パソナグループ、『在日アジア人材のキャリア意識調査』
総合人材サービスを展開するパソナグループでは、1984年の香港現地法人設立を皮切りに海外人材サービス事業を進めてまいりましたが、現在、アジア、北米、欧州の3地域をカバーするワンストップ体制で、日本企業のグローバル人材戦略をサポートさせていただいています。昨年11月には弊社グループ会社・パソナグルーバルが在日アジア人留学生を対象に『JOB博』を開催。在日アジア人材を中心とする外国人参加者を対象にキャリア意識調査を実施いたしました。 【 調査概要 】 ■ 調査目的: 在日アジア人材のキャリア意識を探る ■ 調査対象: パソナグローバル主催『JOB博』外国人参加者 ■ 調査地域: 東京 ■ 調査期間: 2007年11月10日 ■ サンプル数: 713件(有効回答数) ■ 調査方法: アンケート票記入方式 Q1.日本に来日した理由は? ● 来日した理由は「日本語・文化を学ぶ」が27.1% ● 次いで、「アジアの先進国だから」が15.8% Q2.来日して良かった点は何ですか? ● 来日して良かったのは「視野が広がった」が27.1% ● 「日本語を習得できた」26.2%、「日本文化を理解できた」20.1% 来日した理由を聞いたところ、「日本語・日本文化を学ぶ」が27.1%でトップに挙げられ、その他、「日本のビジネスを学ぶ」(14.7%)、「専門性を高める」(13.1%)、「日本で働く」(7.0%)など、キャリア形成のために明確な目的を持って来日した人が多い。また、「アジアの先進国だから」(15.8%)、「日本が好きだから」(10.5%)など、日本という国に関心を持っていた人も多いようだ。また、来日して良かった点としては、単独では「視野が広がった」が27.1%でトップに挙げられたが、全体で見ると「日本語」・「日本文化」を学べたことを挙げた人が46.9%と半数近く、「本国では得られない専門スキルが身についた」「日本のビジネス手法を学べた」などを挙げた人も17.1%いた。以上の2点からは、在日アジア人材が明確な目的を持って来日し、その目的を達成していることがうかがえる。 Q3.就職を希望するのはどこの国の企業ですか? ● 就職を希望するのは「日系企業」が71.7% ● 「欧米企業」は8.3%、「出身国企業」は3.8% Q4.勤務を希望する国はどこですか? ● 勤務希望国は「日本」が64.5% ● 「出身国」が20.2%で5人に一人 どの国の企業に就職したいかを聞いたところ、71.7%の人が「日系企業」を挙げ、「欧米企業」は8.3%、「出身国の企業」は3.8%だった。勤務を希望する国に関しては、「日本での就職」を希望する人が64.5%で、「出身国に帰国就職」を希望する人が20.2%いた。ここ数年、日本企業の間で、日本の大学や大学院で学んだ外国人留学生を採用する意欲が高まっていることから、在日アジア人材の間に「日本で学んで出身国の日本企業で働く」という選択肢が広まりつつあるものと思われる。 Q5.どんな仕事を希望しますか? ● トップは「貿易」19.6% ● 次いで「マーケティング」7.9%、「人事」7.7% 希望する職種としては、「貿易」が19.7%でトップに挙げられ、「マーケティング」(7.9%)、「人事」(7.7%)と続き、それに「営業」(6.9%)と「IT関連技術職」(6.9%)が同率で続いた。全体でみると、マーケティングや営業など『営業部門』を志向する人が28.2%、人事や経理・会計など『管理部門』を志向する人が20.2%、ITや金融、研究開発など『技術・専門職』を志向する人が19.6%と続いた。 Q6.何年くらい日本で勤務したいですか? ● 日本での勤務は「4〜6年」17.5% ● 次いで、「1〜3年」が15.1% 日本での勤務希望は「4〜6年」(17.5%)、「1〜3年」(15.1%)と1〜6年の『短期』が32.6%と3人に一人以上、「永住予定」(14.0%)を含む10年以上の『長期』が22.1%で5人に一人以上と続き、それに「7〜10年」が7.9%と続いた。それぞれのライフプランやキャリアプランによって回答が異なるものと思われるが、この設問に関してのみ「無回答」が37.3%と最も多く、目的意識の強いアジア人材においても、実際に働いてみないとわからない、というのが正直なところかもしれない。 Q7.どんなキャリアゴールを思い描いていますか? ● 目指すキャリアゴールは「日本と母国の掛け橋」34.5% ● 「独立したい」14.4%、「管理職になりたい」13.3% 思い描くキャリアゴールとしては、「日本と母国の掛け橋になりたい」が34.5%でトップに挙げられ、「経験を活かして独立したい」14.4%、「経済的に裕福になりたい」14.2%と続き、「管理職となり活躍したい」13.3%、「専門分野の研究を深めたい」7.9%が続いた。これを全体的にみると、「日本と母国の掛け橋になりたい」(34.5%)・「母国のために活躍したい」(5.5%)など『高い志を持つタイプ』(39.5%)と、「経済的に裕福になりたい」(14.2%)・「私生活が充実すればいい」(5.2%)など『私生活を重視するタイプ』、また『独立を志向するタイプ』(14.4%)と「管理職となり活躍したい」(13.3%)・「専門分野の研究を深めたい」(7.9%)など『組織内でのキャリアや専門性を志向するタイプ』(21.2%)に大別されるようだ。 Q8.来日して不満に思ったことは? ● 来日して不満に思ったことは「物価が高く 生活が厳しい」が27.1% ● 「外国人の採用、昇格、昇進格差」が26.5% Q9.日系企業の良いところは何ですか? ● 日系企業の良いところは 「人材教育・研修」22.5% ● 「安心して長く働ける」16.6%、 「福利厚生が充実」が15.6% 来日して不満に思ったことでは、「物価が高く生活が厳しい」が27.1%でトップに挙げられたが、それ以外には「外国人の採用、昇格、昇進格差」26.5%、「外国人にとって生活しにくい」15.7%、「日本人との交流の機会少ない」14.3%と続き、日本社会、日本企業ともいまだグローバル化が進んでいないことを裏付ける結果となった。 それに対して日系企業の良いところとしては、「人材教育・研修が充実している」が22.5%でトップに挙げられた。それ以外では、「安心して長く働ける」16.6%、「福利厚生が充実している」15.6%、「社会保障がしっかりしている」13.7%、「給与が良い」12.5%、「職場に一体感がある」12.1%などがほぼ同数で挙げられ、『雇用の安定性』や『福利厚生の充実』、『職場の和の重視』など、日系企業の人材マネジメントの特徴が評価された格好だ。 少子化による労働力不足を補い、事業のグルーバル展開を支える戦力として注目が集まる在日アジア人材。彼らのモチベーションを高め、その活躍を期待するためには、日本企業の人材マネジメントの良さを維持しつつ、年齢・性別・国籍などの違いを認め、それを積極的に活かすダイバーシティマネジメントに注力していくことが急務だ。 (パソナグループ http://www.pasonagroup.co.jp /同社プレスリリースより抜粋・5月23日) |