新たな付加価値を生み出す「サービス経営人材・マネージメント人材」を
育成する大学の取組を応援します(経済産業省)
~平成27年度「産学連携サービス経営人材育成事業」の交付先が決定しました~
経済産業省では、サービス産業の活性化・生産性向上に向け、次代の経営人材・マネージメント人材を育成する専門的・実践的な教育プログラムを産業界と連携 して開発する大学への支援を行うため、平成27年度「産学連携サービス経営人材育成事業」の交付先として17大学を決定いたしました。
今後5年間で50校への支援を目標とし、飲食業、宿泊業等のサービス産業の多様な分野において、教育機関による人材育成を後押ししていきます。
1.背景
サービス産業は日本のGDPの約7割を占め、その割合は拡大傾向にあることから、今後の日本経済の持続的成長にはサービス産業の生産性向上が必要不可欠で す。このため、4月15日にサービス産業の活性化・生産性向上に向けた政府全体戦略である「サービス産業チャレンジプログラム」が日本経済再生本部で決定 されました。また、今後予定されている日本再興戦略の改訂においても、最重要施策の一つとして、サービス産業の活性化・生産性向上を盛り込むことを検討し ています。
中でも、サービス産業の活性化・生産性向上には、イノベーションを担う次世代の経営人材やマネージメント人材の育成の推進が不可欠です。諸外国には、一流 ホテルの経営者が集うコーネル大学ホテル経営学部(米国)や、食のハーバード大学と呼ばれるカリナリー・インスティチュート(米国)といった、サービス産 業の経営人材・マネージメント人材育成のための専門教育機関が充実していますが、我が国の教育機関はこうした取組が遅れています。
一方、きめ細やかな接客サービスといった「日本式サービス」は、国内外でその価値が認められ、企業の競争力の源泉となっていることも確かです。こうした日 本式サービスを、企業の「勘と経験」にとどめるのではなく、教育機関が理論化・形式知化して新たな理論教育を提供するとともに、これを現場で学ぶ実践教育 も提供し、サービスに関する専門的・実践的な体系的な教育を、広く日本のサービス産業の次代を担う人材が学ぶことができることが大変重要です。
更には、企業の競争環境の厳しさが増し消費者嗜好が多様化する中、市場ニーズにマッチした新たなサービスを開発することも、企業が付加価値を高めるために 不可欠です。このため、サービス分野における新たな経営手法やアントレプレナーシップに関する教育を、教育機関が提供していくことも重要です。
こうした背景を踏まえ、経済産業省では、平成27年度「産学連携サービス経営人材育成事業」により、サービス産業の次世代の経営人材・マネージメント人材 を育成するための、専門的・実践的な教育プログラムを開発する大学を支援いたします。将来的には、こうした支援を元に、専門の正規教育課程(学部、学科、 コース等)が各大学で創設されることを期待します。
今後5年間で50校への支援を目標とし、飲食業、宿泊業等のサービス産業の多様な分野において、教育機関による人材育成を後押ししていきます。
2.採択の結果
平成27年4月24日から平成27年5月29日の期間で公募を行ったところ、67件の応募があり、外部有識者による第三者委員会での審査を行った結果、次のとおり採択先を決定しました。
採択された取組は、教育プログラムの内容が具体的である取組、教育内容として専門性・実践性が高い取組、将来的に明確な正規教育課程への反映の構想を有している取組等となっています。
(採択先)
事業者名(都道府県)/事業名
・小樽商科大学(北海道)/地域包括ケアシステムの中核を担う医療経営人材育成事業
・弘前大学(青森県)/めざせ!じょっぱり起業家。青森の魅力を高める中核人材育成事業
・千葉商科大学(千葉県)/インキャンパス・サービスビジネス・ラーニング
・芝浦工業大学(東京都)/学び直しと価値共創を繰り返す中小製造業サービス化エコシステム
・ハリウッド大学院大学(東京都)/「美」のサービスイノベーション人材を育成するプログラムの開発
・東洋大学・一般社団法人日本旅行業協会(東京都)/産学連携による観光人材育成プログラム開発事業
・慶應義塾大学(東京都)/サービスデザイン学の講義及びそれを実行するプロジェクトの開発
・事業創造大学院大学(新潟県)/情報化教育の強化から見たサービス経営人材育成
・四日市大学(三重県)/産学連携による伊勢志摩『おもてなし経営』のための人材育成事業
・立命館大学(京都府)/食サービス分野における高度マネジメント人材育成
・関西学院大学(兵庫県)/診療所を中核とした地域医療経営人材育成プログラムの開発
・山口大学(山口県)/地域と共進化する実践型地域資産活用サービス経営人材育成事業
・愛媛大学(愛媛県)/産学官連携による観光サービス産業の経営管理を担う人材育成事業
・九州工業大学(福岡県)/地域資源(ストック)活用型サービス経営人材育成事業
・中村学園大学(福岡県)/栄養科学と流通科学の融合による食産業サービス経営人材の育成
・宮崎大学(宮崎県)/食を中心とした総合レジャー産業を担う人材育成プログラムの構築
・琉球大学(沖縄県)/沖縄21世紀ビジョンを担うグローカルサービス経営人材の育成
3.今後の取組
各大学における取組及び成果について、様々な発表の機会やウェブサイトを通じて周知を図り、他大学への展開も図る予定です。
担当:商務情報政策局サービス政策課
公表日:平成27年6月24日(水)
発表資料:
新たな付加価値を生み出す「サービス経営人材・マネージメント人材」を育成する大学の取組を応援します~平成27年度「産学連携サービス経営人材育成事業」の交付先が決定しました~(PDF形式:250KB)
◆ 発表資料の詳細はこちらをご覧ください。
(経済産業省 http://www.meti.go.jp/ / 6月24日発表・報道発表より転載)