新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言前後におけるテレワークの実施状況に関する調査
株式会社NTTデータ経営研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:柳 圭一郎、以下 当社)とNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:塚本 良江)が提供する「NTTコム リサーチ」登録モニターを対象に、新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言前後の国内企業のテレワークの実施状況を把握する目的から、2020年7月27日~2020年8月3日の期間で、「新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言前後におけるテレワークの実施状況に関する調査」を実施しました。
本調査では、企業の在宅勤務を中心とするテレワークの実施状況、今後のテレワークの継続意向、ボトルネック、経営層のテレワークの実施方針や勤続意欲等について、3月から7月までの状況の変化を含め、把握し、分析を行っています。
【主な調査結果と考察】
(1)緊急事態宣言解除以降、ニューノーマルな働き方への適応で企業は二極化
4~5月の緊急事態宣言下において在宅勤務の実施割合は急増し、7割弱が勤務日の5割以上在宅勤務を実施していたものの、宣言解除後の7月においては、同割合は回答者の半数未満に低下している。
テレワーク実施時の連絡手段(業務実施デバイスを含む)としては、回答者の過半数が個人所有の携帯電話・PCを使用しているものの、従業員規模が1,000人以上の大企業においては、個人所有よりも会社支給のデバイスを使用している割合が高いほか、シンクライアントPCの普及割合も3割程度と高い。
(2)テレワークの業務実態 ~紙・ハンコ文化からの脱却&業務最適化がニューノーマルへの適応の成否を分ける~
テレワークにより実施した業務内容としては、「書類の作成・確認(77.8%)」「web会議、電話会議(66.2%)」「社内システムを通じた管理業務(47.5%)」がトップ3であった。
テレワークで感じたボトルネックとしては、「手元に必要な情報がない(37.3%)」「社内の状況がよく分からない(34.2%)」「紙の書類を前提とした押印、決裁、保管等の手続きがあること(32.0%)」がトップ3であった。
業務プロセスの最適化について、「全業務で業務の最適化」、「可能な業務プロセスを見直し最適化」がされているという回答者は、多くが「平常時から積極的にテレワークを実施したい」と考える傾向にある。例えば、情報通信業では、「全業務で業務の最適化」「可能な業務プロセスを見直し最適化」があわせて約60%となるなど、普段からテレワークを可能とする業務プロセスの最適化が進められている。
雇用形態別で見ると、特に派遣職員では、今後のテレワークの継続意向について、「継続することは困難と感じる(14.8%)」との回答が最多となり、テレワークの継続に関して困難を感じる傾向が強い。
(3)テレワークに対する方針~健康配慮などのトップからの方針が勤続意向につながる~
46.4%の企業で経営層等がテレワークに対する方針を示し、規模別には1,000人以上の企業、業種別では情報通信業が6割以上で方針を示している。方針を示している企業のうち、約9割が積極的なテレワーク利用に向けた方針を示し、テレワークを積極的に利用しない方針を打ち出した企業は全体の1割程度ともっとも少ない。
示されたテレワークの方針に対しては、経営層の従業員の健康に対する配慮、現場の理解や改革意欲が感じられたことで、半数以上が満足している。不満に感じている人は、2割足らずと少ないものの、経営層の健康への配慮、現場への理解、改革意欲が感じられないことで不満に感じている。
勤務先の新型コロナウイルス対策を受けて、約4割が勤務先に対する勤続意向(働き続けたいと思う気持ち)が高まっている。勤続意向が低くなったという回答は1割程度と少ない。コロナ禍における勤続意向の変化に関しても、テレワークの方針に対する満足度と同様に、経営層の従業員に対する「健康への配慮」が感じられるか否かが、最も影響を与えている。
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(株式会社NTTデータ経営研究所 / 9月10日発表・同社プレスリリースより転載)