2022年度 人的資本経営・DXに関する役員の意識調査
産業能率大学総合研究所(東京都世田谷区、以下本学)は、従業員数300人以上の企業・組織の経営者・役員(取締役以上)を対象に、人的資本経営・DXの推進に関する役員の意識調査を実施しました。
当調査では、戦略立案の主体となる役員層の「人的資本経営」「DX」の推進に対する意識や取り組み状況と、それらに影響を与える要素となり得る役員自身の能力や資質の実態を調査しております。
・調査対象:従業員数300人以上の企業・組織の経営者・役員(取締役以上)
・調査期間:2023年1月23日~30日(8日間)
・調査方法:インターネット調査
・有効回答:500人(男性483人/96.6%・女性17人/3.4%)
<主な調査内容>
・最も重要と考える施策 / 経営戦略の策定や実行に関する取り組み状況
・DX・デジタル化の取り組み状況 / DXに取り組むうえで重要だと思う組織体
・DXに取り組むうえで人材マネジメント上課題だと思う項目
・今の立場(経営層)に至るまでに役に立った「経験」
・仕事以外の局面で、現在の考え方や行動スタイルの形成に大きく影響した経験・出来事
・今の立場(経営層)に至るまでに役に立った「学習経験」
・自身の能力開発のために、自己啓発をしている時間 など
■参考:注目データ
1.今後のビジネスに影響を与えると思う先端デジタル分野:過半数が「IoT」と予想
今後のビジネスに影響を与える先端デジタル分野について尋ねたところ、肯定的な回答が半数を超えたのが「IoT(Internet of Things)(57.2%)」と「AI(人工知能)(56.8%)」でした。
また、「5G(第5世代移動通信システム)(47.4%)」と「データサイエンス(44.6%)」についても肯定的な回答が多く、すでに商用化された事例が多い技術に対しての期待が大きい傾向にありそうです。
2.今後の経営戦略上、重要と考える施策:「人的資本経営」が7割超え
今後の経営戦略上、重要と考える施策について尋ねたところ、肯定的な回答が最も多かったのが「人的資本経営(78.4%)」、次いで多かった順に「ガバナンスを重視する経営(69.8%)」、「デジタルトランスフォーメーション(66.4%)」となりました。
昨年(2022年)、日本政府が上場企業に対し、有価証券報告書に人的資本情報を含む非財務情報の記載を義務付ける方針を打ち出した影響もあってか、企業の経営層においては人やITへの投資の関心が高まっていることがうかがえます。
3.DXに取り組むうえでは「トップダウンの人材マネジメント」が重要
DXに取り組むうえで人材マネジメント上課題だと思う項目について尋ねたところ、「DXを前提とした経営戦略立案のための経営層のリテラシー向上」が 38.7%と最も高い結果となりました。次いで、「具体的な推進を担う人材DX人材の育成」が18.1%、「上位戦略を実行に落とし込むための管理職全般のリテラシー・スキル向上」が16.7%と続きます。
また、「組織風土の醸成」が7.5%、「一般社員のリテラシー・スキル向上」が5.2%と相対的に低いことから、DXに取り組むうえではトップダウンの人材マネジメントが重要視されていることがうかがえます。
4.自社で望ましいと考える雇用形態:「ジョブ型、メンバーシップ型の混在型」を望む割合が4割以上で最も多い。
5.ビジネスに関連する知識全般について、どの程度備わっているか:「統計学・データサイエンス」、「IT・ICT」の知識が低い傾向。
◆本調査の詳細は、こちらをご覧ください。
(学校法人 産業能率大学 総合研究所 / 3月1日発表・同社プレスリリースより転載)