2016年度労働時間総合調査
所定・総労働時間、休日・休暇、時間外労働等の最新実態(労務行政研究所編集部)
2. 2015年度年間総実労働時間(試算)
年間総実労働時間の水準[図表7]
全産業・規模計で平均2056.4時間
年間所定労働時間に、時間外労働の実績や年次有給休暇(以下、年休)の取得日数を加味して、年間総実労働時間を試算した。なお、算出方法は下記の[留意事項]を参照いただきたい。
試算の結果、2015年度の年間総実労働時間は、全産業・規模計で平均2056.4時間となった(時間表示は十進法。以下同じ)。内訳は、年間所定労働時間が1904.38時間、時間外労働の実績(年間)が223.5時間、年休の取得日数が9.2日である。
年間総実労働時間を規模別に見ると、1000人以上2069.2時間、300〜999人2056.7時間、300人未満2033.2時間で、規模が大きいほど年間総実労働時間は長く、1000人以上と300人未満の差は36.0時間である。その内訳を見ると、年間所定労働時間については300人未満のほうが1000人以上よりも23.0時間長いものの、時間外労働の実績(年間)では、300人未満の176.1時間に対し、1000人以上は254.9時間で78.8時間も長く、これが年間総実労働時間数に大きく影響している。
留意事項
◆「年間総実労働時間」算出のためのデータとして、「年次有給休暇の取得状況」および「時間外労働の実績」といった項目ごとの回答数値からデータを拾い出し、労務行政研究所で一律に試算している。
◆したがって、以下(1)〜(4)の各データの算出対象期間や対象人員などに厳密な対応関係はなく、あくまで試算値として捉えていただきたい。
◆年間総実労働時間の算出方法(2015年度)
(1)年間所定労働時間(2015年度)
(2)年間時間外労働時間(2015年度1人1ヵ月当たり平均値×12)
(3)1日当たりの所定労働時間(2016年度)
(4)年次有給休暇の取得日数(最近1年間)
年間総実労働時間=(1)+(2)-(3)×(4)
分布状況と推移[図表8〜10]
「2050〜2100時間未満」が20.1%で最多
全産業で見ると、年間総実労働時間数は最短1699.5時間から最長2772.4時間まで幅広く分布しており、最短と最長の差は1072.9時間にも上る。分布を見ると、「2050〜2100時間未満」20.1%に最も多く分布しており、次いで「1950〜2000時間未満」13.1%、「2100〜2150時間未満」10.1%が1割を超えている。
産業別では、「2050〜2100時間未満」が製造業21.4%、非製造業18.4%でいずれも最多だが、非製造業では製造業に比べて年間総実労働時間の長いほうに分布が広がっている。2200時間以上の割合を見ると、製造業は6.3%と1割未満だが、非製造業は25.3%と4社に1社に上り、製造業より19ポイントも多い。
当所調査の年間総実労働時間の推移を[図表9〜10]に示した。年度によりカレンダーの日巡りや集計(回答)企業が異なる点に留意いただきたいが、10年度以降直近6年は2050時間前後でほぼ横ばいといえる。
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