睡眠で休養が十分に取れていない人が増加 生産性への影響も懸念
厚生労働省は今月11日、平成29年「国民健康・栄養調査」を発表。「睡眠で休養が十分に取れていない」と回答する人の割合が、調査開始以来過去最高(20.2%)となったことを明らかにした。特に割合が高いのは40代で、平均睡眠時間に関しても「6時間未満」と答えた人が男性(48.5%)女性(52.4%)ともに全年代で最も多かった。
健康経営の一環として、従業員の睡眠改善に取り組む企業もある。日清食品ホールディングス株式会社では、昨年12月に「六十年寝太郎プロジェクト」を開始。従業員有志400名にウェアラブル活動量計を配布し、睡眠状態の把握や睡眠の質向上を行うことで、睡眠不足解消を目指している。また、社内のイントラネットには特設サイトを設置。睡眠の基礎知識や快眠のための技術など、良質な睡眠をとるためのサポートも行っている。プロジェクトは参加者の累計睡眠時間が60年(531,000時間)に達するまで継続され、終了後には国内外の飢餓や貧困に苦しむ子供たちに、合計100万円が寄付される予定だ。
厚生労働省の『過労死等防止対策白書』によると、睡眠時間が足りていない人がその理由として最も多くあげたのが、「残業時間が長いため」(36.1%)だったという。しかし、寝不足が続けば生産性が低下し、さらなる残業につながってしまう危険もある。従業員の「睡眠」は、今後企業にとって注目すべきポイントとなるだろう。
(『日本の人事部』編集部)