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【ヨミ】リュウショク 留職

「留職」とは、「留学」のもじりで、企業に所属する人材がグローバル感覚を養うために現在の組織をいったん離れて、一定期間、新興国など、海外で働くことをいいます。特に企業の関心を集めているのが、現地NPOなどの社会セクターや公的機関に赴任し、本業で培ったスキルを活かして社会課題の解決に取り組む「留職」プログラム。先進企業が、自社のグローバル人材育成や新興市場の開拓に活用する事例も増えています。
(2012/6/11掲載)

留職のケーススタディ

本業のスキルを活かして新興国に貢献
人材育成と新興市場開拓に大きな成果

有望なビジネスパーソンを新興国のボランティアに派遣し、現地への貢献を通じて人材育成や市場理解につなげる――この「留職」プログラムを日本で初めて立ち上げたのは、東京の特定非営利活動法人クロスフィールズです。同法人が日本企業に対して提案・提供している「留職」プログラムは、企業内の人材を海外留学させるのと同じように、数ヵ月から1年程度、新興国の社会貢献団体や公的機関に赴任させ、“留職者”本人が現地の社会課題を、本業で培ったスキルや自社のリソースを活用して解決に導けるよう支援する取り組みです。

企業にとっては、現地社会への具体的な貢献はもちろん、派遣した留職者が新興国の厳しい現場で鍛えられることによって、異文化をいわば肌感覚で理解し、対応できるようになることが大きなメリットといえるでしょう。中長期的にはグローバル人材の育成や新興国の市場開拓、社会貢献活動を通じた組織風土の活性化といった成果が期待され、同時に新興国側の派遣先組織でも新たなスキル獲得や組織の強化が見込まれます。

クロスフィールズは、企業のねらいに応じて派遣先や業務内容をアレンジし、派遣先の現地にも同行して、対象社員の学びとプログラムの成果が最大化されるようサポートします。もともとアメリカでは「留職」プログラムの先進事例として、2008年頃からICV(International Corporate Volunteering:国際企業ボランティア)と呼ばれる活動が急速に広がっていました。IBMやグラクソ・スミスクライン、スターバックス、HSBCといった大手企業を中心に、アメリカでは2011年時点で21企業が導入。年間で合計2,000人以上のビジネスパーソンが新興国に派遣され、現地での社会貢献活動に従事しています。クロスフィールズは、こうしたアメリカ企業のICVプログラムを運営している先行団体とパートナーシップを結び、国内で唯一、企業向けの「留職」プログラムを展開しています。

日本で最初の活用事例として、2012年2月から約1ヵ月間、パナソニック株式会社の技術系社員が、ベトナム中部の都市ダナンに拠点を置く現地NGOで活動にあたりました。同NGOでは10年以上前から、電気もガスもない地域に住む低所得層向けに、太陽光を活用した調理器具の製造・販売を続けていますが、生産能力の低さが積年の課題でした。パナソニックから派遣された留職者は、慣れない環境や諸条件の厳しさに戸惑いながらも、自分の持つものづくりの技術やノウハウを活用して生産性の向上に取り組み、低コストで生産可能な試作品を完成させるというミッションを果たしました。

同社では、来年度から新興国への「留職」プログラムを正式導入する予定で、この活動を通じて現地の生活者が抱える課題を把握するとともに、それを解決する新たな商品やサービスのアイデアを創出し、将来性豊かな新興国ビジネスにもつなげていきたい考えです。

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