ワイキューブが大手・中小企業の人事担当者へ
「2007年度の新卒採用活動に関する意識調査」を実施
コンサルティング企業のワイキューブ(東京新宿区、安田佳生・代表取締役)は、従業員200名未満の中小企業と従業員201名以上の大手・中堅企業の人事担当者計588名を対象に、「2007年度の新卒採用活動に関する意識調査」を2006年4月3日に実施しました。
【 要旨 】
大手・中堅企業は“激化する新卒採用環境に対応して高額な費用を投下してでも採用数を増やす”方向に向かう一方、中小企業は環境の変化に対応して自社の採用活動自体を変化させている割合が低いことがわかりました。
(1) 現在「新卒採用活動を実施している、もしくは予定している」とした割合が大手・中堅企業では89%なのに対し、中小企業は38%。
(2) 前年度までと比較して、採用予定人数が「増加している」のは大手・中堅企業43%、中小企業24%。
(3) 採用活動予算に関しては「高額である」のが大手・中堅企業32%、中小企業13%。
(4) 現在の新卒採用環境について「激化している」と感じているのが大手・中堅企業で42%、中小企業では17%。
【 背景 】
現在の人材採用環境においての人材獲得は、以前のように容易ではない状況です。
■ 「2007年度の採用計画調査では大卒が06年度の実績見込みに比べ21.3%増える。」
(2006年3月22日・日本経済新聞)
■ 「全国の民間企業の求人総数は、最も求人数が多かったバブル期(1991年卒)の84万人に次ぐ水準」/「需給バランスである求人倍率は1.89倍」(ともに2006年4月25日・リクルートワークス研究所)
しかし、本アンケート調査では、大手・中堅企業と中小企業の新卒採用に対する姿勢の差が以下のように浮き彫りになりました。
(1) 現在の新卒採用環境の状況について「全く分からない」と答えたのが大手・中堅企業ではたった8%だったのに対し、中小企業では35%。
(2) 新卒採用活動に対する情報収集を大手・中堅企業の84%が実施しているのに対し、中小企業で実施している割合は35%。
(3) 採用担当者のスキルアップの必要性は感じているものの(大企業;95%、中小企業;83%)、スキルアップのための具体的な取り組みの実施度は大手・中堅企業55%に対し、中小企業27%と倍近くの差。
大手・中小企業の採用担当者が世情を敏感に察知してさまざまな施策をこうじている一方、中小企業の採用担当者はこの状況においても楽観的でいる姿勢がうかがえます。
【 考察 】
アンケート結果より、2007年問題や景気回復により企業の多くの積極的な採用姿勢がニュースになる中、大手・中堅企業と中小企業とでは、その意識や具体的な取り組みにかなり大きな差が開いていることが分かりました。
新卒採用活動の継続性に関する問いで、大手・中堅企業の80%が5年以上継続しているのに対し、中小企業での同割合は38%にとどまることからも、新卒採用に対する姿勢が、大手・中堅企業へと成長する企業と中小企業にとどまる企業との分かれ目となる大きな要素の1つである、ということができます。
(ワイキューブ http://www.y-cube.co.jp//同社プレスリリースより抜粋・5月9日)