“ゆるブラック”に関する調査
あなたの職場は“ゆるブラック”?…「そう思う」37.8% “ゆるブラック”だと感じる理由「収入が増えない」「やりがいを感じない」「昇級できない」が上位
“ゆるブラック”な職場では「働き続けたくない」59%、「転職を考えている」60.7% “ゆるブラック”を改善するには?「福利厚生の充実」「明確な評価制度」「キャリアアップ」が有効
「識学」を使った経営・組織コンサルティングや従業員向け研修を展開する株式会社識学(本社:東京都品川区、代表取締役社長:安藤広大)は、2024年4月12日(金)~4月13日(土)にかけて「“ゆるブラック”に関する調査」を行いました。
20代~50代の会社員に、残業や厳しいノルマなどはなく働きやすさはあるものの自分の成長やスキルアップが見込めない職場、いわゆる“ゆるブラック”な職場かどうかについて聞いたところ、37.8%が“ゆるブラック”だと思うと回答しました。加えて、どういった点が“ゆるブラック”だと感じるかについては「収入が増えない」が67.0%と最も高く、「やりがいを感じられない」44.0%、「昇級できない・しづらい」43.0%と続きました。
また“ゆるブラック”を改善するにはどうすればよいかについて聞いたところ、最も多かったのは「福利厚生の充実」31.3%で、「明確な評価制度」30.7%、「キャリアアップが見込める」29.0%と続きました。そしてその「評価制度」について、「評価制度」があると回答したのは55.0%で、その内「評価制度」に納得していない方は66.1%にものぼりました。
■調査背景
近年、過度な長時間労働や残業、様々なハラスメントが横行する企業、いわゆる“ブラック企業”の改善が日本全体で進んでいる一方、もっと働きたいけれど働けない…、叱ってくれる上司がいない…、社員同士の仲が良すぎる…等、職場環境が“ゆるい”あまり、働き甲斐を得られない、またはモチベーションを保てないといった、“ゆるブラック”な企業にも注目が集まっています。
そこで今回は20代~50代の会社員に、自身の職場は“ゆるブラック”だと思うか?どういった点を“ゆるブラック”だと感じるのか?そして“ゆるブラック”を改善するにはどうすればよいのか?など、“ゆるブラック”に関する調査を様々な視点で行いました。
■調査詳細
Q1.あなたの職場は“ゆるブラック”だと思いますか。
従業員数10名以上の企業に勤める20代~50代の会社員の方に、あなたの職場は“ゆるブラック”かどうかを聞いたところ、37.8%が「“ゆるブラック”だと思う」と回答しました。
性別や年代別で比較しても突出して高い層はなく、性年代関係なく、約4割近くの会社員の方が自身の職場を“ゆるい”と感じているようです。
Q2.あなたの職場において、どのような点が“ゆるブラック”だと感じますか。
自身の職場が“ゆるブラック”だと思うと回答した方に、どういった点が“ゆるブラック”だと思うかを聞いたところ、最も多かったのは「収入が増えない」で67.0%、続いて「やりがいを感じられない」44.0%、「昇級できない・しづらい」43.0%という結果でした。
“ゆるブラック”だと感じる点で挙げられたトップの“収入”と、続く“やりがい”との差は23.0%と、大きな開きがあり、やはり働いている以上、給与面での不満の蓄積が自身の職場を“ゆるブラック”と感じさせる要因になるようです。
Q5.職場が“ゆるブラック”だという理由で転職を考えることはありますか。
では、職場環境が“ゆるブラック”であることは自身にとってプラスになるのでしょうか。
まず、今の会社で働き続けたいかを聞いたところ、「働き続けたい」と回答したのは(「働き続けたい」「どちらかといえば働き続けたい」の合計)41.0%でした。また“ゆるブラック”な職場環境であるために転職を考えるかについても聞いたところ、転職を決めている方も含め、転職意向の方は60.7%という結果でした。やはり職場環境が“ゆるい”ことは社員にとってプラスには働いていないようです。
Q6.職場が“ゆるブラック”であることは、会社にとってプラスになると思いますか。
一方で、職場が“ゆるブラック”であることは企業にとってプラスになのでしょうか。
その内訳をみてみると、「プラスになると思う」(「プラスになると思う」「ややプラスになると思う」の合計)はわずか12.3%で、当然ではありますが、職場環境が“ゆるブラック”であることは、企業にとって大きなマイナスのようです。
Q8.どのような点が改善されれば、“ゆるブラック”が改善されると思いますか。
次に、“ゆるブラック”を改善するにはどうすればよいかについて聞いたところ、最も多かったのは「福利厚生の充実」31.3%で、「明確な評価制度」30.7%、「キャリアアップが見込める」29.0%と続きました。この会社に“所属してよかった”と思えることができたり、Q3での“ゆるブラック”だと思うエピソードでも挙げられた“自己研鑽ができる”という理由での「福利厚生の充実」、そしてこの会社に“所属し続けたい”と思わせるために必要な「明確な評価制度」と「キャリアアップ」が、“ゆるブラック”を改善することに有効だと考えているようです。
Q9.あなたの職場には評価制度がありますか。
では、“ゆるブラック”を改善することに有効な点として挙げられた「評価制度」について、自身の職場におけるその有無を聞いたところ、評価制度が「ある」と回答したのは55.0%でした。
また評価制度があると回答した方で、その評価制度に納得しているかについても聞いたところ、「納得している」と回答した(「納得している」「どちらかと言えば納得している」の合計)のは33.9%でした。このことから、やはり自身の職場を“ゆるブラック”だと感じるのは「評価制度」の有無と、その納得感が関係していることがわかります。
【まとめ】
今回の調査で、自身の職場が“ゆるブラック”だと思っている会社員は約4割いることがわかりました。その内訳をみてみると、性年代別での差はほとんどなく、どんな性別や世代でも4割近くの方が自身の職場を“ゆるブラック”だと感じているようです。
そして、その“ゆるブラック”だと感じる理由については、「収入が増えない」が最も多く67.0%で、次点の「やりがいを感じられない」44.0%、「昇級できない・しづらい」43.0%とは、20ポイント以上の差がありました。これはやはり、いくら残業がないなどの働きやすさがあったとしても、“収入”が伴っていなければ、“ゆるブラック”だと感じてしまうということなのでしょう。
次に、“ゆるブラック”を改善するための方法として多く挙げられたのが、「福利厚生の充実」(31.3%)、「明確な評価制度」(30.7%)、「キャリアアップが見込める」(29.0%)の3点でした。
「福利厚生の充実」については企業の規模や予算に左右されるためどんな企業でも実現できるかについては難しい部分がありますが、次点の「明確な評価制度」については、どんな企業でもすぐに着手できる手段でしょう。“ゆるブラック”だと感じている社員の半数近くが「評価制度」がないと回答し、「評価制度」があったとしても、その「評価制度」に6割強の方が納得していないと回答していることからもわかるように、やはり「明確な評価制度」を構築していくことが“ゆるブラック”を改善する大きな近道といっていいでしょう。併せて、自身の成長やスキルアップを企業がサポートしていくことも、大きな投資を必要としない有効な打ち手となり得るでしょう。そのためには、企業側は求めるものを明確に提示し、アウトプットに対して、時には厳しい評価を下す必要もあります。それによって従業員は自分の不足を認識し、不足を修正する行動を取り、出来なかったことができるようになっていく過程で、自身の成長実感に繋がるのではないでしょうか。
“ゆるブラック“な会社にならないために、従業員と真摯に向き合っていく企業側の覚悟が問われているのかも知れません。
■調査概要
調査機関:株式会社識学
調査対象:20歳~59歳の会社員
有効回答数:スクリーニング…2353サンプル/本調査…300サンプル
調査期間:4月12日(金)~4月13日(土)
調査方法:インターネット調査
※本調査では、小数点第2位を四捨五入しています。そのため、数字の合計が100%とならない場合があります。
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(株式会社識学 / 4月26日発表・同社プレスリリースより転載)