「企業の健康経営と健康支援を受ける従業員」についての意識調査
~「従業員の健康」への投資は増加。一方企業の約8割は効果的な健康支援に課題感あり。効果検証がより重要となる中、更なる“人材強化”が求められている~
キリンビバレッジ株式会社(社長 吉村透留)は、2023年1月16日(月)~20日(金)の5日間、健康支援に携わる経営層(役員以上)300名、人事等の健康支援に携わる部門担当者300名、健康支援を受ける従業員300名に対して「企業の健康経営と健康支援を受ける従業員」についての意識調査を行いました。
<調査結果>
1、2023年の健康支援の取り組みについて
■健康支援の取り組みは2022年と比較し減少、中でも「感染症予防(主にコロナ)」は大きくダウン
- 健康支援の取り組みは、前年と比較すると減少した項目が目立った。中でも「感染症予防(主にコロナ)」は2022年が60.8%であったのに対し、2023年は26.8%と▲34.0ポイントと大きく減少した。
- 一方で、「定期健診受診促進」が73.0%と最も多く、前年よりより10.4ポイント上昇した。
- 2022年から新たに始めた健康支援の取り組みは、「定期健診受診促進」(10.3%)、「ストレスチェックの実施」(8.4%)、「長時間労働対策」(7. 2%)の順となり、どれも1割程度にとどまった。
■健康支援に関する予算を増やしたと回答した割合は前年に比べ増加、現在行っている取り組みに予算を投じていると推測できる
- 健康支援に関する予算が前年より増加した割合は46.0%と前年より2.3%増加した。
- 企業の課題は「人材の強化」がトップで、昨年調査と比較し “人材”へ投資する健康経営が拡大している。
■8割が健康経営の取り組みに「指標」を設けており、7割以上が「効果測定・改善しているものがある」と回答
- 健康経営に携わる経営層(役員以上)と部門担当者によると、「指標にしているものがある」と回答したのは80.0%、「効果を測定しているものがある」と回答したのは76.5%、「効果を測定後改善までしているものがある」と回答したのは70.7%となり、「効果測定の指標化」及び「効果測定の改善」スコアが前年を超えた。2022年より健康経営優良法人認定において、「大規模法人部門」では「健康経営の推進に関する効果検証」が、「中小規模法人部門」では「評価・改善」が認定要件に必須化されたことから、単に実施するだけでなく、その効果を検証し、成果を踏まえた実施フェーズへ移行したことが推察される。
■健康支援の効果は、「従業員のパフォーマンス向上」が最も高いが、全体スコアは2022年より減少
- 健康支援の取り組みで効果があったものは「従業員のパフォーマンス向上」40.5%、「健康診断受診率の向上」37.0%、「組織の活性化」(24.8%)の順で高かったものの、昨年と比較して全体的にスコアが下がった項目が多かった。特に、従業員規模が300名以上の企業においては、スコアの減少が顕著に現れた。
2、健康支援に携わる経営層、担当者にとっての課題
■全体の約8割が健康支援に関する項目に課題を感じている。従業員規模の大きい企業では健康経営施策の実施・運営やマンネリ化に課題
- 健康施策に課題はないと回答した割合は全体の約2割にとどまり、約8割が健康支援に関する項目に課題を感じていることがわかった。具体的には「健康経営施策の実施・運営」(23.7%)、「施策のマンネリ化」(23.0%)、「健康経営施策の立案」(22.0%)と続く結果となった。
- 各課題において従業員規模で比較をすると、従業員規模300名以上の企業の方が300名未満のよりも全体的に高いスコアになっており、従業員規模の大きい企業の方が課題を感じていることがわかった。
3、従業員と健康支援
■健康支援の利用状況は各施策で差があり、「長時間労働対策」の満足度は半数程度
- 従業員の健康支援の利用状況は、「定期健康受診促進」の利用率が96.6%と最も高い。一方、「ウォーキングイベントの開催」や「メンタルケア」は利用率が半数程度にとどまっていることから、各施策の利用状況には差があることがわかった。
- 満足度においては「長時間労働対策」は50.6%、「ストレスチェックの実施」は43.3%と半数程度にとどまった。
- 従業員の健康意識は高い(やや高いを含む)と回答した割合が約半数程度、健康支援の利用率・満足度は項目別では4割程度の回答も見られることから、個人の健康意識の向上及び現在取り組んでいる施策においては、今後改善の余地がある。
■従業員の健康意識と健康支援にギャップ。あったらよいと思う健康支援は様々な具体的意見が挙がった
- あったらよいと思うものは「定期健診受診促進」(32.0%)、「ストレスチェックの実施」(21.3%)、「長時間労働対策」(21.3%)、「メンタルケア」(19.0%)の順で高くなった。
- 具体的には、「健康の知識がないので、専門の方を呼んでお話を聞く機会を設けてほしい」、「健康アプリとポイント導入してほしい」など様々な意見が挙がった。
■健康支援の内容や満足度が、従業員のエンゲージメントにも影響を及ぼすと推測
- 勤め先の満足度評価は10点満点で平均6.0点。
- 「健康支援の取り組み※」において、勤め先の「健康支援がないと感じる」企業は満足度平均5.1点、「健康支援があると感じる」企業は満足度平均7.3点と2.2ポイントの差となった。健康支援の有無がエンゲージメントにつながることが推測できる結果となった。
※「健康支援の取り組み」は、0~6点を「健康支援がないと感じる」、7~10点を「健康支援があると感じる」として集計
<調査概要>
1. 対象:全国20歳~69歳の男女 健康経営に携わる経営層(役員以上)300名、人事等の健康経営に携わる部門
担当者300名、健康支援を受ける従業員300名
2. 調査方法:インターネット調査
3. 調査期間:2023年1月16日(月)~1月20日(金)
※四捨五入のため、合計値が必ずしも一致しない場合があります
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(キリンホールディングス株式会社/ 3月8日発表・同社プレスリリースより転載)