2021年度 国内・海外出張旅費に関する調査結果
人事労務分野の情報機関である産労総合研究所(代表・平盛之)は、このたび「2021年度国内・海外出張旅費に関する調査」を実施しました。本調査はほぼ2年おきに実施しています。
コロナ禍で減少する国内・海外出張、規定上の出張関係費は据え置かれる傾向
~国内出張規定を見直した企業は14%、海外出張では15%~
今回の調査項目は例年と同じく国内および海外出張における規定の状況を調査したものです。コロナ渦中での調査のため、出張の機会自体が少なくなっている企業も多く、実際、本調査の結果でも約8割が「国内出張が減っている」と回答している状況にあります。このような状況を踏まえたうえで、自社の規程を見直す参考にしてください。
コロナ禍前であった前回(2019年度)との比較でいうと、以前は上昇傾向にあったホテル宿泊料が、コロナ禍に大幅に下落しましたが、本調査ではホテル宿泊料にあわせた旅費規定の宿泊料金の下落が読み取ることができませんでした。今後またホテル宿泊料は上昇傾向に戻るのか、それとも下がったままとなるのか、実態と規定とのギャップをどう考え、見直すかは人事にとって悩みどこになることが予想されます。
<調査結果のポイント>
- コロナ禍で8割の企業が国内出張を減らす中、出張規定・運用ルールの見直し済みの企業は14%にとどまる
- 宿泊料は、全地域一律は9,149円、実費上限は9,750円 企業の出張時の宿泊料は据え置かれる傾向にある
- 出張時、航空機等より新幹線の特別席が認められる傾向 役員のグリーン車を許可する企業が増加傾向?
- コロナ禍で95.3%の企業が海外出張を減少させた 規定上の円建て滞在費は北米地域で減少傾向
<調査要領>
上場企業および当社会員企業から任意に抽出した約3,000社に対して、2021年5月に調査票を郵送で依頼し、150社の回答を得た。
<調査結果の概要>
(1)【コロナ禍における国内出張の機会と規定の見直し】
コロナ禍で8割の企業が国内出張を減らす中、出張規定・運用ルールの見直し済みの企業は14%にとどまる
新型コロナウイルスの感染拡大は、国内外の出張に大きな影響を与えています。
2021年の出張の機会を尋ねたところ、国内の出張は「減っている」が78.7%となりました。
こうした状況にありながら、出張規程を「見直した」とした企業は14.0%にすぎず、「見直した」「見直し中/見直し予定」を合計しても18.0%と低い水準になっています。
(2)【国内出張 宿泊出張の宿泊料】
宿泊料は、全地域一律は9,149円、実費上限は9,750円
企業の出張時の宿泊料は据え置かれる傾向にある
宿泊出張の宿泊料金について尋ねたところ、各企業の規程での金額は「全地域一律に支給される企業」で9,149円となり、過年度調査に比べやや増加、「宿泊料が実費支給とされる企業」の実費上限額は9,750円で過年度調査と比べ横ばいでした。ビジネスホテルの平均宿泊料は、コロナ禍の影響を受けて低下する傾向にありますが、規程上の金額はそれに連動していない状況になっています。
(3)【国内出張 新幹線、飛行機でのグリーン車・スーパーシート等の利用】
出張時、航空機等より新幹線の特別席が認められる傾向
役員のグリーン車を許可する企業が増加傾向?
出張時の新幹線のグリーン席利用の許可状況をみると、役員は46.7%、課長クラスで3.3%、一般社員は1.3%で認められており、いずれも微増傾向が見られる。
一方で、航空機スーパーシート等の許可状況をみると、役員は25.3%、課長クラスで0.7%、一般社員は0.7%で認められており、課長クラス以下では、ほとんど認めれていない状況がわかった。
(参考:【海外出張の機会と規定の見直し】)
コロナ禍で95.3%の企業が海外出張を減少させた
規定上の円建て滞在費は北米地域で減少傾向
海外出張は「減っている」が95.3%を占め、規定については「見直した」「見直し中/見直し予定」の合計で19.4%であった。
一般社員の滞在費を地域別にみると、北米17,307円、中国15,458円、東南アジア15,474円で、北米地域では減少傾向。中国、東南アジアは減少から横ばいとなっている。
<本リリースに関する取材などのお問い合わせ>
株式会社産労総合研究所「労務事情」編集部 担当:日野、黒田
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MAIL edt-b@sanro.co.jp
◆本調査の詳細は、こちらをご覧ください。
(株式会社産労総合研究所/2月14日発表・同社プレスリリースより転載)