部下のメンタルタフネスを高める方法

上司の期待に反して部下が成長しない、メンタル不調者や早期離職者が発生する、といったことが、多くの企業で課題となっています。

今回のコラムでは、上司の立場で部下のメンタルタフネスを高める方法についてご紹介します。


職場で部下のメンタルタフネスを高めるには、「適切に負荷を上げていく」ことが大切です。但し、負荷をかける際に必要となる前提条件が2つあります。

一つ目は、「職場の心理的安全性を高め、部下との信頼関係を構築する」ということです。

上司の発言内容が同じであっても、信頼関係の有無によって、部下に伝わるメッセージは変わります。

信頼関係の醸成が不十分だと、上司の指示はネガティブに受け止められやすく、最悪の場合、ハラスメントと捉えられてしまうこともあり得ます。

他方で、良好な信頼関係ができていれば、多少強い負荷をかけても

「自分に期待して言ってくれているんだな」「きっと上司なりの意図があるに違いない」と、好意的に受け止められやすいものです。


二つ目は、「部下個人の特徴を把握し、認知や思考面で強い課題感がある場合は、専門家を活用して改善を図る」ということです。

メンタルタフネスは個人差が大きいため、そこを意識せずに「これくらいはやれるだろう」と負荷を上げると、気づいた時には部下はメンタル不調に陥っているかもしれません。

そうならないためには、部下一人一人の反応を注意深く確認することが大切です。

もし上司が期待する反応との乖離が大きい場合、上司側の関わり方や負荷のかけ方の問題だけでなく、部下個人の認知や思考の偏りが大きい可能性も考えられます。

部下の認知や思考の偏りが極端に大きいと、上司がどれだけエネルギーを注いで励ましたり説得したりしても、メンタルタフネス向上にはつながりにくいものです。

個人の認知や思考の修正は職場では難しいため、部下の反応が理解可能な範囲を超えてネガティブだと感じる場合は、専門家へ相談することをお勧めします。


上記二つの前提条件を満たした場合、適切に負荷をかけていくことでメンタルタフネス向上が期待できます。

この際、「少し低めの負荷から段階的に負荷を上げていく」ことが大切です。いきなり強い負荷をかけてしまうと、メンタル不調のリスクが高まります。

一方で、いつまでも低い負荷のみしか与えられない「ぬるい職場」では、部下自身も成長が実感できず、離職につながるケースが増えていると言われています。

弱すぎず強すぎない、その時の部下にとって「やや強い」レベルの負荷をかけながら経験値を高めていくことが、メンタルタフネス向上につながります。

また、負荷をかける初期段階で確認するだけでなく、その後の経過を定期的に確認し、負荷を調整することも大切です。


上司が時間と労力をかけて指導しても、部下がメンタル不調になる、成長が促されない、といった状態は、上司にとっても大きなストレスになり得ます。

もし「適切に負荷をかけているつもりでもうまくいかない」と感じるときは、専門家に相談し、原因分析から連携して行なうことをお勧めします。


(コラボレーター 棚岡 晴香)

  • 安全衛生・メンタルヘルス
  • その他

公認心理師/産業カウンセラー/キャリアコンサルタント
【専門領域】産業精神保健、復職支援、ストレスマネジメント

人材派遣会社にて派遣スタッフの教育・コーディネート、支店の管理運営、採用など幅広く担当。その後、EAP会社にて新規顧客開拓、既存顧客へのサポートに従事。現職では、従業員へのカウンセリングや研修講師、企業メンタルヘルス体制構築に携わる。 

棚岡 晴香(タナオカ ハルカ) シニアコラボレーター

棚岡 晴香
対応エリア 東海(愛知県)
所在地 渋谷区

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