見て盗むから脱却 IoT活用で効率的な技能継承
新人からベテランへの技能継承にIoTを活用する企業が増えている。
ダイキン工業は2017年、工場での技能継承にIoTを取り入れた。熟練作業員と訓練生の作業をセンサーやカメラで計測し、道具の動かし方や加工素材の状態、作業姿勢などを比較している。熟練作業員が感覚的に行っていた動きを数値化し、分かりやすく新人に伝えている。(ダイキン工業ホームページより)
デンソーは、ベテラン作業員が部品の外観を検査するときの視点の動かし方を、アイトラッキング技術で計測。どのような手順で部品の欠損をチェックしているか明らかにし、マニュアルに反映した。また、新人の視点の動きを計測し、技能の習得度確認にも活用している。(日本経済新聞より)
自身の感覚を言語化することが苦手な社員にとって、IoTを使った暗黙知の見える化は大きな手助けになる。また次世代通信規格5Gが普及すれば、ベテラン社員が遠方の拠点で働く社員にタイムラグなく指導することも可能になる。IoT技術を活用した技能継承の幅は、これからも広がっていくだろう。
(『日本の人事部』編集部)