待ったなし!2026年7月、法定雇用率アップへの戦略的対応

来年2026年7月1日、障がい者雇用の法定雇用率が民間企業で2.5%から2.7%へ引き上げられる予定です。これは貴社の雇用体制を見直し、新たな戦略を立てるべきタイミングが迫っていることを意味します。
「まだ先のこと」と考えるのは危険です。今のうちから具体的な準備を進めなければ、思わぬペナルティや企業イメージの低下に繋がりかねません。
最重要!3つの確認事項と具体的なステップ
法定雇用率の引き上げに際し、貴社で確認すべきポイントは以下の3点です。
1. 法定雇用障害者数の正確な把握
まずは、2026年7月からの貴社に必要な障がい者雇用数を算出しましょう。
計算式:
(常用労働者数+短時間労働者数×0.5)×2.7%
-
常用労働者:週の労働時間が30時間以上の従業員
-
短時間労働者:週の労働時間が20時間以上30時間未満の従業員
例1:現在の従業員数で計算
-
常用労働者:105人
-
短時間労働者:5人
(105人+5人×0.5)×2.7%=2.90人
小数点以下は切り捨てのため、2人の障がい者雇用が必要となります。
2. 従業員数の変動による影響の確認
従業員数は常に変動するものです。例えば、2026年4月に従業員が増える予定がある場合はどうでしょうか?
例2:従業員が増える場合
-
2026年4月に常用労働者が105人から110人に、短時間労働者が5人から6人に増員される場合
(110人+6人×0.5)×2.7%=3.05人
この場合、2026年7月からは3人の障がい者雇用が必要になります。従業員数の増減が雇用数にどう影響するか、事前に確認しておくことが重要です。
3. 採用計画とチャネルの戦略的検討
上記の例で、現在1人の障がい者を雇用していると仮定しましょう。2026年7月までに、さらに2人の障がい者雇用が必要になります。
貴社の過去の採用実績を確認してください。1回の採用活動で何人の障がい者を採用できていますか? もし1人の採用実績しかない場合、採用時期を前倒ししたり、複数の採用方法を組み合わせるなど、今から具体的な採用計画を練る必要があります。
現状、「自社サイトとハローワークでの募集しかしていない」という企業様も多いかもしれません。しかし、より求める人材に出会うためには、多様な採用チャネルの活用を検討すべきです。
効果的な採用チャネルの例:
-
障がい者専門の人材紹介エージェント:専門知識を持つプロが貴社と求職者をマッチングします。
-
就労移行支援事業所:就職を目指す障がい者の方々が利用しており、実習なども含めて連携できます。
-
特別支援学校:新卒採用の有力な選択肢となります。
法定雇用率未達成時のペナルティと企業への影響
常用労働者数が100名を超える企業で、障がい者雇用数が不足している場合、1人につき月額5万円の納付金が発生します。
例3:不足人数に応じた納付金
2026年7月時点で3人の障がい者雇用が必要なのに、1人しか雇用できていない場合、2人分の不足となります。
5万円×2人=月額10万円の納付金
これは年間で120万円ものコストになります。
金銭的なペナルティだけでなく、法定雇用率の未達成は企業の社会的責任を問われることにも繋がります。企業の評判やブランドイメージに与える影響も決して小さくありません。
今こそ、多様性を受け入れる企業へ
障がい者雇用は、単なる「法的義務の履行」に留まりません。多様な人材を受け入れ、お互いを尊重し、助け合える環境を構築することは、より良い労働環境を生み出し、結果として生産性の向上にも繋がります。
2026年7月の法定雇用率引き上げに向けて、今から戦略的に準備を進めましょう。もし採用、業務の切り出し、定着に課題を感じている場合は、専門家のサポートを活用することも非常に有効です。
無料で利用できる公的機関の支援も活用しましょう。
-
ハローワーク:求人情報の掲載だけでなく、相談窓口も設置されています。
障害者就業・生活支援センター:就職から定着まで、一貫した支援を提供しています。
このコラムを書いたプロフェッショナル
衛藤 美穂(エトウ ミホ)
サンクスラボ株式会社 クライアントサポートチーム
法人営業13年以上経験、心理カウンセラーの資格保有。
福岡県出身。 アメリカの大学で心理学と人間関係を学ぶ。
サンクスラボ入社前は不動産、メーカー、教育関係の仕事を経験。約2,500社以上の管理職、取締役に対して提案営業、問題解決等を行う。

衛藤 美穂(エトウ ミホ)
サンクスラボ株式会社 クライアントサポートチーム
法人営業13年以上経験、心理カウンセラーの資格保有。
福岡県出身。 アメリカの大学で心理学と人間関係を学ぶ。
サンクスラボ入社前は不動産、メーカー、教育関係の仕事を経験。約2,500社以上の管理職、取締役に対して提案営業、問題解決等を行う。
法人営業13年以上経験、心理カウンセラーの資格保有。
福岡県出身。 アメリカの大学で心理学と人間関係を学ぶ。
サンクスラボ入社前は不動産、メーカー、教育関係の仕事を経験。約2,500社以上の管理職、取締役に対して提案営業、問題解決等を行う。
得意分野 | コミュニケーション、営業・接客・CS、ビジネスマナー・基礎、語学 |
---|---|
対応エリア | 全国 |
所在地 | 那覇市 |
このプロフェッショナルの関連情報

- 無料
- WEBセミナー(オンライン)
- 経営戦略・経営管理
- 人材採用
〈無料ウェビナー〉障がい者雇用担当者様向け
2025年以降の「障がい者雇用促進法」改正に備える
人事・労務担当者が今から行うべきコト、注意すべきポイントとは?
開催日:2025/07/08(火) 11:00 ~ 11:45
- 参考になった0
- 共感できる0
- 実践したい0
- 考えさせられる0
- 理解しやすい0
無料会員登録
記事のオススメには『日本の人事部』への会員登録が必要です。