矢野経済研究所、シェアードサービスセンターに関する調査結果2012
【 調査要綱 】
矢野経済研究所では、次の調査要綱にて国内のシェアードサービスセンター市場の調査を実施しました。
1.調査期間 : 2012年5月~6月
2.調査対象 : シェアードサービスを提供する主要事業者等
3.調査方法 : 当社専門研究員による直接面談、電話・e-mailによるヒアリング、ならびに文献調査併用
<シェアードサービスセンターとは>
本調査におけるシェアードサービスセンターとは、グループ企業におけるグループ内の共通業務、主に人事、総務、経理などの間接業務を集約して実施する形態をさす。シェアードサービスはグループ本社が実施するケースや子会社を設立するケース、更に人事分野や経理・財務分野といった機能分野ごとに子会社化して運営するケースもある。ここでは主たる事業内容がシェアードサービスである事業者(グループ企業内子会社を含む)を対象とし、グループ企業内におけるIT関連のシステムやアプリケーションなどを提供するシステムベンダー系事業者等を除く。
【 調査結果サマリー 】
◆ シェアードサービスセンター市場規模は2011年度3,300億円、前年度比1.2%減
2011年度のシェアードサービスセンター市場規模は前年度比1.2%減の3,300億円(事業者売上高ベース、外販を含む)であった。2000年以降、シェアードサービスセンターの設立が相次ぎ、参入事業者も増加傾向にあったが、厳しいコスト削減志向の高まりの影響をうけ、同市場は縮小傾向にある。
◆ シェアードサービスセンター事業者では外販や付加価値サービス提供を模索
親会社主導で展開されているシェアードサービスにおいては、グループ企業が厳しいコスト削減策を実施しているためにグループ内受注が縮小する方向にある。そのため、グループ外企業に向けたサービス提供(外販)で売上を確保したり、グループ内であっても付加価値サービスを提供することによる単価下落抑制を目指すなど、単なる「間接業務集約化」としての機能だけではない、新たな収益拡大の手法を模索している状況にある。
◆ 2012年度のシェアードサービスセンター市場規模は3,270億円と微減と予測
長引く不況によりコスト削減志向がさらに高まり、各シェアードサービスセンター事業者にとって引き続き厳しい状況を予測する。ただし、グループ企業からの安定した収入は確保できるため、大幅な下落はないと考えられ、2012年度のシェアードサービスセンター市場規模を3, 270億円(前年度比0.9%減)と予測する。
*本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(株式会社矢野経済研究所 http://www.yano.co.jp/ /7月9日発表・同社プレスリリースより転載)