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【ヨミ】サードプレイス サードプレイス

都市生活者には三つの“居場所”が必要だといわれます。第一の場所(ファーストプレイス)が「家」。第二の場所(セカンドプレイス)が「職場」。そしてその二つの中間地点にある第三の場所を「サードプレイス」と呼びます。
(2009/9/18掲載)

サードプレイスのケーススタディ

自分の意思で他者とかかわり、学び合う
“企業内サードプレイス”で人材を育成

サードプレイス」という概念を最初に提唱したのは、アメリカの都市生活学者のレイ・オルデンバーグです。1989年に自著『The Great Good Place』の中で、都市に暮らす人々が「心のよりどころとして集う場所」をサードプレイスと名付けました。

オルデンバーグは、その代表例としてイギリスのパブ、フランスのカフェ、ドイツのビアガーデンなどを挙げ、それらが自由でリラックスした雰囲気の対話を促し、都市生活における出会いの場や良好な人間関係を提供する重要な空間であると主張しています。

日本では、コーヒーショップチェーン大手のスターバックス コーヒーがビジネスコンセプトとして導入、定着させたことで広く知られるようになりました。同社のハワード・シュルツ会長兼CEOは、サードプレイスについて次のように語っています。

<ある統計によれば、私たちの年代は、両親の世代より年間100時間以上多く働いているといいます。加えて、携帯電話やメール、ファックスなど、プレッシャーを生み出すものがたくさんある。スターバックスは、そういうものから逃れて休息する場所、オアシス。私たちは店を「サードプレイス」といって、自宅と職場の間というポジションだと考えています。そして、そこで生み出されるのは「コミュニティー」というフィーリング。店を訪れた人同士がつながる、スターバックスはそういう場を提供しているのです>(『スターバックスマニアックス』小学館文庫より)

企業や業種を越えて多様な人材が参加し、学び合うビジネス・ワークショップや異業種交流会もサードプレイスの一形態と見ることができるでしょう。最初に概念が提唱されたのはインターネット普及以前のことですが、ネットがコミュニケーションの中核を占めるようになった現代においてもなお、こうしたフェイス・トゥ・フェイスの集まりが盛んに行われているという事実は、サードプレイスの必要性を予見したオルデンバーグの慧眼を物語るものにほかなりません。

近年は、人材育成や組織の活性化を目的として、企業内にサードプレイス的な“場”を設置、運用する事例も出てきました。富士ゼロックスでは、共通の目的を持つ社員同士が現業とは別に、所属組織の壁や上司・部下の関係を越えたコミュニティーをつくり、新規事業の創出や社内プロセスの改善に取り組む「バーチャルハリウッド」活動を99年から展開しています。評価や報酬と連動せず、会社からの強制でもない。あくまでも「自分を成長させたい」という社員の意思と自立性にもとづくのが特徴です。

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