ヒューイット・アソシエイツ
「2008年度 アジア新興国の報酬マネジメント」報告書発表
アジアの新興諸国に所在する企業は、人材という会社の重要資産が、いまや最も高くつく資産へと急速に変貌していることを次第に実感し、競争優位を求めて自社の報酬戦略を再考する必要に駆られている――グローバルな人材マネジメント・コンサルティング会社である、ヒューイット・アソシエイツは「2008年 アジア新興国の報酬マネジメント(Managing Compensation in Asia)」報告書で発表した。本報告書によると、アジアでは人材の質が変化し、新世代の社員にとって報酬はより重要なものになっているという。 競争市場において勝者となるために、企業は質の高い人材をひきつけ、やる気にさせ、会社に留まらせるための革新的な報酬戦略を創出していかなければならない、と本調査の主な結論の一つでは述べられている。 ヒューイット・アソシエイツのプリンシパルであるNishchae Suriは「アジアの人材は、急速な成長のために無類の野心を持っており、そのためには労苦を惜しまない意欲を持っている。そのため、報酬のみを通じて社員を幸せにし続けることは、どんどん難しくなっており、社員『満足』を維持することが大きな課題となっている。 優れた業績を出す社員の報酬を他の社員と別体系にしたり、報酬の費用対効果を算出する評価基準を進化させたりして、社員の報酬やコミュニケーションを個別化する『大胆な賭け』へと企業が取りくむ態勢が整うかどうかに、報酬プログラムの将来的な成功はかかっている」と言う。 ■ 報酬のオーダーメード化と個別化 従来型の、全社員を一つの制度で処遇する画一的な報酬プログラムは、次世代の人事管理においては機能しないと予想されている。人材流動化や高齢化およびライフスタイルのさらなる多様化に起因する労働人口の供給不足が起こる中、多くの場合、多様な報酬制度を会社が持つことを社員は必要とし要望してくる。 これからの企業は、次世代の人事管理において、総報酬のオーダーメード化のために、消費者マーケティングの技術を応用することになるだろう。個別化されたポータルサイトを通じ、企業は個々の社員に向けオーダーメード化された報酬メニューを提供することになる。提供される選択肢は、金銭的な報酬という従来型のものばかりではない。本人が望む業務や部署への配置、自己を成長させるトレーニングのための時間や費用、働きやすい労働時間の柔軟性など、非金銭的な報酬についての選択肢をも含む弾力的なものとなる。 Suriは「企業は社員に対し、人件費の使い道を社員自身が設計することを認める、オーダーメード化された報酬メニューを次第に提供していく。さらに一歩進んだ企業では、社員が自身の報酬レベルを決定できるよう、会社の詳細な財務情報を提供し、社員が報酬額を継続的にチェックすることさえ認めてくるかもしれない。企業の次世代人事への主な段階として、個々の社員をやる気にさせるもの が何であるのかを究明する分析ツールを使用することにより、さらに個別化されたインセンティブが開発されてゆく」と言う。 ■ オーダーメード化されたコミュニケーション 同様に、社員コミュニケーションも次世代人事管理に向けオーダーメード化される。加えて、テクノロジーの力を借り、会社は社員情報を集め、この情報を特定のグループや個人のニーズに適ったコミュニケーションのために利用する。たとえば全社員向けの総花的なメール送信のかわりに、定年までの年数などでグループ化された社員に対して特定化されたコミュニケーションが行われることになる。 企業はまた、オーダーメード化をシンプルかつコスト・パフォーマンスよく運営するための高度な人事技術に取り組む。たとえば、人事機能の戦略的・計画的なアウトソーシングは、最新のオーダーメード技術へ多くの企業がアクセスすることを可能にさせる一方で、オーダーメード化された報酬メニューやコミュニケーションの中身を改良するために割かれる自社の人事チームの時間を節約する。 【 ヒューイットの「2008年度Managing Compensation in Asia」報告書について 】 ヒューイットの横断的リサーチおよびワールドクラスのデータに基づき、新時代の社員を描きその人材ニーズを詳述するヒューイットの報告書「Managing Compensation in Asia」は、経済動向を現行の人材市場とのリンクが述べられている。報告書ではさらに、アジアにおける報酬動向や課題を現行の給与慣行および先駆的な企業の新しい進化した取り組みについて詳細にする。同地域の給与専門家への対面インタビューから作成された本報告書は、データに基づいた洞察と現在の経験を独自に関連付けており、未来の報酬制度へのロードマップを提供する。 (ヒューイット・アソシエイツ http://www.hewitt.co.jp /同社プレスリリースより抜粋・2月19日) |