新型コロナウイルスによる入社式、新入社員研修等への影響を緊急調査
民間調査機関の一般財団法人 労務行政研究所(理事長:猪股 宏 東京都品川区西五反田3-6-21)では、深刻化する新型コロナウイルス感染症の広がりに対する企業の対応状況をいち早く把握するため、3月13~16日に緊急アンケートを実施した。ここでは、入社が目前に迫っている新入社員に関連する項目を紹介する。
【調査結果のポイント】
- 新入社員の入社日は「予定どおり4月1日」が90.3%。「4月1日とするが、当面は自宅待機」は2.9%
- 入社式は「例年どおり集合形式で実施」が42.0%を占める一方、約4社に1社(26.1%)は「実施形態の変更を検討中」。「実施を取りやめる」は10.2%にとどまる
- 新入社員に対する「宿泊を伴う研修」について、「実施を取りやめる」が28.2%で最多。「予定どおり実施する」は25.0%
1.新入社員に関する一連のイベントの影響度合い
2020年4月に入社する新入社員がいると回答した421社に対して、新入社員に関する一連のイベントの影響度合いを聞いたところ、「影響はとても大きい」と「影響は大きい」の回答を合わせた割合が高いものは、「新入社員研修」が62.3%、「入社式」が52.7%と過半数を占めた。「現場への配属」は27.6%となっている。
入社式と新入社員研修を規模別に見ると、「1000人以上」は「影響はとても大きい」が半数近くに上っており、「影響は大きい」を加えると、「入社式」77.7%、「新入社員研修」80.3%と約8割に達する。
2.入社日の取り扱い
「予定どおり4月1日に入社させる」が90.3%と最も高く、次いで「検討中」が4.8%となっている。
3.入社式の実施予定
「例年どおり集合形式で実施する」が42.0%と最も高く、「実施形態の変更を検討中」が26.1%、「実施を取りやめる」は10.2%と続く。
規模別に見ると、「例年どおり集合形式で実施する」の割合は、規模が大きくなるに従って低くなり、逆に「実施形態の変更を検討中」の割合は、規模が大きくなるに従って高くなる。「実施を取りやめる」の割合は、1000人以上では19.1%に上り、他の規模に比べ突出している。
4.新入社員に対する宿泊を伴う研修の実施予定
2020年4月に入社する新入社員がいる421社のうち、新入社員に対して「宿泊と伴う研修を実施する」と回答した280社に対して研修の実施予定を尋ねたところ、「実施を取りやめる」が28.2%で最も多く、以下「予定どおり実施する」25.0%、「内容を一部変更して実施する」22.5%と続く。
規模別に見ると、「実施を取りやめる」は1000人以上で30.2%、300~999人で30.3%と3割を超える。
5.宿泊を伴う研修の内容を一部変更して実施する場合の内容
前記4で「内容を一部変更して実施する」と回答した企業に対して変更の内容(複数回答)を尋ねたところ、「研修メニューの一部を省略」が61.9%で最も高く、次いで「期間の変更」47.6%、「小集団に分けて同時に実施」34.9%の順となっている。
■調査要領
1.調査時期 2020年3月13~16日
2.調査の対象と方法 『労政時報』定期購読者向けサイト「WEB労政時報」の登録者から抽出した人事労務・総務担当者約25000人を対象に、WEBアンケートにより実施
3.集計対象 476人(1社1人とし、重複企業の回答は除外)。今回は2020年4月に入社する新入社員がいる421社の結果を紹介
4.調査の内容 今回のアンケートでは、本プレスリリースで取り上げたもの以外に下記の項目についても調査している
①従業員の感染防止対策全般、②感染時の対応、③新卒採用の選考活動、④海外駐在員への対応
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(一般財団法人 労務行政研究所 / 3月24日発表・同社プレスリリースより転載)