【業界動向レポート】ESGとサステナビリティ編~日本のESG関連の人材ニーズは拡大へ~
外資系人材紹介会社ヘイズ・スペシャリスト・リクルートメント・ジャパン株式会社(本社:港区、マネージング・ディレクター:グラント・トレンズ、以下ヘイズ)はこの度、業界動向レポート「インサイドストーリー」のサステナビリティ編を公開しました。
コロナ禍をきっかけに、サステナビリティ(持続可能性)に対する意識が高まり、持続可能な社会の実現に向けたアクションが喫緊の課題となりました。このような潮流は、世界各国の政府や企業に大きな影響を与えています。持続可能な未来を切り開く鍵となるのがESG(環境、社会、ガバナンス)です。日本でも、官民の最優先事項として浮上し、事業戦略や人材戦略も見直しを迫られています。
日本のサステナビリティ(ESG)に関する採用市場・企業動向のトレンド
- ESG関連の人材ニーズは、建設・エンジニアリング、グリーンエネルギー・再生エネルギー分野で急速に拡大。
- ESG重視の戦略への知見を求める企業の増加に伴う、コンサルティングファームの急速な成長。
- 大手グローバル企業のマーケティングや広報・宣伝部門における、ESG経験を求める職務の増加。
- ESG(環境、社会、ガバナンス)の「環境」重視から「社会」「ガバナンス」も経営意思決定の一部に。
- 企業の注力は、従業員の健康や安全に加え、ウェルビーイングやパフォーマンス管理へ。
活発化する企業のサステナビリティ推進活動
これについてヘイズ・ジャパンのマネージング・ディレクター、グラント・トレンズは、「日本政府は、脱炭素化推進を目的とした財政投資など、さまざまな施策を打ち出しています。これを受けて民間企業のサステナビリティ活動も活発化しており、日本企業は自社のESG基準を引き上げると同時に、事業の在り方も見直し始めています」と語ります。
サステナビリティへの関心が高まるにつれ、日本ではESG関連の投資や業務が増加しています。現在最もニーズが高い職種は、コンサルティングやエンジニアリング、マーケティング、広報などです。これらの職種は、グローバル企業やグローバルビジネスを強化している日本企業では一般的ですが、最近特に引合いが多いのは建設業やエンジニアリング産業です。主にグリーンエネルギーや再生エネルギーなどに力を入れている企業の求人が増加しています。
日本はESG関連人材不足
これらの企業は、ESGに関する経験やスキルを持つ人材の採用を強化していますが、トレンズは「採用については、柔軟な視点が必要」と述べています。
「米国や欧州のようなESG先進国と比べると、日本はまだESGが浸透している過程であり、国内で十分なスキルを持った人材が不足しています。しかし、幸いなことに、日本企業はESG関連の人材採用や発掘に柔軟な姿勢を示しています。社員のスキルアップや配置転換に力を入れる企業も増えています。例えば、CSR業務にあたる人事部門の社員にESGにフォーカスした業務を割り当てるなどの取り組みもその一つです」。
コロナ禍が収束し国内外の移動規制が緩和されれば、海外人材の採用が可能になります。しかし、トレンズは「日本で働くためには、日本語が堪能で日本文化を理解し適応できる能力が必要です。海外人材の採用は異なるチャレンジです」と語ります。ヘイズでは、このような課題を克服するためHays Global Linkというサービスを展開し、帰国子女等の海外経験豊富な人材と企業をつなぐ支援を行っています。
「サステナビリティに対する意識や活動は一過性のものではないことは明らかです。ESGは社会に定着していくでしょう。企業は、ビジネスモデルをESGに適合させていくことが重要です。この対応が迅速に進むほど、成果が早く表れます。業績向上に加え、競合他社との差別化や環境対応企業として認知獲得も、成果に数えられます」。
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(ヘイズ・ジャパン / 5月19日発表・同社プレスリリースより転載)