スポットワーク仲介サービス市場に関する調査を実施(2025年)
2024年度のスポットワーク仲介サービス市場規模は前年度比32、5%増の1,100億円
~労働力不足を背景に企業におけるスポットワーカーの活用機会は増加、介護業界など新たな領域でのサービス利用も拡大~
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のスポットワーク仲介サービス市場を調査し、分野別のサービス動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。
1.市場概況
2024年度のスポットワーク仲介サービス市場(単発バイト求人情報サービス市場、短期バイト人材紹介サービス市場、人材マッチングサービス市場の3市場計)の市場規模は、前年度比32.5%増の1,100億円であった。
あらゆる産業で労働力不足が深刻化する中、単発・短期で働くスポットワーカーを活用する企業は増加している。また、生活コストの上昇や社会情勢の先行き不透明感を背景に、収入を増やすべく空いた時間に仕事をするスポットワーカーも増えている。スポットワーク仲介サービスは、企業とスポットワーカー双方からのニーズを取り込むことで、順調にサービスの提供機会を拡大しており、それに伴ってスポットワーク仲介サービス市場は成長を続けている。
また、これまでスポットワーカーの活用場面は、物流、飲食、小売といった業界での軽作業や、ITエンジニアなどのIT人材をプロジェクト単位で活用することが主流であったが、直近では恒常的な労働力不足が課題となっている介護などの業界でもスポットワーク仲介サービスの利用が広がっている。
2. 注目トピック
単発バイト求人情報サービス事業者に求められる安全性重視のサービスモデル
単発バイト求人情報サービス市場において、労働者保護に向けたサービスモデルの見直しが求められている。
単発バイト求人情報サービスは、当日(数時間後)や翌日の勤務の募集にも対応し、募集枠が埋まり次第、求人情報の掲載を終わらせることができるというスピード感と柔軟性が利用企業にとって大きなメリットとなっている。
そうしたサービスモデルは、利用企業にとってのメリットとなる反面、掲載される求人情報の質を担保することが難しいことが課題となっており、一部の事業者においては不適切な疑いのある求人情報が掲載されていた事例も見受けられた。
そうした課題に対し、参入事業者各社は、利用企業および掲載求人情報審査体制の整備、通報機能の実装など、人的リソースやAI等のデジタル技術を活用しながら労働者保護に向けた取り組みを強化している。
単発バイト求人情報サービス市場の持続的な成長においては、サービスメリットと安全性の高さを両立させるサービス開発が重要な要素となっている。
3. 将来展望
2025年度のスポットワーク仲介サービス市場(単発バイト求人情報サービス市場、短期バイト人材紹介サービス市場、人材マッチングサービス市場の3市場計)の市場規模は、前年度比22.5%増の1,347億円の見込みである。
スポットワークの普及に伴ってスポットワーク仲介サービスを利用する企業とスポットワーカーの増加傾向は2025年度も継続し、スポットワーク仲介サービス市場規模も成長を見込む。
調査概要
1.調査期間: 2025年4月~7月
2.調査対象: 単発バイト求人情報サービス事業者、短期バイト人材紹介サービス事業者、人材マッチングサービス事業者
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・e-mailによるヒアリング、ならびに文献調査併用
<スポットワーク仲介サービス市場とは>
本調査におけるスポットワーク仲介サービスとは、スポットワークを希望する働き手とスポットで働く人材を活用したい企業を仲介しマッチングを成立させるサービスを対象としている。
スポットワーク仲介サービス市場に含まれるサービスは、単発バイト求人情報サービス(単発・短期アルバイトの求人掲載に特化した求人情報サービス)、短期バイト人材紹介サービス(単発・短期アルバイト求人に特化した人材紹介サービス)、人材マッチングサービス(主に企業から副業人材やフリーランスなどへの単発業務の発注を仲介するプラットフォームサービス)の3つである。
なお、本調査におけるスポットワークとは、個人が単発・短期で労働力を提供する働き方のことを指しており、具体的には、単発・短期アルバイトやプロジェクト単位で稼働する働き方を対象とした。
◆本調査の詳細は、こちらをご覧ください。
(株式会社矢野経済研究所/2025年9月24日発表・同社プレスリリースより転載)
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