帝国データバンク、100業界231分野の2013年度天気予測 -2013年8月-
2013年8月26日、帝国データバンクでは「100業界231分野の2013年度天気予測 -2013年8月-」のリリースを行いました。
アベノミクス効果により48分野が改善
~「晴れ模様」は全231分野中60分野~
第2次安倍政権発足から約9カ月が経過した。同政権が「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「民間投資を喚起する成長戦略」を3本の矢として掲げた経済政策(アベノミクス)への期待感から、円安・株高の流れが生まれ、大企業を中心に業績が回復した。また、2013年7月の参議院選挙で衆参のねじれが解消したことで、長期的な視野で政策を遂行する基盤が確立した。消費税率引き上げ、TPP交渉に関連した国内外での調整、エネルギー供給の安定化、社会保障制度の改革、近隣諸国との関係改善など課題は多いものの、解決に向けた今後の動きが期待される。
こうしたなか、帝国データバンクでは、8月26日発刊の経営情報誌「TDB REPORT 123号 TDB業界動向2014-I」にて、100業界231分野の業界動向を調査。2013年度の業界天気を予測し、その展望とポイントをまとめた。
業界天気図は各業界の生産や販売、売り上げ、収益動向などから景況感を総合的に判断したもの。最も景気が良い状態を 「快晴」とし、以下「晴れ」、「薄日」、「曇り」、「小雨」、「雨」、最も景気が悪い状態を「雷雨」と7段階で表している。
■調査結果
「快晴」の分野
なし
「晴れ」の分野 ~円安の恩恵を受ける分野を中心に業況は良好~
「自動車製造」(自動車)、「総合商社」などの11分野。「自動車製造」は円安が追い風となり輸出採算が改善。中国市場での回復も見込む。「総合商社」は円安を背景に好調が続く。事業ポートフォリオの見直しで非資源分野への積極的な投資が見込まれる。
「薄日」の分野 ~消費税率引き上げ前の駆け込み需要が期待される内需関連分野が好調~
「戸建て」(住宅)、「ホテル・旅館」などの49分野。「戸建て」は消費税率引き上げ前の駆け込み需要が見込まれる。「ホテル・旅館」は円安や富士山の世界遺産登録などにともない、国内外からの旅行客の増加を見込む。
「曇り」の分野 ~市場や競合などプラスマイナスの要素があり、各社の戦略がカギ~
「建設機械製造」(建設機械)、「ファストフード」(外食)などの88分野。「建設機械製造」は国内および北米需要が堅調も、中国市場の回復が不透明。「ファストフード」は商品価格戦略の成否により優勝劣敗の様相。
「小雨」の分野 ~需給ギャップから再編機運が高まる業界が多い~
「石油化学基礎製品製造」(石油化学製品)、「造船」などの39分野。「石油化学基礎製品製造」は過剰感が残る国内設備のさらなる再編が求められる。「造船」は世界的な船余りの状況下、低採算の船舶受注や建造量の減少が懸念材料。
「雨」の分野 ~円安によりコスト増が懸念される分野の落ち込みが目立つ~
「調味料製造」(加工食品)、「紙・板紙製造」(紙・パルプ)などの32分野。「調味料製造」は円安にともなう原材料・資材価格の高騰、エネルギーコストの増加などマイナス材料が多い。「紙・板紙製造」は国内市場の縮小が続き、海外市場開拓が急務。
「雷雨」の分野 ~構造不況により市場が縮小傾向にある分野の苦境が鮮明に~
「一般電気事業者・卸電気事業者」(電力・ガス)、「居酒屋チェーン・ビアレストラン」(外食)など12分野。「一般電気事業者・卸電気事業者」は原発再稼働の見通しが不透明で、財務状況の改善も進まず。「居酒屋チェーン・ビアレストラン」は若者の飲酒離れや中食との競争激化で厳しい業況。
詳細は発表資料(PDF 486KB)をご覧ください。
お問い合わせ先
株式会社帝国データバンク 産業調査部 情報企画課
TEL:03-5775-3163
(株式会社帝国データバンク http://www.tdb.co.jp/ /8月26日発表・同社プレスリリースより転載)