社内通貨
社内通貨とは?
「社内通貨」とは、企業が自社の従業員向けに社内限定の通貨を発行する制度のことです。正規の給与とは別に、従業員のモチベーションを高めるインセンティブとして導入されるのが一般的で、社内通貨を付与された従業員は企業が用意した商品や社内サービスなどの購入に利用することができます。
運用支援サービスの登場で導入に弾み
コスト削減や社内コミュニケーションに応用も
社内通貨制度は、2005年頃から先進企業によって導入が始まりました。当初は専用システムの開発・運用などの負担が大きく、利用は限定的でしたが、ここ1、2年で、制度運用のしくみを提供する支援ビジネスが登場するなど、企業にとって利用しやすい環境が整ってきたため、導入に弾みがついています。
株式会社ダブルアップ(東京・新宿)は、そうしたビジネスを展開する企業の草分けで、社内通貨制の運用を支援するASPサービス「Shaica」(シャイカ)を提供しています。これは、社内で企画されたコンテストやイベントごとに、成績優秀な社員・スタッフに対して、個人単位、グループ単位、あるいは各営業所単位で社内通貨を付与することができるサービス。社員は社内通貨が溜まったら、各自のPCや携帯端末からアクセスできるマイページ上で、会社が決めた商品、たとえば「図書券」や「資格取得費用補助」などと交換できます。導入企業では従業員のモチベーションアップを図るため、さまざまな形で応用しています。たとえば、
獲得した社内通貨を社員同士でもやりとりできるシステムを整えることで、社内コミュニケーションの活性化に役立てている。
毎月の残業時間を比較して、前月より減っていれば減った時間に応じて一定の社内通貨を付与。残業経費削減を促進している。
スタッフ募集の際、社員に知人などを紹介してもらい、紹介・面接・試験で各1万円分、正式採用されたら10万円分の社内通貨を進呈。この制度実施によって求人コストの大幅削減に成功した。
また福利厚生アウトソーシング事業を手がける株式会社ベネフィット・ワン(東京・渋谷)は、06年から自前の社内通貨「BIPo」(Benefit-One Incentive Point)」を運用しています。会社が定めた資格(社内保険労務士、衛生管理士など)を取得した場合や、会社への貢献度の高さに応じて支払われ、社員だけではなく、アルバイトにも付与されるのが特徴。BIPoで交換できる商品やサービスの対象は年々増え、現在は家電や旅行パックなど2,000種類にものぼります。従業員同士が感謝の気持ちを伝えるためにBIPoを贈り合うといった使い方も定着し、社内のコミュニケーションツールとしても効果を発揮しています。
用語の基本的な意味、具体的な業務に関する解説や事例などが豊富に掲載されています。掲載用語数は1,400以上、毎月新しい用語を掲載。基礎知識の習得に、課題解決のヒントに、すべてのビジネスパーソンをサポートする人事辞典です。