議室が不足してしまいます。 そこで、対応として たとえば、通常は会議室として利用し、会議室には折り畳みベッドを常備しておき 必要に応じて会議室から休養室に変えることができることで、...
休養室の設置について
お世話になります。 休養室の設置について質問です。 労働安全衛生規則618条により、30人以上の事業所には休養室の設置(男女別)が義務付けられていますが、休養室と休憩室は兼用でもよろしいのでしょうか。 また、法人は同じで50人程度の事業所と500人規模の事業所が隣接している場合、 どちらか一方に休養...
休養室の設置について
事務所衛生基準規則において休養室の設置義務が課されています。(常時50人以上又は常時女性30人以上の労働者を使用するとき)これについて、①1社(従業員110人)で建物が2棟あり、1棟は70人、もう1棟は40人の場合、1棟にのみ休養室を設ければよろしいのでしょうか。②請負業務社員を含め50人以上の場合...
新たに相談する
相談する(無料)

「人事のQ&A」で相談するには、『日本の人事部』会員への登録が必要です。

新規登録する(無料) 『日本の人事部』会員の方はこちら
業務に関するちょっとした疑問から重要な人事戦略まで、
お気軽にご相談ください。
人事・労務の専門家が親切・丁寧にお答えします。

関連するキーワード

分類:[ 労務・法務 ]
分類:[ 安全衛生 ]
インターンシップを効果的に実施するポイントと 外部ソリューション活用のヒント

会員として登録すると、多くの便利なサービスを利用することができます。

イクメン企業アワード2019エントリー募集中

50音・英数字で用語を探す

新着用語 一覧

注目コンテンツ


インターンシップを効果的に実施するポイントと外部ソリューション活用のヒント

インターンシップの効果的な実施について、種類や取り組み事例、外部サービス活用のヒントをご紹介します。


【人事の日制定記念企画】
オピニオンリーダーからのメッセージ

HR領域のオピニオンリーダーの皆さまから全国の人事部門に向けてメッセージを頂戴しました。


人事メディア情報

人事メディア情報

人事・労務関連の代表的なメディアをご紹介いたします。


成果を生み出す 従業員「エンゲージメント」の主要10ステップとは?

成果を生み出す 従業員「エンゲージメント」の主要10ステップとは?

アジアを中心とした新興国市場の拡大に伴い、外国人従業員の採用、グローバ...


大和証券キャピタル・マーケッツのグローバル人材戦略

大和証券キャピタル・マーケッツのグローバル人材戦略

大和証券キャピタル・マーケッツ株式会社 経営企画部 人事課 次長 中川...