無料会員登録

日本の人事部への登録は45秒で完了!
※登録内容はマイページで確認・変更できます。

※「@jinjibu.jp」からのメールが受信できるようにしてください。

既に会員の方はこちら

または各SNSで登録

日本の人事部があなたの許可無く投稿することはありません

既に会員の方は
こちらからログイン

ログイン

無料会員登録

不正な操作が行われました。
お手数ですが再度操作を行ってください。

会員登録完了・ログイン

ありがとうございます。会員登録が完了しました。
メールにてお送りしたパスワードでログインし、
引続きコンテンツをお楽しみください。

無料会員登録

不正な操作が行われました。
お手数ですが再度操作を行ってください。

会員登録完了・自動ログイン

会員登録とログインが完了しました。
引続きコンテンツをご利用ください。

マイページ

会員登録済み


選択したSNSアカウントは既に会員登録済みです。

近年は採用手法が多様化しており、多くの企業がこれまでの新卒採用・キャリア採用といった正社員雇用システムの枠にとらわれず、人材を有効に活用するための雇用のあり方を模索しています。果たして、これから日本の雇用はどうなっていくのでしょうか、また、企業と働く人それぞれに、どんな課題があるのでしょうか。労働問題を専門としている注目の若手研究者・日本大学准教授の安藤至大さんと、スタッフサービス執行役員の平井真さんのお二人をお迎えし、若年労働者に関する問題を中心に、語り合っていただきました。

プロフィール
井 真さん(ひらい・まこと)
井 真さん(ひらい・まこと)
株式会社スタッフサービス 執行役員 東京オフィス事業本部 本部長

2002年、スタッフサービスに入社。事務職派遣の営業職を経たのち、技術者派遣のオフィス長を7年間務める。2013年、技術者派遣領域のユニット長として近畿エリア全体を統括し、2015年4月事務職派遣部門の東京事業本部長に就任、現在にいたる。

安藤 至大さん(あんどう・むねとも)
安藤 至大さん(あんどう・むねとも)
日本大学総合科学研究所 准教授

1976年東京生まれ。1998年法政大学経済学部卒業。2004年東京大学博士(経済学)。政策研究大学院助教授などを経て、現在は日本大学総合科学研究所准教授。専門は、契約理論、労働経済学、法と経済学。規制改革会議(2007~2010年)、雇用仲介事業等の在り方に関する検討会(2015年~2016年)などの委員を務める。新聞・雑誌への寄稿(日本経済新聞「経済教室」欄など)のほか、著書には『ミクロ経済学の第一歩』(有斐閣・2013年)『これだけは知っておきたい働き方の教科書』(ちくま新書・2015年)がある。また、NHK(Eテレ)の経済学番組「オイコノミア」やBSジャパン「日経FTサタデー9」の講師として活躍するなど、雇用問題に関する分かりやすい解説には定評がある。

日本企業を取り巻く雇用の現状と課題とは?

 人手不足が深刻化し、働き方改革が叫ばれるなど、最近は雇用に関する話題がつきません。これから日本の雇用はどのように変化していくとお考えでしょうか。

安藤:日本には「人口の減少」と「技術の進歩による失業」という、これからの働き方を大きく変えるであろう二つの要因が存在します。まず「人口の減少」ですが、2010年から2050年の間に、日本の総人口は24%も減少すると予想されています。ただし、65歳以上の高齢者は横ばい、もしくは増加。一方で生産年齢人口である15歳~64歳はどんどん減っていき、働き手不足が顕著になります。また、地域によって人口が大きく異なるようになります。東京など一部の大都市では今よりも人口が増加しますが、地方には人が住まなくなるエリアが増えていくのです。地理的な選択と集中が進み、働く人は「どこに行けば仕事があるのか」、雇う側は「どこなら働く人を集められるのか」を、今まで以上に真剣に考えなければなりません。問題は人口が減ることによって、働く人の奪い合いが起きること。また、需要の高い業界から請われて人が動く、前向きな労働移動と同時に、技術の進歩により人の仕事がロボットや機械に取って替わられ、仕方がないから別の仕事に移る、といった後ろ向きな労働移動も起こることが予想されます。

平井:人口の減少による労働力不足は、派遣業界でも実感しています。派遣スタッフの平均年齢は40歳ですが、10年前は30歳でした。労働者の年齢構成が大きく変わってきています。

安藤:これから労働者が考えていかなければならないのは、人手不足の中でどのように働き方を変えるのか、ということです。長期雇用が機能していた高度成長期の頃は、例えば大卒後に22歳で就職し、60歳の定年まで40年近く同じ会社で働くことが期待できました。もちろんこの間、ずっと同じ仕事をしているわけではありません。勤務地や仕事内容、役割を変えながら、徐々に重要なポジションに就いて働き続けました。しかし今では、それが難しくなっている。このことを、社会全体でよく考えなければなりません。また企業側も、最後まで雇用する責任を持てないのなら、それに対応した人材の使い方を考えなければなりません。

平井:先ほどの「技術の進歩による失業」は、これからどのように進んでいくのでしょうか。

安藤:人が行っていた仕事が機械に置き換えられるようなことは、昔からありました。たとえば私が子どもの頃、駅の改札では人が切符を切っていましたが、現在では自動改札になり、切符を切る仕事はなくなりました。しかし日本の雇用ルールでは、簡単に雇用調整を行うことができません。そこで鉄道会社では、駅ビルや「エキナカ」で商売を始めるなど、新しい仕事を作ることに力を入れました。そして今後は、例えば自動運転のクルマが普及していくことで、バスやタクシーの運転手といった仕事が大幅に減っていくかもしれません。その他にも、技術の進歩によって失業する仕事にはさまざまなものが予想されています。要はある日突然、今まで自分がやってきた仕事がなくなるかもしれないのです。そのとき、私たちはどこへ行けば仕事を得られるのか、また、自分に合った仕事を見つけられるのか。これまで企業は長期間にわたり労働者を雇ってきましたが、今後は社内の配置転換だけでどうにかできる時代ではありません。そうなると、外部の「プロの手」を借りなければならない。「人材ビジネス」による新たなサービスが本当に必要だと認識される時代になってきていると感じます。

平井:日本の場合、労働力不足の問題の方がより加速するように感じます。当面は技術革新、機械化によって仕事が失われるといった、深刻な事態にはならないのではないでしょうか。

安藤:問題は、人と仕事の「ミスマッチ」がより多様化、複雑化してくる、ということです。直近の失業率は3.1%で、有効求人倍率も各都道府県すべてで1倍を超えています。このように人手不足の時代なのに、同時に失業者がいる「ミスマッチ」が起きているということ。「こんな仕事に就きたい」「こんな仕事ならできる」という労働者側と「こういう人が欲しい」という企業側のすれ違いがあるわけです。人は「求められる仕事」ができなければ、当然のことながら、雇ってもらえません。したがってミスマッチに直面している人たちをどうやって求められる人材(=働ける人材)にするのかが、これからのもう一つの課題です。

このような背景には、日本独特の雇用慣行があります。日本では新卒社員が未経験で入社し、仕事を通じて教育や訓練を行います。また、本人の希望を聞きながら、仕事内容や働く地域の変更が行われます。適材適所を進め、管理職となる人材を探し出し、社員のキャリア形成を企業が主体となって行う――このような手間暇のかかることをしている国は、日本以外にほとんどありません。多くの国では経験者採用が前提であり、仕事内容や労働時間、給料などを「職務記述書」の中に記し、会社と労働者の間で契約を取り交わします。日本のように会社から本人の知らないところで詳細が決められ、「辞令」が下りるのは、世界でも大変珍しいことです。

 派遣業界では、近年の人材不足の問題をどのように捉えていますか。

平井:私の管轄はオフィスワークの事務職ですが、AI化の波はまだこれからといった感じです。人手不足が顕著な業界はIT関連の職種と介護職です。IT関連の職種では2.5倍の有効求人倍率、介護職は3倍を超えています。日本全体で見ると、人材不足が逼迫しているIT関連と介護職に対して、いかに人材を配置していくのかが大きな課題です。

安藤:人材不足と言っても、そうした専門分野に異分野の人材を供給することは、現実的にはなかなか難しいように思います。例えば、タクシーの運転手をしていた人が、いきなりIT関連や介護で仕事をすることは難しいでしょう。しかし、難しいからといって、職種間異動を行わないわけにはいきません。適性があったり、本人が強く希望している場合には、人材が不足している分野に移動できるように、支援を進めていくことが大切です。またそれが難しい場合には、その人ができる新たな仕事を作っていかなければならない。これは個々の企業というよりも、社会全体の仕組み作りとして重要なことです。

現在では、労働力人口の4割近くを非正規労働者が担っています。しかし非正規の場合、「社内で教育訓練を行って育てる」「適材適所を実現する」といった対応が難しい。では、どこが行うのかというと、教育機関やハローワークなどの公的機関、大学などの教育機関、そして民間の人材ビジネスなどです。

平井:今まで派遣会社では、企業からオーダーを受け、条件に合った人をマッチングすることがメインの仕事でした。今後はそれに加えて、派遣スタッフ一人ひとりのキャリアにいかに寄り添い長期的に労働者が働ける環境に貢献できるかが、派遣会社にとって重要な存在意義となり、業界全体で取り組んでいく必要があるとを感じています。

安藤:これからのマッチングビジネスには、仕事に人をうまく合わせられるよう、アドバイスしたり、サポートしたりすることが必要となってくるわけですね。

平井:現場では、とにかく人が足りません。派遣スタッフの時給が上がり続けていることからも分かる通り、求職者が強い立場にあります。また、仕事が選べるという状況が続いており、働く側がなかなか条件を下げないという事態も起きている一方で、企業側は即戦力でなければ採用しないというギャップが発生しています。

安藤:これからはものすごい勢いで人手が減り、人材の奪い合いが深刻化していきます。企業は「もっとよく探せば、他にいい人がいるのでは」と言っている状況ではないのです。採用してから育てることは不可欠です。また、働く側も「給料が高いかどうか」だけではなく、「長期的なキャリアプランを立てられる仕事かどうか」を踏まえて判断しなければいけません。

平井:「キャリアチェンジ」を受け容れる会社を増やしていくことが、労働力を生み出すうえでの大きな分岐点だと思います。

安藤:キャリアチェンジを誰がどうサポートするのかは、未だに先が見えていません。現在は「副業をすればいいことがあるのではないか」など、周辺を埋めるような話題ばかりです。キャリアを大きくチェンジして成功した事例として紹介されるのは、それこそスーパーマンのような人ばかり。普通の人がキャリアチェンジに成功した事例は、まだまだ足りません。キャリアチェンジを進めていくには、そうした事例が社会全体でストックされていくことが重要です。

タクシーの運転手がいくら都内の道路に詳しくても、カーナビの性能がよくなり、抜け道や最短距離が誰にでも分かるようになれば、能力・スキルは陳腐化してしまいます。しかし、これまでの経験によって都内のいろいろな場所を知っているなら、観光ガイドとしての役割を果たすことができるかもしれない。実際、観光地では「観光タクシー」という職業が存在しますね。いずれにしても、普通の人が新たにできる仕事のケースをいろいろと示し、積み上げていくことが大切です。

「キャリアチェンジ」が求められる中、人材ビジネスが担う役割とは?

 「キャリアチェンジ」をどのように図っていくかが、大きな課題であることがよく分かりました。人材ビジネスではどのような展開が考えられますか。

平井:キャリアチェンジも含め、一人ひとりがいかにスキルアップを図りながら、キャリアパスを描いていくか。これまでの経験と情報の蓄積によって、それをサポートしていく役割が、人材ビジネスにはあると考えています。また、ダブルワークという働き方は派遣だから選択しやすいという側面もあります。たとえば当社のメニューには、フルタイムではない「時短スタイル」という短い時間での働き方がありますが、これを選択して当社から紹介した2社でダブルワークをするという人が増えています。こうした形でのダブルワークは、派遣という人材ビジネスだからこそ提供できるものとも言えます。しかし実際には、制度の運用面で、ダブルワークを一般企業が取り入れるのはなかなか難しいと思います。

安藤:「会社任せではなく、自らキャリアチェンジを図る」と口で言うのは簡単ですが、個人の力で容易にできるものではありません。「これからは自己責任が大切だ」と言っても、普通の人にできなくては仕方がない。実現するためには、人材ビジネスのようなプロによるサポートが必要です。個人のキャリア形成については、誰か一人が責任を持つというのはなく、皆で役割分担をしていかざるを得ない。支援を行う場合も、民間企業と公的機関がうまくすみ分けて対応していくことが大事ではないでしょうか。

キャリアの方向性が定まっていない人に対して、適切なアドバイスやふさわしい仕事を提供できる仕組みが必要です。実際、自分のことになると、冷静な分析や判断ができない人は少なくありません。やはり、プロの視点からの情報提供やサポートが欠かせないでしょう。

平井:ところで、「時短スタイル」で短時間だけ働くケースが増えていると言いましたが、企業側では「長く働いてほしい」という考え方を依然として持っているように感じます。

安藤:欧州のように、時間比例原則によって賃金を「時間当たり単価×時間数」というルールにしているのとは違い、日本では「フルタイムで働く」「柔軟に仕事量の増減に対応できる」ということが“込み”となって、正社員としての仕事があります。そのため、「残業ができない」というだけの理由で、非正社員としての扱いになってしまい、待遇が圧倒的に落ちてしまうのが現状です。

平井:短い時間で働くことを望んでいる人が増えているのは間違いないので、派遣先の職場で指揮命令する人がうまく設計したり、考え方を変えて対応したりすることが、大きなポイントだと思います。

安藤:いずれにしても、指揮命令する立場にある管理職が、「この人には何ができるのか」を的確に見定めて仕事を与えることが必要です。もちろん能力を向上させるために、現時点でできることよりも少し難しめの仕事を割りふることもあるでしょうが、超えられるハードルでなければなりません。特に長時間労働やパワハラが大きな問題となっている昨今は、上司が部下に対してどういう仕事を振るのかの「責任」が問われています。

平井:派遣では「指揮命令権」を派遣先企業に委ねていますので、本当にそう思います。

安藤:派遣労働は、仕事内容を契約で特定して明確に対応しています。そのため、これまで日本的な働き方をする職場の中で苦労してきたわけですが、逆にこれからは正社員が派遣の仕事の仕方をまねしなければならない時代になってくるように思います。もちろん、仕事の内容を全て「ジョブ・ディスクリプション」に記述するのは困難ですが、いかに仕事を仕分けして「パッケージ化」していくか。この点での工夫が経営者や管理職層に求められます。

これからは、正社員以外の人が職場でさらに増えていきます。また、さまざまな働き方の人が存在するようになります。そうなると職能給ではなく、派遣業務のように仕事内容がきっちりと固まっている職務給型の賃金体系を必要とする人が増えてくるわけで、当然、管理する側の人がその人たちの活用の仕方を知らなくてはなりません。

派遣という働き方のすべてをネガティブに捉える人がいますが、実際に派遣で働いている人の半数は、派遣労働というスタイルを望んで選択した人たちです。経営が不安定な企業に雇用されるより、派遣会社のバックアップやサポートがあり、自分のスキルを活かせる企業で働くことを希望しているからです。また、派遣先企業の経営が傾いた時に、別の派遣先を探してもらえるという安心感があることも大きいでしょう。何より、これまでの自分の「キャリアトラック(勤務経験)」を知ってもらっているので、よりふさわしい企業を探してもらうことができます。

平井:日本人材派遣協会が2016年に発表した調査によると、現在派遣で働いている人たちは、年齢が上がれば上がるほど、今後も派遣で働きたいと考えており、ネガティブな捉え方をしている人は少ないようです。派遣先企業との間にエージェントである人材派遣会社が入りますから、法的な部分での対応もしっかりと行いますし、何かあった時の相談体制も整っていて、モチベーションを高く持って働くことができるからでしょう。特に常用型での派遣では、そういう傾向が強いように思います。このような現状と問題意識から、弊社では無期雇用派遣サービス「ミラエール」を提供しているのです。

「ミラエール」の詳細はこちら
協賛企業

人材派遣を中心に人材総合サービスを展開するスタッフサービスグループは、全国47都道府県に拠点を設け、事務職や技術者、ITエンジニア、介護、製造業務など事業領域ごとに人材を派遣。 現在約65,000人の派遣スタッフが就業しています。深刻な人材難に対し、多くの就業のチャンスを創り出しています。

協賛企業
注目の記事

注目の記事

? このジャンルの新コンテンツ掲載時に通知します このジャンルの新コンテンツ掲載時に通知します
フォロー

無料会員登録

フォローすると、対象ジャンルの新着記事が掲載された際に通知します。
利用には『日本の人事部』への会員登録が必要です。

メールアドレスのみの登録で、15秒で完了します。

HRのトレンドと共に、HRソリューション企業が展開するさまざまサービスをご紹介。自社に最適なソリューションを見つけてください。

この記事ジャンル 能力開発関連制度

無料会員登録

会員登録すると、興味のあるコンテンツをお届けしやすくなります。
メールアドレスのみの登録で、15秒で完了します。

この記事を既読にする

無料会員登録

「既読機能」のご利用には『日本の人事部』会員への登録が必要です。
メールアドレスのみの登録で、15秒で完了します。

注目の記事のバックナンバー