マンパワー雇用予測調査
2009年第1四半期(1−3月期)結果発表
マンパワー雇用予測調査
2009年第1四半期(1−3月期)結果発表
総合人材サービスのマンパワー・ジャパン(本社・神奈川県横浜市、取締役・代表執行役会長兼社長:ダリル・グリーン)は、2009年第1四半期(1−3月期)における企業の雇用計画を尋ねた「マンパワー雇用予測調査」の結果を12月 9日付で発表します。
調査結果は「2009年1−3月において、貴社または貴機関の雇用計画(契約社員、派遣社員等を含む)は今期と比べてどのような変化がありますか?」という質問に基づいています。尚、本調査はマンパワー社が四半期ごとに世界33ヵ国・地域で行っている世界で最も広範囲にわたる事前調査です。
今回、日本で行った調査においては、東京・大阪・名古屋の企業986社から回答を得ました。その結果、2009年第1四半期(1−3月期)の季節調整後の純雇用予測*(増員%−減員%)は 5%で、前四半期比 8ポイント減、前年同期比19ポイント減と大幅に減少しており、雇用意欲は依然として先行き不透明な減退傾向にあることを示しています。また、マンパワー雇用予測調査は、東京、大阪、名古屋の3地域に対し地域別の調査を行うと共に、業種別7業種*での調査も行っています。
地域別の純雇用予測(季節調整後)は、前四半期と比較すると、3地域全てで雇用意欲が減退しています。3地域中で雇用意欲が最も高い東京で 7ポイント減の10%、名古屋で10ポイント減の 2%、最も低い大阪では 14ポイント減の−2%と、引き続き減少しています。さらに、前年同期と比較しても、東京では17ポイント減、大阪では23ポイント減、名古屋は21ポイント減と雇用意欲は大幅に落ち込んでいます。
業種別(7業種)で見ると、全業種で雇用予測値が減少しています。「サービス」は12%と7業種中最も高い値を示しているものの、前四半期比では9ポイント、前年同期比では21ポイントと大幅に減少しています。また、「鉱工業・建設」は11%、「卸・小売」は10%と、両業種共に二桁台を維持しているものの 引き続き減少傾向にあります。さらに、「金融・保険・不動産」の純雇用予測は、前四半期比では 6ポイント減、前年同期比では28ポイント減の−4%と、2003年第3四半期の調査開始以来の最低値を記録しており、雇用意欲は著しく減退していることを示しています。
* 純雇用予測:
調査結果のうち「増員する」と回答した企業数の割合(%)から「減員する」と回答した企業数の割合(%)を引いた値。
* 季節調整値:
月々の変動の癖(季節的要因)を除去したことを推計した値で、調査開始から3年以上経っている国で適用しています。日本では2006年第3四半期から適用しており、全て季節調整値をもとにした分析値を指標にしています。
* 7業種:「金融・保険・不動産」「製造」「鉱工業・建設」「公共・教育」「サービス」「運輸・公益」「卸・小売」
【 調査結果 】 2009年第1四半期(2009年1 - 3月期)
(1) 純雇用予測は 5%と前四半期に引き続き依然として減少傾向
2009年第1四半期の純雇用予測調査は、東京・大阪・名古屋の企業986社からの回答のうち、従業員を「増員する」と回答した企業は11%、また「減員する」との回答は14%、「変化なし」は70%で、「減員する」(減少)が「増員する」(増加)を上回ったのは2003年第3四半期の調査開始以来となっています。
純雇用予測(季節調整後)は 5%で、前四半期比 8 ポイント、前年同期比 19 ポイント減少しており、雇用意欲は引き続き減退傾向にあることがわかります。
(注:2008年第3四半期より「TRAMOSEATS」法を採用しており、遡及改定を行っているため、過去のデータが変動しておりますので、ご了承下さい)
(2) 地域別の雇用意欲は、3地域(東京、大阪、名古屋)において減退傾向
地域別の純雇用予測(季節調整後)では、東京が10%と3地域中最も高い値を示してはいるものの、前四半期比で7ポイント、前年同期比では17ポイント減となっています。また、名古屋の雇用意欲も2%と非常に低い値を示しており、前四半期比では10ポイント、前年同期比では21ポイントの大幅減となっています。大阪についても、純雇用予測は前四半期比で14ポイント減、前年同期比では23ポイント減の−2%と2003年第3四半期の調査開始以来の最低値を記録し、雇用活動の大幅な減速が見込まれます。
(3) 業種別では「金融・保険・不動産」および「製造」が2003年の調査開始以来の最低値を記録
業種別で見ると、「金融・保険・不動産」の純雇用予測は−4%と、7業種中最も低く、前四半期比では 6ポイント減、前年同期比では28ポイント減と大幅に減少しています。「製造」では純雇用予測が前四半期比で11ポイント減、前年同期比では22ポイント減の 0%と雇用活動の停滞が見込まれ、「金融・保険・不動産」と同様に2003年第3四半期の調査開始以来の最低値となっています。また、「公共・教育」及び「運輸・公益」の純雇用予測は 6%と9%で、前年同期比ではそれぞれ11ポイント減と雇用意欲が低水準にとどまる見通しです。
「卸・小売」及び「鉱工業・建設」の純雇用予測も それぞれ10%、11%と二桁台を維持しているものの、前四半期比では 7ポイント減 及び 5ポイント減、 前年同期比では 13ポイント減及び 5ポイント減と大きく減退しており、「卸・小売」では過去5年間での最低値となっています。さらに、「サービス」の純雇用予測は12%と、7業種中最も高い値を示していますが、前四半期比は9ポイント、前年同期比では21ポイント減少し、2004年第2四半期以来の最低値となっています。
(4) 世界の結果は、シンガポール、インド、台湾、オーストラリアで雇用意欲が大幅に減退
世界の2009年第1四半期の純雇用予測では、71,000社から回答を得ました。その結果、調査対象となった33ヵ国・地域のうち、前四半期と比べ、純雇用予測は30ヵ国・地域で減少しており、増加しているのはわずか3ヵ国(カナダ・米国・スイス)でした。
地域別に見ると、アジア・太平洋の8 カ国・地域のすべてにおいて、前四半期比及び前年同期比共に純雇用予測は減少しており、特にインド(季節調整後19%)、シンガポール(季節調整後 ?31%) 、台湾(季節調整後 ?1%)では雇用意欲の著しい低下が見受けられます。
≪ アジア・太平洋地域についてのマンパワー会長・社長兼CEO、ジェフリー・ジョレスのコメント ≫
北米・中南米の純雇用予測は低い水準で推移しているものの、米国(季節調整後10%)及びカナダ(季節調整後18%)においては前四半期比でそれぞれ1 ポイント及び4 ポイント増となっており、雇用意欲の減退が著しいその他の国と比べると、数値の落ち込みはみられず停滞傾向にあるといえます。また、ペルー(季節調整前24%)、コスタリカ(季節調整前19%)の雇用意欲は、前年同期比でそれぞれ−28ポイント減、−13ポイント減と減退傾向にあるものの、調査対象となった33 ヵ国中で最も高い値を示しています。
≪ 北米・中南米地域についてのマンパワー会長・社長兼CEO、ジェフリー・ジョレスのコメント ≫
また、ヨーロッパ・中東・アフリカ地域における純雇用予測は、17ヵ国のうちスイス(季節調整後 8%)においてのみ前四半期比で4 ポイント増加していることがわかります。アイルランド(季節調整後 12%)、イタリア(季節調整後 9%)、スペイン(季節調整後 9%)では前年同期比でいずれも大きく減退していることがわかります。
【 調査概要 】
調査時期: 2009年10月16日〜10月29日
調査対象: 東京・大阪・名古屋の次の7業種における企業の人事部門長
(1) 金融・保険・不動産、(2) 製造、(3) 鉱工業・建設、(4) 公共・教育(役所、学校関係)、(5) サービス(情報処理、ソフトウェア、娯楽など)、(6) 運輸・公益、(7) 卸・小売
質問内容:
「2009年1-3月において、貴社または貴機関の雇用計画(契約社員、派遣社員などを含む)は今期(2008年10-12月)と比べてどのような変化がありますか?」
調査方法: 次のいずれかの方法で回答を収集。
(1) 電話による聞き取り (2) 電子メールによるアンケート
有効回答数:日本国内 986社、世界33カ国・地域では71,000社
誤差の範囲:調査国、地域、及び世界レベルでのデータ全体に関して、誤差の範囲は±3.1%以内となっています。
調査の歴史: 45年以上の歴史をもつ当調査は、世界で最も信頼されている雇用予測調査の一つです。
1962年に米国およびカナダで開始し、1966年にはイギリスが加わりました。その後、2002年に、メキシコとアイルランドが調査を開始し、2003年には、日本を含む世界13ヵ国・地域が調査に参加することとなりました。その後も、参加国は増え続け、現在では33ヵ国・地域で調査が行われています。
※ 次回のマンパワー雇用予測調査(2009年第2四半期)の結果発表は、2009年3月10日の予定です。
※ 本リリースの詳細は、こちらをご覧下さい。
マンパワー・ジャパン http://www.manpower.co.jp//同社プレスリリースより抜粋・12月9日