エーシーニールセンが雇用意識調査を発表
「世界の4人に1人が自身または家族の解雇を経験」
世界最大の市場調査会社であるエーシーニールセン(東京都港区、マンゴ・ギルクリスト 代表取締役社長)は、2005年11月に世界42カ国の消費者2万3500人に対し、雇用問題に関する意識調査を実施しました。この調査は6ヶ月ごとにインターネットで、経済・雇用状況などの景況感、世事での関心事・懸念材料についての消費者心理を追跡しています。
■ 余剰人員の影響を一番受けていない国は日本
今回の調査によると、インターネット回答者の約25%が余剰人員の影響を受けていて、そのうちの8%は解雇経験を持ち、また17%は過去1年間に解雇された近親者がいると回答しました。
日本では、自身または家族の解雇を経験している人の割合が約5%で、余剰人員の影響を受けていない人の割合が95%と、42カ国中一番高い結果となりました。
ラテンアメリカは影響を大きく受けており、回答者の11%が自身の解雇、32%が家族の解雇を経験しています。国別に見ると、トップはブラジルで、52%が自身または家族の解雇を経験しています。そしてメキシコ(46 %)とチリ(45%)が続きます。一方、アジア太平洋地域では、解雇経験者はわずか6%、家族の解雇を経験した人も13%でした。
■ 勤務時間はちょうど良い
現在仕事中を持つ回答者の半数以上(54%)が勤務時間の長さはちょうど良い、34%が長すぎる、8%が短すぎると回答しました。よく日本人は働き過ぎだと評されますが、勤務時間が長すぎると感じている回答者は、34%と世界平均と変わらない結果が得られました。半数の人(54%)が勤務時間の長さはちょうど良いと感じています。
■ 従業員は「会社は、昔と比べて自分達の忠誠心をあまり重視していない」と感じている
世界の58%の従業員が、会社は昔と比べて自分たちの忠誠心をあまり重視していないと感じているようです。日本の回答者の約半分(49%)も同様に感じています。アメリカ(70%)とラテンアメリカ(67%)地域で、高い数字が出ています。ヨーロッパでは、54%が忠誠心に対する評価は過去のものだと考えています。
国別に見ると、イギリス(76%)、UAE(75%)、オーストラリア(73%)で、忠誠心が重視されていないと感じている従業員が多いことがわかりました。しかしフランスだけは事情が違うようです。76%のフランス人の従業員が、会社は自分たちの会社に対する忠誠心を重視していると回答しています。これは42カ国中最も高い数字です。
■ 政府は雇用創出を促進するべき
インターネット回答者の約70%が、政府は雇用創出を促進するための十分な対策をとっていないと感じています。日本でも、77%は政府が十分な対策をとっていないと感じており、十分な対策がとられていると回答した人はわずか2%でした。地域別にみると、トップはラテンアメリカ(74%)で、ヨーロッパ(73%)が続きます。アメリカやアジア太平洋地域でも、64%の回答者が同じように感じています。比較的に政府の対策を評価している国は、シンガポール(43%)とUAE(41%)で、42カ国中最も高い数字を示しています。全体的に、消費者は政府の雇用創出政策には改善の余地があると感じているようです。
■ エーシーニールセンについて:
エーシーニールセンは、VNU社のメンバーとして、100カ国以上で一般消費財やサービス産業向けに市場調査、情報および分析サービスを提供している世界で最大の市場調査会社です。独自の製品、分析ツール、また専門的なサービスを通じて、顧客の新規事業機会の見出し、またより収益性の高いマーケティング・営業活動のための支援をしています。詳しい情報は、ホームページをご覧下さい。 http://jp.acnielsen.com
(エーシーニールセン・コーポレーション http://www.acnielsen.co.jp//同社プレスリリースより抜粋・4月19日)