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新型コロナウイルスの感染拡大は、店舗事業者に甚大な影響をもたらした。さまざまな企業活動がストップしたのは言うまでもない。Ash(アッシュ)、NYNY(ニューヨーク・ニューヨーク)など全国に300以上の美容室を展開する、JASDAQ上場企業「アルテサロンホールディングス」も例外ではなかった。緊急事態宣言を受け、約1ヵ月間営業を自粛。しかし、店舗とのコミュニケーションや、入社間もない新人・若手の教育をストップさせるわけにもいかない。そうした業務課題をいかに乗り越え、いかにこれからの環境に合わせた「集まらなくても仕事が進む」働き方を実現していくか。アルテサロンホールディングス執行役員の大山高寛氏、アッシュ人財部課長の三浦真実氏に聞いた。
旧態依然としたコミュニケーションや教育を非効率だと感じていた
2020年2月にビジネスコミュニケーションツール「LINE WORKS」を導入されましたが、どのような問題をかかえていたのでしょうか。
大山:二つありました。一つ目は、コミュニケーションが円滑にいっていなかったことです。当社は店舗展開のビジネスを行っており、現場とのやりとりが大変重要です。その内容もスピードも、企業として肝の部分といえます。しかし、その手段は旧態依然としたままでした。書類の申請にはFAXを利用し、内容の確認は電話で行っていました。サロンでは接客中に電話に出られませんし、本社に折り返したとしても相手が離席中でつながらないなど、タイムロスが多数発生していました。
二つ目は、技術教育やミーティングなどを対面で行うことが前提だったことです。技術的な講習を行う際は本社(関内)のアカデミーや旗艦店の渋谷店にメンバーを集めていたのですが、本社が主催するものだけでも年間約150回ほど実施しており、多くの時間とコストを要していました。
LINE WORKSが、そうした問題の解決に最も有益であると判断された決め手は何だったのでしょうか。
大山:社内で私が最もITに精通していて、以前からデジタル技術を活用して組織課題を解決したいという思いがありました。2年ほど前からデジタルへスイッチすることを見越して、SlackやChatworkなどいろいろとトライアルしていたんです。その一つがビジネス版LINEである、LINE WORKSでした。日頃からLINEで連絡するケースも多かったこと、ユーザーインターフェースも優れていることから、スムーズに行くのではないかと考えました。また、当社は新規店舗出店にともなう美容師の店舗間異動が多く、期間もさまざまなので、業務用の機能として、組織や所属に紐づけて運用・管理できることもメリットでした。ほかにも、シングルサインオンの機能があったこともセキュリティ面で決め手となりました。LINE WORKSのIDとパスワードを使って、他のサイトへのログインを行えます。これを使うと、社員であるかないかを他のサイト上でも判断することができます。
コロナ禍で人材育成が困難に。LINE WORKSなしには何も進まなかった
2020年4月に202名の新入社員を迎え入れたそうですが、コロナ禍のもと、入社式や新人研修はどのように行われたのでしょうか。
三浦:学生から社会人へ意識を切り替える場がないまま店舗に送り出すのは、本人たちも受け入れる店舗も不安だと考え、急遽店舗ごとに入社式を行いました。不安を抱える保護者や美容師学校の先生にも安心してもらえるよう、SNS上に公開するなどの工夫もしました。例年は入社後の3日間で新人研修を行い、その後は配属先で先輩が指導しながら1ヵ月に1回のペースで定期研修を行う、という流れです。しかし、今年は新型コロナウイルスの影響で最初の新人研修ができなくなってしまいました。全国から様々なモチベーションで入社してくる新人に対し、社会人としての自覚をどう持たせ、この会社に入ってよかったと感じてもらうか、さらにそれをどうオンライン上でサポートしていくか。課題が浮き彫りになりました。
店舗が休業してからは、新人をどのように指導していたのでしょうか。
大山:Ashの店舗は約9割がフランチャイズなので、かなりバタバタしました。美容室に対して、緊急事態宣言による休業要請はなかったのですが、スタッフの安全を考えて4月7日からの休業をギリギリのタイミングで決めました。その間の新人研修をどうしようかと、じっくり考える時間もなかったほどです。
本来、新人は4月から5月にかけてシャンプーの練習に専念します。最も重要な技術なので、先輩が付きっきりで教えます。しかし、新人は4日程度出勤してすぐに営業自粛になってしまった。シャンプーの練習ができなくなるのは、とても大きな問題でした。何もしなければ、お店を再開した後にさらに2ヵ月ほど教育の期間を設ける必要があり、立ち上がりが遅れてしまいますから。
そこで本社の教育部が中心になり、3年目までのスタッフに対する技術教育のあり方を検討しました。とりあえず、技術の様子をおさめた動画を集めることになり、現場に呼びかけたところ、予想以上に数が集まったので、編集して少しずつYouTubeに流していきました。
動画による人材育成は、新入社員の投稿から活性化したとお聞きしました。
大山:美容師として入社した新人の女性スタッフが、ウィッグを活用して自宅で自主的にシャンプー練習している動画を、LINE WORKSのトークグループに投稿したんです。それを見た店長が、全店舗の店長に共有してくれました。「これでできるじゃん!」と目から鱗というか、ある種の感動と共にまさに火がついたという印象です。「工夫すれば自宅でも技術練習ができるし、LINE WORKSを活用すれば社内共有も技術のフィードバックもできる」という気づきが得られ、自宅でのオンライン学習が社内で一気に広がっていきました。メニューも現場発でどんどん増え、今は視聴時間が2000時間にのぼり、社員全員で共有する体制が構築できています。
動画を活用した人材育成は社員から大変好評で、「もう研修に集まる必要はないのでは」という声もあります。美容師は勉強の機会が多い一方で、そもそも全員出勤する日をつくるのも難しい業態です。今回の動きを機に、今は動画での学習をさらに進めていこうと考えています。当然、集合研修の方が効果的なものもありますが、内容に応じて線引きして対応していきたいですね。集合する場合、移動してでも受ける価値があることを伝えなければならないと考えています。
新人のモチベーション管理や店舗との円滑なコミュニケーションにも多大なメリット
対面でのコミュニケーションがとりづらい中で、新人がモチベーションを維持するのは難しかったのではないでしょうか。
三浦:今年は特に、自宅で不安な気持ちをケアできるよう意識しました。4月から週に2回、LINE WORKSのアンケート機能を使って新人のモチベーション確認を行っています。具体的には、「今日の気分」を4段階から選択し、困ったことがあればコメントするというものです。本部スタッフで分担し、アンケート結果をチェック。モチベーションが低下していると思われる新人がいれば、フォローするようにしました。結果として、例年、若干名は出てしまう初期退職者が今年はゼロでした。学びや気づきのコメントを書いてくれる社員もいて、ポジティブな気持ちの維持にも効果があったようです。逆に営業再開後、急な環境変化で、懸念される新人が若干増えてきました。話を聞き、モチベーションの低下の要因を突き詰め、解決へと導くようにしています。
離職防止のために、これまではどのような取り組みを行っていたのでしょうか。
三浦:給与面では、美容業界の中でも高水準にするなど極力配慮しました。また、美容業界では珍しい完全週休2日制を導入し、待遇面も充実させました。それでも「退職したい」という申し出があった場合は、本部で面談を行いました。しかし、申し出があった時点ではもう気持ちが固まっており、建前の理由しか聞けません。面談する担当者の工夫なども行いましたが、退社を阻止しきれなかった例がありました。本当の理由は、人間関係であったり細かな不満の積み重ねだったりするので、退職の「芽」につながる要素を早い段階で発見できるよう、アンケート機能を効果的に活用しています
本部と店舗、あるいは店舗間など、組織間のコミュニケーションを円滑にする上でも、LINE WORKSの利用が効果的だったそうですね。
大山:LINE WORKSが社内への一斉周知にも使えることを利用し、情報をフラットにし、空間や時間に関わりなく共有できるようにしました。情報格差をできるだけなくすために、Ashで働く約1500人の社員が立場や役割関係なく同じような情報を持てるようにしたんです。
例えば、新しいカラー剤が発売されたとき、自店ではまだ知らされていないのに他のFCの美容師がInstagramで発信してたら、本社に対する不信感へつながってしまいます。そのため、情報には色を付けず、スピーディーに伝えるようにしています。
LINE WORKSがもたらした成果、メリットをどう捉えていますか。
大山:LINE WORKSを導入していなかったら、当社はどうなっていたんだろうと思います。コロナ禍が本格化する前に導入できたのは、ラッキーでしたね。技術教育にしろ、情報のスピード感にしろ、LINE WORKSがなければ成り立たなかったでしょう。LINE WORKSによって、業務のオフィシャルな情報に、LINEのような気軽な感覚でアクセスできる使用感が気に入っています。
トークやアンケートといった、LINE WORKSにデフォルトで付随する機能だけでなく、AIアシスタントを作成できるPEPと連携しているそうですね。
大山:はい。社内の問い合わせや資料探しなどに自動応対するチャットボットを作成し、「LINE WORKS」のトーク上で問い合わせbotとして使えるよう、連携。お問合せ窓口対応ツールとして位置付けています。さらに今後は、勤怠管理ツールとの連携も、総務に相談しているところです。ゆくゆくは、相談窓口などに使用してもいいのではないかと思っています。
いつでも、どこでも、誰でも。美容師の情報を軸につながる組織にしたい
LINE WORKSの活用を考えている、新たな取り組みなどはありますか。
大山:お店で自由に使ってもらって、利用率を上げること。本社の情報発信のレベルを上げること。AshだけでなくNYNYでも400人くらいで導入しているので、LINE WORKS上で積極的に交流できるようになれば、2,000人近くの美容師の情報交換が可能になり、規模を活かしたメリットを従業員に提供できます。最終的には、いつでも、どこにいても、誰でも、美容師の情報を軸につながるような組織にしていきたいですね。
三浦:人材教育を行う立場として、コロナ禍以前から、縦だけでなく、横のつながりも活性化させ、配属店舗を超えたつながりづくりを目指していました。LINE WORKSの社内アドレス帳で、連絡先交換をしなくても他店のメンバーとコミュニケーションが取りやすくなったことは、とても良かったと思います。
大山:ただし、美容師のなかには、「パソコンが苦手」「スマホもあまり見ない」「紙に書きたい」という人たちもいます。そういう人たちも見て発信してくれる情報の入り口として定着させていきたいですね。LINE WORKSは誰でも使えるツールだと思いますが、根本的な利用率を上げるには、発信を主導する側のコンテンツ力も試されます。特に現場には一見響きにくい総務関連の連絡など、一方的に流せば見てもらえるという考えでは伝わりません。当社にとって、美容師は最大の資産。オンライン上でも、美容師にどうすれば伝わるのか、美容師にどうなってほしいのかをしっかり考えた上で情報発信を大切にしていきたいですね。
LINE WORKSを活用したことで、当社は人材育成やコミュニケーションの面でも、大きな進歩がありました。今後もLINE WORKSの機能の充実に期待しています。
“「仕事、楽しい」を広げる。47都道府県ではたらくすべての人に” をミッションに、スマートフォンでもPCでも使えるビジネス版LINE「LINE WORKS」を提供。LINEを踏襲したチャット機能に加え、予定やファイル共有といったグループウェア機能を搭載。ITスキルを問わない圧倒的な使いやすさと、企業に最適な管理・セキュリティ機能を実装し、2年連続で有料ビジネスチャット国内シェアNo.1(※)を獲得しています。
※1出典:富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場2019年版」
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