『ワーク・ライフ・バランス支援の課題:人材多様化時代における企業の対応』
(佐藤博樹・武石恵美子編、東京大学出版会)刊行
「東京大学社会科学研究所ワーク・ライフ・バランス推進・研究プロジェクト」は、2月20日に研究成果報告会を開催し、同日、本プロジェクトの研究者メンバーが中心となって執筆した『ワーク・ライフ・バランス支援の課題:人材多様化時代における企業の対応』(佐藤博樹・武石恵美子編、東京大学出版会)を刊行しました。
本プロジェクトは2008年10月に発足した、民間企業等との共同プロジェクト。企業等の実務担当者と研究者・コンサルタントによって、企業・職場におけるワーク・ライフ・バランスに関わる課題に焦点を当てた実態調査や「本音」の情報交換をもとに、現場に根ざした提言が行われています。
今回刊行された『ワーク・ライフ・バランス支援の課題』は、本プロジェクトが早くから追い続けてきた「ワーク・ライフ・バランスと働き方改革」(本書の第Ⅲ部)の課題と、2010年前後から特に顕在化してきた新たな二つの課題から構成されています。
一つめの課題は「女性の活躍の場の拡大」。ワーク・ライフ・バランスの支援に注力した企業で女性の定着が進んだ一方、定着した女性が十分に活躍できていないのではないか、という課題を浮き彫りにしています。本書の第Ⅰ部は、この課題に正面から向き合い、課題の背景・本質を探り、解決の方向性を示しています。
もう一つの課題は「仕事と介護の両立支援」。高齢化が急速に進行するなか、親等の介護に不安を抱えている、あるいは実際に介護に直面している社員の割合は、企業の想像を遙かに上回るケースが少なくありません。本書の第Ⅱ部は、介護への不安意識や実際に介護に直面している従業員の実態を踏まえ、従業員が介護のために離職することなく、仕事と介護を両立しながら働き続けるための方策を示しています。
◆書籍情報
『ワーク・ライフ・バランス支援の課題:人材多様化時代における企業の対応』
出版社:東京大学出版会
著者:佐藤博樹(東京大学社会科学研究所教授)、武石恵美子(法政大学キャリアデザイン学部教授)
価格:3990円(税込)
詳細HP :http://www.utp.or.jp/bd/978-4-13-051138-4.html
(東京大学社会科学研究所 http://jww.iss.u-tokyo.ac.jp/ /同研究所プレスリリースより抜粋・2月25日)