労務行政研究所、「企業におけるメンタルヘルスの実態と対策」調査結果
民間調査機関の(財)労務行政研究所(東京都港区、矢田敏雄・理事長)では、このたび「企業におけるメンタルヘルスの実態と対策」に関する調査結果をまとめた。 これによると、メンタルヘルス不調者が最近3年間で「増加している」とする企業は55.2%と半数超に上る。“特に増加が目立つ年代層”は、「30代」が最も多く51.9%、次いで「20代」が41.2%の順。メンタルヘルス不調で1ヵ月以上休職している社員がいる企業は62.7%で、3年前の前回調査(50.9%)よりさらに高まった。1社当たりの休職者は平均9.5人、全従業員に対する比率は平均0.5%である。 こうしたメンタル不調の増加に対して企業側も対策を進め、「何らかのメンタルヘルス対策を実施する」企業は79.2%と約8割を占めた。規模別にみると、1000人以上では98.9%(前回90.4%)、300〜999人では79.3%(同68.0%)、300人未満では57.0%(同35.9%)と規模が大きいほど実施率が高いが、前回調査に比べ、どの規模でも実施率が高まっている。 具体的な施策は、「電話やEメールによる相談窓口の設置」が最も多く56.0%、次いで「心の健康対策を目的とするカウンセリング(相談制度)」52.4%で、以下、「管理職に対するメンタルヘルス教育」「社内報、パンフレットなどによるPR」「ストレスチェックなど、心の健康に関するアンケート」などである。 また、メンタル不調で休職した社員のうち、完全復帰した割合を尋ねたところ、「半分程度」復職したとする企業が22.5%で最も多いが、「7〜8割程度」が21.5%、「ほとんど(9割以上)」も20.4%あり、3者に「全員(復帰)」7.3%を合計すると71.7%となり、7割超の企業で「半分程度」以上が完全復帰していた。規模が大きいほど復職割合が高く、大企業では、メンタルヘルス対策が復職面まで充実していることから、その効果が復帰割合に出ているものと考えられる。 ■ 詳細はこちらの資料をご参照ください。 (財団法人労務行政研究所 https://www.rosei.or.jp/ /同社プレスリリースより抜粋・5月7日) |