パーソナルブランディング
パーソナルブランディングとは?
「パーソナルブランディング」とは、他者と自己とを差別化し、選ばれやすい状態をつくり出す活動のことをいいます。企業などの組織に属している個人が、組織のイメージアップを目的として個を売り出すこともあれば、個人事業主や副業従事者が仕事の機会獲得やキャリア拡大のために行う場合もあります。SNSの利用が一般的になったことで、従来のような企業ブランディングに加え、個人がファンをつくる手法も広がりを見せています。
パーソナルブランディングで他社にはない魅力を訴求
「個」のアピールから採用広報につながる場合も
世の中にさまざまな商品・サービスがあふれ、その特長にも大差がなくなっている中、価格競争で自社の優位性を高めようとする企業もあるでしょう。しかし、値段を下げ、他社の売上を奪うことで目先の効果は出ても、結果的に収益は悪化し、最終的には業界全体が疲弊する事態を招いてしまいます。
そうした価格競争から脱する解決策の一つとなるのが、パーソナルブランディングです。購入の決め手を、価格ではなく、「人」へと変えていくのです。商品・サービスに大きな違いがないのであれば、「これを買うなら○○さんから」「○○さんは困ったときに頼りになる」と顧客に思わせることで、購入の動機づけにつなげることができます。魅力的な社員がいれば、売上だけでなく、採用広報にも大きく寄与するでしょう。
では、どのようにしてパーソナルブランディングに取り組めばいいのでしょうか。個人の自発的な活動ではなく、従業員に依頼する場合は、その重要性を理解してもらう必要があります。
経営層や事業責任者といった組織のリーダーが、パーソナルブランディングを行うことで企業がどう変わっていくかというイメージを共有します。次に、価値観シートのようなツールを使ったりファシリテーターを立てたりしながら、従業員自身の棚卸しをしていきます。価値観を理解したところで、自分のキャッチコピーを決めたり、話し方・伝え方を決めたりするなど、どのように発信していくのかを定めます。
従業員が個人の強みを磨くことで、企業のブランディングへとつなげていくことができますが、注意も必要です。個人が自分から魅力を引き出すのと同時に、企業も「強い個」に見合う魅力的な企業であり続けなければいけません。従来のように企業が個人を選ぶという構図ではなく、個人から選ばれる側でもあることを忘れず、組織風土改革や制度の刷新といった、企業側のアップデートにも取り組んでいく必要があるでしょう。
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