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【ヨミ】レンケツジンザイ 連結人材

「連結人材」とは、企業グループが人材を連結ベースで有効活用するしくみのことです。プロジェクトごとに最適の人材を集められるよう、経歴や資格などの人材情報を本社のみならず子会社やグループ会社など連結子会社まで含めたグローバル規模でデータベース化し、管理する手法を指します。組織の枠を超えて有用な人材を共有、機動的に登用して、グループ全体の競争力強化を図るねらいがあります。
(2011/12/12掲載)

連結人材のケーススタディ

連結・グローバルベースで適材適所を
急がれる人材管理システムの統一

国際競争が激化する中、組織や地域の壁を超えた連結・グローバルベースでの“適材適所”を促進する、柔軟な体制づくりが求められています。日立製作所では2004年、日立グループ各社が募集するテーマに対して、他のグループ社員が応募することを可能にする「グループ公募」制度を導入しました。これは、人材を必要とする参加会社の各事業部門が求める人材像を公表し、各社の社員が自分の意思によって応募、一定の選考を経て異動するものです。会社の枠を超えた人材活性化や人材の適正配置を図るための施策であり、連結ベースの経営改革の一環として推進されました。

しかし、同グループの場合、有力な各子会社の独立性が強く、これまではそれがグループ横断的な適材適所を妨げる要因にもなっていたといいます。社員一人ひとりの自発性に頼っていては乗り越えられないこうした人事の垣根を取り払うべく、日立では11年7月に「グローバル人財本部」を新設。国内外のすべての連結対象子会社約900社の従業員約36万人を対象とする人事データベースを構築し、所属部署や職位、資格などの人事情報を一元的に管理すると発表しました。この36万人から適材を選び、海外のインフラプロジェクトなど有望事業に重点投入するのがねらいで、そのために管理職以上の評価基準も統一し、世界共通の格付けを導入します。

従来の輸出入業務に加えて、投資、生産、流通など業態の多様化が進む商社でも、国内の本社や海外支店だけでなく、海外子会社など事業投資先を含めた連結ベースでの人材開発に軸足を移す動きが目立ってきました。三菱商事はグループ全体で約6万人の人材を擁しますが、そのうち5万人近くが海外子会社など事業投資先のスタッフです。人員の大半を占める事業投資先を含めた連結ベースで幹部人材の育成・活用を進めなければ、国際競争に勝ち残れないとの認識から、同社では、90年代まで日本本社や海外支店の社員に限っていたマネジメントセミナーの参加対象を、05年から事業投資先のスタッフにまで拡大しました。現在では、受講者の半分を連結先のスタッフが占めているといいます。

もっとも世界の情勢と比較すると、人材のグローバル活用を進める日本企業の取り組みは決して先んじているとはいえません。例えばヒューレット・パッカードでは02年から改革に取り組み、人事データの共有・可視化に踏み切りました。世界中どこからでも、全社員の経歴から職位、専門分野、報酬まで把握できるしくみを作りあげたのです。給与水準を世界共通にし、業務と給与を連動させてグローバル人事を展開している例も、欧米のグローバル企業では珍しくありません。ところが日本では、前述の三菱商事でさえ、今後の事業収益の柱と見込む海外の連結先に対して、「人材の管理は子会社の中でしかやっていない。三菱商事本体ではデータ管理すらしていません」(藤田潔人事部長、リクルートワークス研究所HP「2020年の人事」より)というのが現状で、連結先を含めたグローバルな人材管理の推進は今後の課題となっています。

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