労働経済動向調査(平成27年8月)の結果(厚生労働省)
~労働者過不足判断D.I.は、正社員等労働者、パートタイム労働者とも引き続き不足超過~
厚生労働省では、このほど、労働経済動向調査(平成27年8月)の結果を取りまとめましたので、公表します。
「労働経済動向調査」は、景気の変動が雇用などに及ぼしている影響や今後の見通しについて調査し、労働経済の変化や問題点を把握することを目的に、四半期ごとに実施しています。また、今回は特別項目として、既卒者の募集採用及び新規学卒者採用枠での募集時期についても調査しています。
本調査は、平成27年8月1日現在の状況について、主要産業の規模30人以上の民営事業所のうちから5,835事業所を抽出して調査を行い、このうち3,129事業所(うち有効回答3,011事業所、有効回答率51.6%)から回答を得ています。
(調査結果のポイント)
1.生産・売上額等、所定外労働時間、正社員等雇用の状況(平成27年7~9月期実績見込)
(1) 生産・売上額等判断 D.I.(注1)「調査産業計」で2ポイント。主要産業別にみると「サービス業」(+9)、「卸売業,小売業」(+7)、「建設業」(+6)及び「製造業」(+3)でプラスとなったが、「医療,福祉」(△5)はマイナス。
(2) 所定外労働時間判断 D.I.(注1)「調査産業計」でマイナス2ポイント。主要産業別にみると「サービス業」(+1)、「製造業」(0)となったが、「建設業」(△1)、「卸売業,小売業」(△2)及び「医療,福祉」(△9)はマイナス。
(3) 正社員等雇用判断 D.I.(注1)「調査産業計」で3ポイント。主要産業別にみると「建設業」(+12)、「サービス業」(+9)、「卸売業,小売業」(+6)及び「製造業」(+4)でプラスとなったが、「医療,福祉」(△1)はマイナス。なお、正社員等雇用判断D.I.(平成27年4~6月期実績)は全ての主要産業でプラス。「調査産業計」(+7)でプラスとなったのは平成20年4~6月期以来28期(7年)ぶり。
2.労働者の過不足状況、雇用調整の状況
(1)労働者過不足判断 D.I.(注1)平成27年8月1日現在、正社員等労働者は「調査産業計」で29ポイントと17期連続、パートタイム労働者は「調査産業計」で28ポイントと24期連続して、それぞれ不足超過。正社員等労働者、パートタイム労働者ともに全ての産業で不足超過。
(2) 「雇用調整を実施した」事業所の割合(平成27年4~6月期実績)は「調査産業計」で28%。うち、「事業活動縮小によるもの」は2%。
3.既卒者(注2)の募集採用(平成26年8月から平成27年7月まで)の状況(今回調査の特別項目)
新規学卒者の採用枠で正社員を募集する際、既卒者が「応募可能だった」とする事業所の割合は「調査産業計」で42%(前回平成26年8月調査29%)。
(注1)「D.I.(DiffusionIndex:ディフュージョン・インデックス)」とは、変化の方向性を表す指標である。
(1)「生産・売上額等」「所定外労働時間」「雇用」の判断D.I.は、当該期(間末)を前期(間末)と比べて「増加」と回答した事業所の割合から「減少」と回答した事業所の割合を差し引いた値である。なお、これらの値には季節による変動があるため、季節調整を行っている。これらの判断D.I.がプラスであれば、前期(間末)よりも増加させた事業所が多いことを示す。
(2)「労働者過不足判断D.I.」は、調査時点において、労働者が「不足」と回答した事業所の割合から「過剰」と回答した事業所の割合を差し引いた値である。この判断D.I.がプラスであれば、人手不足と感じている事業所が多いことを示す。
(注2)「既卒者」とは、学校卒業後すぐに調査対象事業所に就職する者以外で、35歳未満の者をいう。勤務経験の有無は問わない。
※利用上の注意(調査対象事業所の変更について)
平成27年2月調査実施時に対象事業所の抽出替えを行った。また、平成27年2月調査から会社以外の法人(信用金庫、財団法人、病院等)も調査対象とした。その結果、会社以外の法人が調査対象事業所に占める割合は9.4%となり、「金融業,保険業」、「学術研究,専門・技術サービス業」、「医療,福祉」においては、同産業に占める会社以外の法人の割合はそれぞれ13.1%、12.2%、91.0%となっており、特に「医療,福祉」について時系列比較をする場合は注意を要する。
関連資料
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【照会先】
大臣官房統計情報部雇用・賃金福祉統計課
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課長補佐:佐田晴康
労働経済第一係
(代表電話)03(5253)1111(内線 7622)
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(厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp// 9月9日発表・報道発表より転載)