エクイティ(Equity)
エクイティ(Equity)とは?
「エクイティ(Equity)」とは、一人ひとりがパフォーマンスを出せるよう、個々に合わせて支援内容を調整し、公平な土台をつくり上げることをいいます。日本語では「公平性」「公正性」などと訳されます。近年、「DE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)」を掲げる企業が増えています。社会構造の不均衡がある中では、すべての人に同じ支援を行っても、不均衡はそのまま持続します。社会構造格差を是正するための考え方として、個人のスタート地点の違いに着目したDE&Iの概念が広がりを見せています。
同じものを与える「イコーリティ」と
同じスタート地点に立たせる「エクイティ」
「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)」は企業存続の必須条件といわれていますが、グローバル規模で見るとD&I領域に変化が見られ、エクイティの概念が加わるようになってきています。
「イコーリティ(Equality、平等)」と「エクイティ(Equity、公正性)」は似て非なる言葉です。「平等」は一人ひとりの置かれた状況にかかわらず、すべての人に同じ支援を行うこと。「公正性」は、スタート地点の違いに着目し、一人ひとりの状況に応じて支援内容を変えること。「平等」の考え方は浸透していますが、「公正性」が近年注目されている背景には、本人の努力だけでは挽回できないような社会構造の不均衡が認識されてきたことがあります。
例えば、生理休暇を設けている企業があります。「イコーリティ」の考え方では、男性にとっては、生理休暇は不平等と映るかもしれません。しかし、「エクイティ」の考え方においては、そもそも女性と男性は身体が違うことに着目し、女性の生理にまつわる不調をスタート地点でのマイナスと捉えます。生理がある人とない人が同じ土俵で戦えるよう、生理休暇は必要な調整なのです。
多様な人が存在している「ダイバーシティ」も、その状態を作るための「インクルージョン」も、どちらも大切です。ここに「エクイティ」を加えて「DE&I」とすることで、どんな状況に置かれている人でも活躍できる環境を整備していくのだという、企業の積極性が伝わるでしょう。
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