【女性の仕事探しの実態と課題】仕事探し当時の就業状況により、次の仕事決定に差
就業者は雇用形態や年齢にかかわらず約5割が決定 専業主婦の決定は3割未満
株式会社リクルート(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:北村 吉弘)は、2021年12月22日に発表した「求職者の動向・意識調査2021」を基に、仕事探し時点の就業者(アルバイト・パート)と未就業者(専業主婦、無職・定年退職)の女性を比較して調査結果をまとめました。概要を以下の通りご案内します。
解説 ジョブズリサーチセンター長 宇佐川 邦子
コロナ禍で女性就業者の多いサービス業が特に打撃を受け、仕事を失った女性も多くいた中で、女性の就業支援はこれまで以上に重要性を増していると考えられます。本レポートは、仕事探しをしたにもかかわらず働けていない女性はなぜ働けていないのかを調査データを通して検討し、どのような対策が効果的か考察しました。
調査の結果、未就業の女性は、就業中の女性と比較して、「仕事は決まらなかったが(仕事探しを)終了した」と回答した方が多く、一度仕事を離れた人がブランクにより仕事探しを躊躇してしまったり、仕事へのキャッチアップを懸念して採用されにくくなっていることが推測されます。また、未就業の女性が仕事探しの時に困ったこととして、専業主婦では「育児や介護と両立できる仕事が限られる」、無職・定年退職では「自分にどのような仕事が合うのかわからない」との回答が多いことがわかりました。求職者が仕事を選ぶ際の優先順位付けの支援や、企業としてもブランクの有無に左右されることなく、求職者が持つスキルや適性を正しく判断することが重要だと考えられます。
主な調査結果
1 仕事の決定状況
○仕事探し当時に就業していなかった人は、就業中だった人に比べて仕事が決まりにくい。専業主婦、無職・定年退職では年齢が上がると仕事が決まる割合が低下し、50代以上では2~3割程度になるが、アルバイト・パートでは年齢が上がっても約半数の人は仕事が決まっており、仕事の決定状況には、現在の就業状況が影響している可能性がある。
○仕事探し時に困ったことは、ほとんどの項目でアルバイト・パートよりも専業主婦、無職・定年退職の方が割合が高い。専業主婦は「育児や介護と両立できる仕事が限られる」(30.4%)、無職・定年退職は「自分にどのような仕事が合うのかわからない」(37.3%)との回答が多く、それぞれに合うサポートが必要だと考えられる。
2 仕事探しの実態
○仕事を探した時に絶対条件だった項目を見ると、上位に挙がった勤務時間・勤務地と仕事内容に関するほとんどの項目で、アルバイト・パートよりも専業主婦、無職・定年退職の方が割合が高い。給与などはアルバイト・パートよりも割合が低くなっているが、希望条件の優先順位付けが必要な場合もあり、支援が必要だと考えられる。
○専業主婦と無職・定年退職の希望条件は、職種については事務希望が多い(専業主婦43.5%、無職・定年退職46.6%)。勤務日数・時間については、専業主婦では3日以下(35.7%)、4~6時間未満(48.1%)など少ない日数・時間希望が多い。求人企業でも少ない日数・時間での勤務を可能にするなどの対応が望まれる。
■調査概要 求職者の動向・意識調査 2021
調査目的
•労働市場における求職者の就業実態および意識を明らかにする
•未就業者の求職実態および意識を明らかにする
調査手法
インターネット調査
対象者条件
•全国 15~69歳の男女
•最近1年間に仕事探し経験あり(新卒以外)
•現在および仕事探し当時の職業が アルバイト・パート、正社員、契約社員、派遣社員、専業主婦/主夫、無職・定年退職 のいずれか
調査期間
2021年10月11日(月)~10月15日(金)
有効回答数
14,991人(ウエイトバック集計) ※本レポートでは女性9,018人を分析対象とした
※ウエイトバック集計を行ったため、数表内の回答者数とその内訳の合計が合わないことなどがある。
※グラフと数表は、集計結果の小数点以下第2位を四捨五入して表示している。
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(株式会社リクルート/6月9日発表・同社プレスリリースより転載)