企業研修、採用、評価、人材開発、労務・福利厚生のナレッジコミュニティ

【ヨミ】デュアルシステム デュアル・システム

35歳未満の若年者を一人前の職業人に育てる人材育成プログラムのことです。もともとドイツで始まった「働きながら学ぶ」職業訓練制度ですが、日本でも厚生労働省と文部科学省が今年度から「日本版デュアル・システム」をスタートさせました。
(2004/12/6掲載)
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

デュアル・システムのケーススタディ

急増するフリーター・ニート対策
ドイツを手本にした職業訓練制度

デュアル・システムが導入された背景には、若年層のフリーターやニート(→キーワードその3を参照)の急増があります。こうした状況が続くことは若年者のキャリア形成の支障となるだけでなく、日本の経済基盤にも中長期的に重大な影響を及ぼす懸念が指摘されています。

このため昨年6月、厚生労働省など関係各省により「若年自立・挑戦プラン」が取りまとめられ、やる気のある若年者の職業的自立を促すための具体的な施策を展開することになりました。その一環として導入されたのが、「日本版デュアル・システム」です。今年度は全国10カ所で企業側と学校側のコーディネーターをそれぞれ2人ずつ配置したモデル事業を行っています。

具体的には、企業における実習訓練と、これに関連した教育訓練機関における座学を並行的に実施するのが特徴です。たとえば、週3日は専門学校で講習を受け、残りの週2日は、実際に企業で仕事をすることを通じ、訓練生の即戦力を養成します。既存のインターンシップやトライアル雇用と違うのは、(1)職業体験ではなく修了後の就業という確固たる目的を持ち、(2)1〜3年という比較的長い訓練期間を設け、(3)訓練修了後に能力評価を行い、実践力を保証する、という点です。

厚生労働省によると、デュアル・システムは企業にとって良質の人材を確保できるという意味合いはもちろん、ただちに正規採用がむずかしいような場合でも、訓練システムを通じて能力・適性を見きわめたうえで正規採用できるメリットがあるとしています。企業が有期パートなどの雇用形態で受け入れ、職業訓練機関で訓練を実施させる場合には、訓練にかかる費用(受講料)や賃金を負担した事業主に対し、助成金などの支援策(キャリア形成促進助成金の拡充)を準備しています。

日本が手本としたドイツでは、公的な資格制度がよく発達し、労働市場全体が横断的なため、デュアル・システムによって熟練労働者の資格を持たないと、職業に就きにくいという社会構造になっています。そのためドイツのデュアル・システムは若者の7割が経験しています。日本版デュアル・システムがドイツのように機能するためには、雇用と職業訓練を密に結びつける必要があり、訓練後の評価をきちんと行うことが非常に重要です。それによって労働力の質を明らかにでき、デュアル・システムを社会に認知させることができるからです。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

あわせて読みたい

ジョブ・カード
フリーターや育児を終えた女性などの就職活動を支援する制度のこと。政府が「経済財政改革の基本方針2007(骨太の方針)」で掲げた成長力底上げ戦略の柱の一つです。
多面評価制度
人事評価の制度をより高めるために、上司だけでなく部下や同僚、顧客など複数の方位から評価を行う制度です。上司から部下への一方的な視点に立つのではなく、あらゆる方向からの評価であるため「360度評価」とも言われます。すでに一般の企業の1割以上で導入されており、今後もさらに広がりそうです。
トライアル雇用
公共職業安定所の紹介により特定の労働者を、短期間(原則として3カ月)試行的に雇い、その間、企業と労働者が相互に適性を判断、両者が合意すれば本採用に移行する制度のことです。

関連する記事

坂野慎二さん 「日本版デュアルシステム」はニート対策になり得るか
若者を取り巻く雇用の状況は依然として厳しく、失業率や離職率の高さ、フリーター・ニートの増加などが社会問題となっています。厚生労働省は2004年4月から、そうした問題の対策の一つとして「デュアルシステム」をスタート。今後、このシステムを企業主導にしていくために、...
2006/09/11掲載キーパーソンが語る“人と組織”
盲導犬訓練士 視覚障害者の大切な「パートナー」を育成。知力、体力、忍耐力…。求められる幅広いスキル。
盲導犬訓練士 視覚障害者の大切な「パートナー」を育成。知力、体力、忍耐力…。求められる幅広いスキル。
2007/11/12掲載あの仕事の「ヒト」と「カネ」
「確定拠出年金」と「確定給付企業年金」新企業年金制度の導入パターンを探る
新企業年金制度と企業をめぐる事情について、労務行政研究所の調査をもとに探ってみます。
2005/04/25掲載人事・労務実態調査

関連するQ&A

助成金の経理処理
お世話になっております。 助成金の受給をしたのですが、助成金の経理処理をどのようにすればよいでしょうか?仕訳を教えて頂ければ嬉しく思います。
08年賃上げ
お疲れ様です。 08年度の全国平均昇給額と昇給率のデーターをお持ちでしたら、教えて頂きたくお願い申し上げます。 大企業・中企業・小企業別にあれば、なお幸でございます。
継続雇用に関する助成金について
継続雇用に関する助成金について、質問させてください。  弊社では、以前から定年等の取決めは就業規則等で定めてはいなかったのですが、そういった事業所でも、受給資格はあるのでしょうか。
新たに相談する
相談する(無料)

「人事のQ&A」で相談するには、『日本の人事部』会員への登録が必要です。

新規登録する(無料) 『日本の人事部』会員の方はこちら
業務に関するちょっとした疑問から重要な人事戦略まで、
お気軽にご相談ください。
各分野のプロフェッショナルが親切・丁寧にお答えします。

関連するキーワード

分類:[ 人材開発 ]
テレワーク特集

会員として登録すると、多くの便利なサービスを利用することができます。

3,650社が活用!業界唯一の統合型eラーニング タレントパレット

50音・英数字で用語を探す

新着用語 一覧

注目コンテンツ


テレワーク特集

「テレワーク」のメリット・デメリットを整理するとともに、導入プロセスや環境整備に必要となるシステム・ツール、ソリューションをご紹介します。


【人事の日制定記念企画】
オピニオンリーダーからのメッセージ

HR領域のオピニオンリーダーの皆さまから全国の人事部門に向けてメッセージを頂戴しました。


人事メディア情報

人事メディア情報

人事・労務関連の代表的なメディアをご紹介いたします。


「見える化」による効果検証で テレワーク導入をスムーズに実現<br />
西部ガスが取り組む“業務・ワークスタイル改革”とは

「見える化」による効果検証で テレワーク導入をスムーズに実現
西部ガスが取り組む“業務・ワークスタイル改革”とは

福岡市に本社を構える西部ガス株式会社は、「働き方改革」の一環としてテレ...


「グロービス学び放題」導入で公募研修の受講者が増加<br />
“自発的に学ぶ”企業文化を醸成

「グロービス学び放題」導入で公募研修の受講者が増加
“自発的に学ぶ”企業文化を醸成

急速に変化する市場環境の中で競争力を維持・向上させていくためには、人材...