2026年卒 企業新卒採用予定調査
26年卒の採用について78.1%の企業が「厳しくなる」と回答。厳しくなる要因を「給与が低いこと」とする企業が前年比4.1pt増。初任給を引き上げる企業は前年より増加し半数を超え、 初任給の平均額は昨対比で約9千円増。
株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、「マイナビ2026年卒 企業新卒採用予定調査」を発表しました。本調査は、企業の新卒採用に対する意識や採用活動全体の動向を把握することを目的に、2001年(2002年卒)以来、毎年実施しています。
【TOPICS】
◆26年卒の採用予定数は文理ともに「前年並み」が増加し、「増やす」は2年連続で減少。採用予定数決定の大きな要因として「前年の採用実績」が増加
◆78.1%の企業が26年卒の新卒採用について「厳しくなる」見通しと回答。厳しくなる要因として「給与が低いこと」とする企業が増加
◆初任給の引き上げ予定がある企業は54.1%で前年より6.9pt増加。「すでに引き上げており、さらに引き上げを行う予定」の企業は44.2%で前年比9.7pt増
◆初任給(支給額)の平均額は前年より8,999円増加。「求職者へのアピール」を理由に引き上げる企業が約6割
◆初任給引き上げ以外に「住宅手当・借り上げ社宅」「休暇制度」「奨学金返済支援」など諸手当や制度をアピールする企業が多数。手当の新設など「第三の賃上げ」を行う企業も
【調査概要】
◆26年卒の採用予定数は文理ともに「前年並み」が増加し、「増やす」は2年連続で減少
採用予定数決定の大きな要因として「前年の採用実績」が増加
26年卒の採用予定数は文理ともに「前年並み」が増加した。「増やす」は文理ともに22年卒から24年卒にかけて2年連続で増加していたが、25年卒で減少に転じ、2年連続の減少となった。採用充足率が年々低下するなか※前年同様、採用予定目標数はこれ以上増やせない状態まで達し、採用予定数が据え置かれていると推測される。採用予定数を決定する大きな要因として前年からの増加幅が最も大きかったのは「前年の採用実績」(47.7%)で、1.9pt増加した。前年の25年卒は採用充足率が調査開始以来最低となっており、充足率の低下が26年卒の採用予定数に影響を与えていると考えられる。
※参考:マイナビ2025年卒企業新卒内定状況調査
◆78.1%の企業が26年卒の新卒採用について「厳しくなる」見通しと回答
厳しくなる要因として「給与が低いこと」とする企業が増加
新卒全体の採用環境の見通しについて、「厳しくなる」と回答した企業は78.1%(「非常に厳しくなる」+「厳しくなる」)となり、前年同様、採用に苦戦すると考える企業が増えている。
「自社の新卒採用が厳しくなっている要因」について聞くと、「新卒学生全体の数が減っていること(67.7%)」が前年同様に最多となった。また増加幅が最も大きいのは、「給与が低いこと(業界平均などと比較して)(28.9%)」であり、前年比で4.1pt増加した。昨今の賃上げ・初任給引き上げの機運により、給与や待遇面で他社に対して引けを取ると感じる企業が増えているのではないか。
◆初任給の引き上げ予定がある企業は54.1%で前年より6.9pt増加
「すでに引き上げており、さらに引き上げを行う予定」の企業は44.2%で前年比9.7pt増
初任給の引き上げを行う予定の企業は54.1%となり、前年の47.2%から6.9pt増加した。詳細をみると「現時点ですでに引き上げており、さらに引き上げを行う予定」の上場企業は43.9%、非上場企業では44.3%で、全体で44.2%となった。特に非上場企業で「現時点ですでに引き上げており、さらに引き上げを行う予定」と回答した割合が前年より11.2ptと大幅に増加しており、初任給の引き上げの動きが上場企業以外にも波及し始めていることがわかる。
◆初任給(支給額)の平均額は前年より8,999円増加
「求職者へのアピール」を理由に引き上げる企業が約6割
初任給(学卒生・支給額)の平均額は26年卒全体で225,786円となり、25年卒の平均額と比べて8,999円増加した。内訳をみると、上場企業で14,256円、非上場企業で8,793円の増加となった。初任給を引き上げる予定もしくは直近数年ですでに引き上げを行ったという企業に対し、どれくらい引き上げ予定か(もしくは引き上げたか)を聞いたところ、最も多かったのは「5000円~1万円未満(40.3%)」となった。また初任給引き上げの理由として最も多かったのは「求職者へのアピールのため(57.1%)」となり、初任給や賃金に対する世間や学生の関心の高さを受け、初任給引き上げを行っていることがわかる。
◆初任給引き上げ以外に「住宅手当・借り上げ社宅」「休暇制度」「奨学金返済支援」など諸手当や制度をアピールする企業が多数
手当の新設など「第三の賃上げ」を行う企業も
初任給の引き上げ以外に待遇面で学生にアピールしていることを聞いたところ、最も多かったのは「住宅手当や借り上げ社宅(46.4%)」で、そのほか「諸手当(営業手当、資格者手当など)」、「休暇制度」などとなった。また、「奨学金返済補助・代理返済」については、奨学金返済支援制度は法人税の控除があるなど企業側にもメリットがある。そのほかユニークな福利厚生や取り組みについて自由回答できくと、「有給休暇を1日取得すると1万円支給」や「内定者懇親会で実際の給与明細を見せながらリアルな暮らしやキャッシュフローの紹介している」などが寄せられた。また、実質的に従業員の手取り額を増額させることは「第3の賃上げ」などと称されることがあるが、「iDeCo手当を新設予定」は、その一例といえるだろう。
【調査担当者コメント】
採用充足率が過去最低となった25年卒の実績などを受け、26年卒の採用活動についても「非常に厳しくなる」と感じる企業が増加し、引き続き売り手市場の状況を呈しています。賃上げの機運が高まるなか初任給を引き上げる企業も増加し、また引き上げの動きが上場企業以外にも波及し始めています。一方で、福利厚生を活用することで社員の手取りを実質的に増額させる「第3の賃上げ」の動きも見られるなど、学生が感じる経済状況や将来の見通しへの不安を軽減・解消するために企業がさまざまな取り組みを行っていることもうかがえます。
マイナビキャリアリサーチラボ 研究員 長谷川 洋介
【調査概要】「マイナビ 2026年卒 企業新卒採用予定調査」
○調査期間/2025年1月27日(月)~2月9日(日)
○調査方法/・採用・育成・組織戦略の課題に寄り添うマイナビ運営の情報メディア
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・マイナビ2026利用企業担当者宛にメールマガジンにて案内
○調査機関/株式会社マイナビ
○有効回答数/1,820社 (上場139社 ・ 非上場 1,681社|製造 737社 ・非製造1,083社)
※調査結果は、端数四捨五入の都合により合計が100%にならない場合があります。
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(株式会社マイナビ /2月26日発表・同社プレスリリースより転載)