メンタリングが支える“挑戦し続ける力”
■【事例】等身大の言葉が挑戦の連鎖を生む
日頃、技術系企業の皆さまと継続的にメンタリングを
ご一緒しているのですが、その中に女性リーダー育成
プログラム修了者を対象としたメンタリング施策があります。
多くの企業様で毎年希望者が多く、
募集するとすぐ枠が埋まってしまうことが続いています。
初回の面談では、ほとんどの方が
「やっぱり自分に管理職は無理かもしれない」
と不安な気持ちを率直に話してくださいます。
しかし、半年後にアンケートを取ると、
「キャリアを続けたい意欲が高まった」
と答える方が約85%にのぼり、言葉や表情が
明るく前向きに変化していきます。
そして1年間の伴走を終える頃には、
「来年もぜひメンタリングを希望します」
とおっしゃる方がとても多いのです。
私自身も長く関わることで、おひとりおひとりの背景への理解が
深まり、より適切なアドバイスや働きかけができるようになります。
その関わりを喜んでいただけることが、
私自身の励みにもなっています。
特に男性管理職が中心の技術系組織では、
女性が挑戦を続けるために、
“伴走者の存在”
が欠かせないと感じています。
背中を押すのは、大きな成功談より、
等身大のエピソードや「自分にも重ねられるリアルな言葉」。
その積み重ねが、挑戦の連鎖を生んでいくのだと思います。
■リアルな言葉が意欲を高める理由
海外のメンタリングプラットフォーム企業
の分析でも、メンタリング参加者は
非参加者より昇進率・定着率が高まり、
エンゲージメントも向上する傾向が報告されています。
背景には、数字だけでは測れない
「安心して挑戦できる心理的な支え」
があるのではないかと感じています。
リアルな言葉に触れることで、
「完璧じゃなくていいんだ」
「自分にもできるかもしれない」
という自己効力感が芽生えます。
専門性が高く、ロールモデルが
限られる技術系企業では特に、
こうした“心の支え”が挑戦の一歩を
踏み出す力につながるのだと思います。
■小さな語りの場をつくることから始める
まず始められる一歩として、「自分のリアルを語る時間」を
つくることをおすすめしています。
特別な制度を整える必要はありません。
月1回、30分ほどでも十分だと思います。
・上司が過去の葛藤を語る
・先輩が失敗談を共有する
・メンバーが最近の気づきを話す
こうした小さな対話の積み重ねが、
組織に“安心して挑戦できる空気”を
育てることにつながっていきます。
理論よりも、体験。
理屈よりも、言葉。
等身大のストーリーが、人にチャレンジ意欲を与え、
組織をゆるやかに前へと動かしていくと、私は確信しています。
このコラムを書いたプロフェッショナル
細木聡子
株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまで延べ7,700人以上の技術系企業の女性管理職育成に携わる。技術系企業のジェンダーギャップ解消を突破口としたダイバーシティ経営推進を支援。
細木聡子
株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまで延べ7,700人以上の技術系企業の女性管理職育成に携わる。技術系企業のジェンダーギャップ解消を突破口としたダイバーシティ経営推進を支援。
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまで延べ7,700人以上の技術系企業の女性管理職育成に携わる。技術系企業のジェンダーギャップ解消を突破口としたダイバーシティ経営推進を支援。
| 得意分野 | 経営戦略・経営管理、モチベーション・組織活性化、キャリア開発、リーダーシップ、マネジメント |
|---|---|
| 対応エリア | 全国 |
| 所在地 | 千代田区 |
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