労働政策審議会建議-若者の雇用対策の充実等について-(厚生労働省)
労働政策審議会(会長:樋口美雄 慶應義塾大学商学部教授)は、昨年9月から職業安定分科会雇用対策基本問題部会(部会長:阿部正浩 中央大学経済学部教授)及び職業能力開発分科会(分科会長:小杉礼子 独立行政法人労働政策研究・研修機構特任フェロー)において議論を重ねてきた結果、本日別添のとおり、厚生労働大臣に対し、若者の雇用対策の充実等について建議を行いましたので、公表します。
【雇用対策基本問題部会報告書 概要】
<はじめに>
○ 少子高齢化が進展する中、15~34歳の若年労働力人口は減少が続く見込み。
○ 新卒者の離職率は、卒後3年で大卒者の約3割、高卒者の約4割。15~34歳の不本意非正規の割合は約25%と他の年齢に比べて高い。
○ 次代を担うべき存在として活躍できる環境整備を図るため、若者雇用対策に総合的かつ体系的に取り組むことが必要。
<若者雇用対策の方向性>
1.新規学校卒業者等の就職活動からマッチング・定着までの適切かつ効果的な就職支援の在り方について
・ 学校段階から、多様な職業について理解を深めるとともに、社会的自立に不可欠な知識として労働関係法令などの基礎的な知識の周知啓発を推進すること。
・ マッチングの向上に資する情報提供を促進するため、労働条件の的確な表示の徹底や、就職活動過程における、職場情報が積極的に提供される環境を整備すること。
・ 公共職業安定所において、繰り返し労働関係法令違反を行う求人者からの学卒向け求人を受理しないことができる仕組みを創設すること。
2.中途退学者、未就職卒業者への対応について
・ 中途退学者について、学校・ハローワーク等が連携して、就職支援機関等に関する情報を効果的に提供すること。
・ 未就職卒業者について、学校・新卒応援ハローワーク等が連携して、卒業直後の支援の充実を図ること。
3.フリーターを含む非正規雇用で働く若者に対する支援について
・ 「わかものハローワーク」におけるキャリア・コンサルティング機能の強化、キャリアアップ助成金・トライアル雇用奨励金の積極的な活用等を図ること。
・ 非正規雇用労働者として働くことに関する情報を若者に提供することを含め、若者自身の主体的な職業選択やキャリア形成を支援すること。
4.企業における若者の活躍促進に向けた取組に対する支援について
・ 企業において若者の活躍促進に資する雇用管理の改善が進むよう、ハローワークが積極的な支援をすること。
・ 若者の採用・育成に積極的に取り組む中小企業について、情報発信を支援し、マッチングの向上を図るための認定の仕組みを創設すること。
5.施策推進に関する関係者の取組等について
・ 個々の若者のニーズに沿った円滑な就職等の実現に向け、若者本人や家族も含め、関係者等が期待される役割を果たしつつ、相互に連携しながら取り組んでいくこと。
また、そのための施策の基本方針、事業主等が講ずべき措置をまとめた指針を策定すること。
・ 国と地方公共団体、事業主等が連携し、地方における良質な雇用の場の創出等を通じて、UIJターン就職を積極的に支援すること。
【別添】若者の雇用対策の充実等について(建議)(PDF:13KB)
【別紙1】若者の雇用対策の充実について(報告)(PDF:316KB)
【別紙2】労働者の職業能力の開発及び向上を促進する労働市場インフラの戦略的強化について(報告)(PDF:481KB)
(参考1)若者の雇用対策の充実について(概要)(PDF:229KB)
(参考2)労働者の職業能力の開発及び向上を促進する労働市場インフラの戦略的強化について(概要)(PDF:231KB)
(参考3)労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会における検討状況・委員名簿(PDF:34KB)
(参考4)労働政策審議会職業能力開発分科会及び職業能力開発分科会若年労働者部会における検討状況・委員名簿(PDF:52KB)
◆ 詳しくはこちらをご覧ください。
(厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp// 1月23日発表・報道発表より転載)