世界18カ国『雇用についての意識調査』
日本人の雇用安定感が世界トップに
ライト マネジメント コンサルタンツ ジャパン(通称ライトジャパン、東京都千代田区、宮木啓治・代表取締役社長兼CEO)の親会社である米国ライト マネジメント コンサルタンツ社が、世界18カ国の常勤労働者を対象に実施した「雇用についての意識調査」(下記【調査概要】参照)の結果をまとめました。本調査は2003年3月より6カ月ごとに実施しており、今年5月に引き続き今回が6回目となります。
前回調査に引き続き、今回の調査でも世界的に雇用安定感がさらに上昇、5期連続で18カ国平均が上昇していることがわかりました。とくに日本人の雇用に関する意識は、本調査が始まって以来の高いポイントで安定感が高まっており、18カ国中トップ。次いで、前回調査から改善が顕著な韓国、3位は調査開始以来ずっと高水準を保っているノルウェーとなっています。
【調査概要】 雇用についての意識調査(CCI: Career Confidence Index)
(1)調査対象:世界18カ国(下記)の常勤労働者(18〜54歳の男女)
■ アジア太平洋地域: 日本・韓国・香港・オーストラリア
■ ヨーロッパ地域 : ベルギー・デンマーク・フランス・ドイツ・アイルランド・イタリア・オラン
ダ・ノルウェー・スペイン・スイス・スウェーデン・イギリス
■ 北アメリカ地域 : アメリカ・カナダ
(2)調査方法:国の規模により約350人〜1000人を無作為抽出、電話インタビュー。
(3)調査内容:対象者より以下二問に対し4択で回答を得、「雇用安定感」を指数化。
<質問1>あなたは来年、失業するかもしれないと感じますか?
<質問2>今失業した人は、再就職先で現在と同等の職と給料が得られると思いますか?
“雇用安定感指数(CCI)指数“
失業への不安がまったくない状態を100ポイントとし、ポイントが減少するにつれ雇用安定感が低下することを示す。
(4)調査時期:第6回調査時期は2005年9〜10月
※2003年3月に初回調査、以降半年ごとに同様の調査を実施。
(5)調査会社:ICR(米国)
【調査結果のポイント】
(1)2年半より順調に改善してきた日本人の雇用安定感が、初めて世界トップに。
日本の「雇用安定感指数(CCI指数)」は68.6ポイントと前回調査時(2005年3月)と比べ7.7ポイント改善。全体平均の54.6ポイントを14.0ポイント大きく上回り、本調査開始以来の高い雇用安定感を示し世界トップになりました。2004年5月時の3回目の本調査結果以来、日本では雇用に関する安定感が急速に増していることが明確になっています。
今回発表された10月の失業率は4.5%と前月に比べて0.3ポイント悪化しましたが、有効求人倍率は0.98倍と引続き上昇しており、日本人の雇用に関する楽観視の一因となっていると考えられます。
(2)日本労働者の失業への懸念は調査国中2 番目に楽観的だが、反面不透明感も高水準。
「自分は来年失業するかもしれない」と感じる日本労働者の回答は、全体の5%しかなく、前回調査からさらに0.5ポイント改善、ノルウェーの3.1%に次いで2位となりました。また、前回から4.7ポイント大きく改善したノルウェーも日本と同じ5.0%です。
一方で、「わからない」と回答した日本人労働者は、前回調査よりは1.9ポイント改善したものの、18カ国中3番目で他国とくらべて依然不透明感が残っているようです。
(3)再就職した時の処遇条件に関しても、楽観視が広がる日本。
「再就職時に現在と同等の給与と仕事を得ることができると思いますか?」という質問に「できる」「たぶんできる」と回答した人の割合も、日本人労働者は18カ国中2番目に楽観的です。
前回調査では「できる」と回答した人の割合が18カ国中トップだった反面、「できない」と回答した人の割合も全体平均を上回っていたことから、個人間格差があると考えられました。しかし今回の調査では、「できる」と回答した人が16.8%と18カ国中一番多く、「難しい」と回答した人は4番目に少ないことから、転職時の処遇条件に関しても楽観視が広がっていると考えられます。
(4)アジア地域での雇用安定感は引き続き顕著な伸び。
アメリカ・イギリスなど5カ国が後退、ドイツ・スイスは調査開始時から一貫して低迷。日本だけではなく、韓国と香港を加えたアジア地域としても、雇用安定感が広がっています。
一方、アメリカ、イギリス、スイス、ベルギー、オーストラリアは、世界的に雇用安定感が増す中で前回よりポイントを落としています。また、ドイツとスイスは調査開始時から一貫して世界平均を大きく下回っています。
前回に引き続き今回の調査でも、日本の労働者の間で雇用や転職に関する楽観的な見通しがさらに進んでいることが明らかになりました。労働力人口が減少する見通しや円安・株高を背景とした景況感の改善がそのまま反映されているといえます。
ライトジャパン代表取締役兼CEO・宮木啓治氏は次のとおりコメントしています。
■ 「日本における雇用に関する見通しが楽観的であること自体は喜ばしいが、個々に見ていくと必ずしも好調ではない業界や企業は存在しています。企業は、団塊世代の大量定年や若年労働者の価値観の変化など外的な経営環境だけでなく内的な経営環境、すなわち経営資源が急速に質的変化していくことにも対応する努力が必要。いっぽう従業員には、急速に変化していく職場環境の中で自らのキャリアの競争力を高めてていくために、継続的な自己啓発が不可欠になると考えられます」
(ライト マネジメント コンサルタンツ ジャパン http://www.rightjapan.co.jp//同社プレスリリースより抜粋・11月30日)