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【ヨミ】コンプレイセンシー コンプレイセンシー

「コンプレイセンシー(complacency)」とは、満足していて改善を望まない状態のことをいいます。辞書を引くと「自己満足」と出てきますが、目標を達成してそれ以上の改善・改良を望まない、というニュアンスを含みます。例えば、社内のシステムを検討するとき、新たなシステムを導入したほうが合理的だとわかっているのに、「ひとまず現状維持」と判断を棚上げにすることがあります。なぜなら、そこに労力を割くほど困っていないから。このネガティブなニュアンスを含む「自己満足」がコンプレイセンシーです。

コンプレイセンシーのケーススタディ

ビジネスのサイレントキラー
「コンプレイセンシー」はなぜ問題なのか

「コンプレイセンシー」という言葉は、あまり日本になじみがありません。この言葉を率先して使っているヤフー株式会社 マーケティング本部長の井上大輔氏は、Webメディア「THE ACADEMIA」の記事の中でこう話しています。「日本にコンプレイセンシーが蔓延している原因は、そもそもその概念がないから。認識が広がれば『あ、この状態ってコンプレイセンシーだよね。よくないね』と変革意識が生まれてきます。」と。

コンプレイセンシーは、ビジネスにおける「サイレントキラー」。改善を放棄する空気感は企業内で感染していき、企業文化に悪影響を与えます。「困っていないから、現状維持でいい」という考え方は、競争力を低下させ、高いパフォーマンスを目指さなくなります。挑戦意欲を失った企業からは、ハイパフォーマーが流出。新たなタレントを採用することも難しくなります。その結果、クライアントは離れ、財務状況は悪化し、企業の存続が危ぶまれることになるのです。

「HRテクノロジー」が注目されてから数年経ちますが、どれだけの企業が人事領域にテクノロジーを導入しているでしょうか。人事領域はまさに、コンプレイセンシーが起こりやすい領域です。営業や商品開発のように売上には直接関与しない部門だからこそ、現状維持にとどまりやすいのです。その陰で、人に対して投資することに価値を見出した企業は、どんどん個人の能力を引き出し、適材適所に向けた取り組みを進めています。

コンプレイセンシーから抜け出すにはどうしたらいいのでしょうか。そのカギは、リーダーシップと習慣化にあります。現状維持をよしとする文化を捨て去るには、「考える」時間が必要です。改善についてチームや個人で考える機会を定期的にリーダーが設けること。そして、挑戦やイノベーションや生産性の向上を推奨する価値観を共有することが大切です。部下が改善のために何か提案してきたとき、部下を褒めて真剣に検討するのか、緊急性が低いからと後回しにするかが、企業の運命の分かれ道です。

・参考
これからのマーケターの新常識「コンプレイセンシー」を知っていますか(THE ACADEMIA)

Complacency: The Silent Business Killer(American Express「Business Trends and Insights」)

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