アイデム『平成18年版パートタイマー白書』発行
パート・アルバイトの戦力化〜責任感とプロ意識〜
アイデム 人と仕事研究所では、企業側、パート・アルバイト側にそれぞれアンケートを実施し、パート・アルバイト雇用の現状や働く側の意識を把握する参考資料として、毎年「パートタイマー白書」を作成しています。本白書は意識のズレなどを明らかにするねらいから、双方の回答を並記し、アンケートで寄せられた多数の企業担当者やパート・アルバイトの声を盛り込んで構成しています。
今年は「責任感」と「プロ意識」に焦点をあてたアンケートを実施し、「パート・アルバイトの戦力化 〜責任感とプロ意識〜」と題して、このたび平成18年版として発行いたしました。
調査結果からは、正社員と同じ仕事をしているパート・アルバイトがいる事業所は8割弱、正社員と同じ責任度合いの仕事をしているパート・アルバイトがいる事業所は7割弱と、多くの事業所でパート・アルバイトが正社員と同じような仕事内容や責任度合いで働いています。また、現在正社員が行っている仕事で、パート・アルバイトに任せられる仕事がどれくらいあると考えているかと聞いたところ、3分の1以上の事業所が「多くの仕事をパート・アルバイトに任せられる」と回答し、うち5割の事業所で正社員の仕事を今後パート・アルバイトにシフトしたいとの意向がありました。
パート・アルバイトに正社員の仕事をシフトしていくと、処遇面で正社員とのアンバランスが問題となってきます。そこで企業に、パート・アルバイトが正社員と同じような仕事をしている場合に、正社員との賃金水準のバランスを考慮しているかと聞いたところ、「現在バランスを考慮している」事業所は36.9%、「現在は考慮していないが、今後考慮する必要がある」36.4%と拮抗しており、7割強の事業所でバランスを考慮する必要性があるとの認識でした。
一方、パート・アルバイトに正社員と比べた賃金格差を聞いたところ、6割のパート・アルバイトが賃金は低いと感じています。さらに低いことに納得しているかと聞いたところ、「低いことは納得できる」48.8%、「低いことは仕方がないが、もう少し格差を小さくしてほしい」42.6%、「低いことは納得できない」7.1%となっています。また、正社員と同じ仕事をしている方ほど、納得度は低くなっています。
仕事に対する責任感については、パート・アルバイトの9割が「責任感は強い」と自己評価している一方、満足している事業所は6割です。さらに、パート・アルバイトの7割近くが、「プロ意識を持って仕事をしている」と回答していますが、「プロ意識を持って働いてもらわなければ困る」と回答した事業所は5割弱となっています。「雇う側」と「働く側」のプロ意識、責任感の捉え方の差が表れる結果となりました。
また、雇用形態によって仕事に対する責任感に違いがあると思うかとパート・アルバイトに聞いていますが、「処遇や仕事の責任度合いによって、仕事に対する責任感に違いがあるのは当然である」28.9%、「仕事に対する責任感に違いがあっても仕方がない」41.9%と、程度に差はあるものの処遇や仕事の責任度合いによって責任感に違いがあると思っているパート・アルバイトは7割にも上ります。
パート・アルバイトを戦力化していくためには、きちんとした評価と処遇で「やる気」を引き出すことと、「働くこと」の意識づけ教育をしっかり行うことで、責任感やプロ意識を植え付けていくことが必要です。また、責任感やプロ意識をパート・アルバイトに一方的に求めるだけでは、戦力化はおぼつきません。責任感やプロ意識を醸成させるような組織全体の行動や意識が大変重要なのです。
■ 平成18年版パートタイマー白書 http://workium.aidem.co.jp/enquete/18part_pdf.html
(アイデム 人と仕事研究所 http://apj.aidem.co.jp//同社プレスリリースより抜粋・4月25日)