マネジメントベース
【調査】リストラを実施した企業の従業員満足度は?
マネジメントベース(東京都文京区、本田宏文・代表取締役)が、2009年6月に実施した正社員545名を対象としたアンケート調査結果で、「過去に自社でリストラ(人員整理や解雇)が行われたことのある企業の社員と、そうでない企業の社員の従業員満足度を比べたところ、両者に約3.5ポイントの差異がある(全体の分布から偏差値として算出)」ことがわかりました。
今回実施したアンケートの対象者545名(正社員として働く方)の内、設問「今の会社・職場では過去にリストラ(人員整理や解雇)が行われたことがある」に肯定回答をした158名の回答とそれ以外の回答387名の従業員満足度(職場満足、仕事満足、モチベーションに関する複数の設問より集計)を比較しました。
データ数値は、偏差値として表記しております。より正確を期すために、2007年に実施した大規模調査(正社員5049名に対する同じ設問の平均値、分布)を基に、偏差値へ変換しました。 両者の平均値の差異に関して統計的な検証(検定)を実施したところ有意水準1%で差があることが確認されました。
< 偏差値3.5の差異とは >
なお、偏差値での3.5ポイントの大きさについて補足します。 一般的に従業員満足度は職位が高くなるほど高くなる傾向がみられます。弊社の過去の調査結果によると一般社員クラスの平均値と課長クラスの平均値の差異が約3.5ポイントでした。リストラを実施した企業では、課長クラスにおいても、そうでない企業の一般社員クラスの従業員満足度しか有していないことに相当します。
従業員満足度の中身を分解すると、差異の大きさは、職場満足>仕事満足>モチベーションの順になりました
最も差異が大きい設問は職場満足について聞いた設問でした(あなたは、現在の職場で働くことに満足している)。次が、仕事満足「あなたは、今の仕事に満足している」、仕事に対するモチベーション「今の仕事に対して、モチベーションが高い」の順となりました。
(考察) ではどうするべきか?新しい働き方の創造も必要
今回の設問では、リストラ実施の時期を聞いていませんので、平均何年間このような状態が継続するのかは不明ですが、一旦リストラに手をつけると、そうでない企業に比べて、人的資源の源となる従業員満足度やモチベーションの面で、その後、数年間にわたりマイナスを負ってしまうことは確実です。
リストラ後の業績回復期に、それらをどのようにリカバリーさせて、企業価値や業績の向上につなげていくかが課題となってくると推察されます。
詳細内容よりわかることは、職場満足度が最も低いが、仕事や仕事に対するモチベーションについてはそれほど差がついていないということであり、まず、仕事自体に対するやりがいに目を向けてもらうと共に、職場風土について改善を図る必要性が高いと考えられます。ここに特別な秘策はなく、一般的な企業風土の活性化において重要な事項を忠実に着実に遂行することが必要と考えます。
なお、マネジメントベースでは更なる調査分析や企業に対する個別調査を通じて、同課題への対策を検討していきます。
【 ベースとなる弊社正社員5000名の調査 】
対象: 企業・官庁・各種法人に勤務する正社員
実施時期: 2009年6月中旬
実施方法: (株)ボーダーズ インターネットアンケート
正社員として勤務する方を無作為抽出
回収回答数:608名 内、有効回答数 545名
◆ 本リリースの詳細はこちらをご覧下さい。
マネジメントベース http://www.m-base.co.jp//同社プレスリリースより抜粋・8月17日