全国「女性社長」分析調査(2020年)
近年、2015年に施行された「女性活躍推進法」や、政府が提唱する「1億総活躍社会」の実現に向け、「女性の活躍推進」が重要政策の柱として掲げられるなど、女性の社会進出が急速に求められてきた。こうしたなか、中小企業における後継者難対策として、また新型コロナウイルス後のビジネスを見据え、新たな目線や発想で新規事業や改革を実践する女性社長がクローズアップされるなど、女性の活躍に引き続き注目が集まっている。
※帝国データバンクは、自社データベースをもとに、個人事業主・非営利・公益法人などを除く全国約116万社の事業会社を対象に、女性が社長を務める企業について分析を行った。同様の調査は2019年6月に続き7回目
※本調査より「合同会社」「合名会社」「合資会社」を新たに集計対象とした
■調査結果
- 2020年(4月末)における女性社長の割合は8.0%。30年前の1990年から3.5ポイント上昇した。しかし、前年(2019年)比では20年ぶりに横ばいとなったほか、依然として女性社長の占める割合は1割を下回る状況が続いた。直近1年間で女性社長が新たに就任した企業は、大手化粧品販売のポーラ、東証2部上場の食品加工会社 はごろもフーズなどがある
- 女性社長の年代分布をみると、最も割合が高いのは「70-74歳」だった。就任経緯では、全体が引き続き「同族承継」による就任が最も高かったが、2019年(50.8%)と比較すると割合が減少。新任は、「創業者」の割合が最も高かったものの、「内部昇格」など社内登用による女性社長就任の割合は、男性社長に比べて下回る
- 年商規模別では「5000万円未満」が11.4%で最高。中小零細企業では女性社長の割合が高まっているのに対し、大規模企業ではほとんど変化がみられない
- 業種別では、「不動産業」(16.8%)が最高となり、30年前(1990年)から7.2ポイント上昇し、上昇幅も全10業種中最大。他方、「建設」(4.8%)の女性社長比率は1997年以降24年連続で全10業種中最低だった。業種細分類別では「保育所」(42.9%)が全業種で最高
- 都道府県別では、「沖縄県」(11.3%)が最高。最も低かったのは「岐阜県」(5.3%)
- 女性社長の出身大学をみると、最多は「日本大学」(236人)で、3年ぶりに首位
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(株式会社帝国データバンク / 7月31日発表・同社プレスリリースより転載)