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【ヨミ】シニオリティ シニオリティ

「シニオリティ」(seniority)とは、日本語で「先任権」の意味。昇進・異動・休職・解雇など労働条件の決定において、その企業に先に就職し勤続年数の長い古参従業員が、後から就職した者よりも有利な扱いを受けられる権利のことです。おもにアメリカやカナダで広く見られる独特の雇用慣行で、先任権に基づいてレイオフ(一時解雇)などを実施する制度を「先任権制度」(シニオリティ・ルール)といいます。
(2011/7/25掲載)

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シニオリティのケーススタディ

雇用調整を円滑化する米国特有の慣行
勤続年数を基準にして労働差別を排除

日本企業の駐在員がアメリカの現地法人などに赴任すると、現場の従業員が予想以上に高齢化していて驚かされるということが少なくありません。一般的にアメリカやカナダの企業では、使用者と労働組合との間で結ばれる労働協約によって、勤続年数の長い従業員から順に人事上優遇される権利=「シニオリティ」(先任権)が認められているためです。この制度に基づいてレイオフが実施される場合は、勤続年数が若い、すなわち先任権の順位が低い従業員から順に必要人数まで解雇されるため、一時的に職場の高齢化が進むのです。やがて労働力需要が回復すれば、一時解雇中の従業員のうち先任権順位が高い(=勤続年数の長い)人材から優先的にリコール(再雇用)されます。

シニオリティの起源は19世紀の後半、アメリカの印刷業や鉄道業でその考え方が形成されました。1930年代のニューディール政策下で、労働組合運動の高まりを背景に、産業界全体へと急速に広まっていったといわれています。労働協約でシニオリティの適用を規定する目的は、勤続年数という明確な基準を用いることによって使用者側の恣意的な人事や差別を排除し、レイオフに伴う労使紛争、熟練労働者の自発的な移動を防ぐことにあります。もっとも近年は、レイオフやリコールの優先順位に限らず、昇進など労働条件全般についても広く適用されるようになりました。

こうした先任権の概念は、日本における「年功序列」の雇用慣行と一見似ているように思われます。しかし年功制は、先任権制度ほど客観的基準に基づいて厳格に適用される雇用ルールではなく、レイオフなど雇用調整策との明確な関連性もありません。そもそも日本における雇用調整はレイオフに依らず、早期自主退職制度や新規採用を控える方法で行われるのが一般的です。

とはいえ、「先に勤め始めたというだけで尊重される」という考えは、日本の組織にも無意識のうちに根付いているのではないでしょうか。とりわけパートタイマーやアルバイトなど非正規社員の間では、正社員と違って地位や肩書きによる明確な序列づけがない分、「先輩・後輩」という自然発生的なシニオリティが横行しがちです。能力やスキルの有無とは関係なく、長く勤めているからというだけでベテランスタッフに後から入った従業員が遠慮するような雰囲気は、職場のモラールを下げ、サービスやオペレーションの質にも悪影響を与えかねません。

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