2009年第1四半期、「ロバート・ウォルターズ アジア雇用指数」を発表
専門分野に特化したグローバルスペシャリスト人材紹介会社 ロバート・ウォルターズ(本社:英国ロンドン)は、2009年第1四半期に関する同社のアジア雇用指数を発表しました。
「ロバート・ウォルターズ アジア雇用指数(The Robert Walters Asia Job Index)」では、日本、中国、香港およびシンガポールにおける大手求人情報サイトおよび国内紙に掲載された雇用枠に関する求人数を追跡記録しています。
【 主要な所見 】
■ 2009年第1四半期に掲載された求人広告数は、2008年第4四半期と比較すると前期比6.2%の減少となるが、求人広告数は実際のところ第1四半期間に27.6%増加。
■ 日本では、景気不振の影響が続いており、第1四半期に求人広告数は30%減少。
■ 中国においては、ミッド・レベルならびにシニア・レベルの人材を対象とした求人広告がかなり好調。これに対して、ジュニア・レベルのポジションに関しては、コスト管理のために社内募集の形をとる傾向がさらに強まった模様。
■ 香港の場合、企業における求人予算の最終承認が例年に比べて遅れたことが1月の軟調な結果に繋がった模様。しかし、一部の業種は現在、長期成長に向けて人材確保に力を入れている。
■ シンガポールの場合、大幅な公共支出と主要な娯楽・インフラプロジェクトの完了が需要を後押し。
■ 1四半期の結果だけを見て求人広告数の先行きについて結論を下すのは時期尚早。より確かな見通しを描くには、7月に明らかになる第2四半期の結果を待ちたい。
ロバート・ウォルターズ アジア雇用指数
「ロバート・ウォルターズ アジア雇用指数」によると、2009年第1四半期の求人広告数は、2008年第4四半期と比較した場合、前四半期を小幅下回る結果となりました。今回の結果から、2つの重要な点が指摘できます。まず、アジアの求人広告市場は、2008年第4四半期を迎えるまでは、経済不況や銀行危機の影響に大きく左右されることはなかったという点。また、1月から2月初旬にかけて求人広告数が少なかったのは、中国の春節(旧正月)がその理由に挙げられます。
2009年第1四半期だけを見れば、(前月比ベースで減少しているのは日本のみ)求人広告数は、増加傾向を示しました。求職者が増加しているこの機に乗じて、非常に有利な条件で才能豊かな人材を確保しようとしている多くの企業の姿がその背景にあります。
市場の解説
第1四半期を振り返って見た場合、日本は改めて言うまでも無く、現在厳しい経済状況にあります。第1四半期も、経済見通しの悪化が続きました。このような状況を考えれば、求人広告数がさらに落ち込み、調査対象としているアジア市場の中で日本が最悪な結果に終わったのも意外なことではありません。輸出主導型経済であるために、海外の個人消費への依存度は、他のアジア諸国に比べて顕著であります。会計や財務といった分野は、これまで経済が苦しい局面にあってもその影響は比較的皆無と考えられてきましたが、これらの分野においても求人広告向けの支出は減少しています。こうした中にあっても、求人が好調な分野はあります。例えば、製薬業界。日本において高齢化が進む中、製薬業界は引き続き求人に積極的です。市場シェアの拡大を図るために、創造性豊かな人材に対する需要は今も続いています。
ロバート・ウォルターズ・ジャパン株式会社、代表取締役社長ケビン・ギブソン(Kevin Gibson)は、以下のように述べています。
「現在、就職希望者の間で長い目で見て雇用の安定性が高いと評価されているのは公共性の強い業種です。このような状況下、就職する上で最良の会社は鉄道会社や公益事業会社と考えられています。これに対して、伝統的な大企業に対する評価は、若年層の間では大幅に低下しています。現在、就職活動中の求職者の中には柔軟な姿勢をみせている非常に有能な方がいます。これは、先を見通した企業経営者にとっては、間違いなく好機と言える状況でしょう。」
※ 本リリースの詳細はこちらをご覧ください。
ロバート・ウォルターズ・ジャパン http://www.robertwalters.co.jp/ /同社プレスリリースより抜粋・5月27日