風疹患者、昨年の三倍に 職場での流行拡大に注意
国立感染症研究所は、今年8月29日時点で報告された風疹の患者数が、273人にのぼったことを発表した。2017年の年間患者数が93人であったのに対し、今年は8月26日までの1週間だけでも89人増加。首都圏を中心に流行が拡大しているという。風疹は妊娠初期に妊婦が感染した場合には、胎児に影響を及ぼす危険性があることでも知られる。
公益社団法人日本産婦人科医会によると、現在、風疹にかかっているのは免疫を持っていない30~50代男性が中心だという。罹患(りかん)した場合、症状が出る一週間前から周りへの感染の可能性がある。軽微な症状の場合は継続して出勤しているケースも多く、感染拡大の一因となっている。初期症状としては、(1)発熱、(2) 耳介後部、後頭部などの首の後ろのリンパ節の膨張、(3)全身の発疹(4)眼球結膜の充血 などがあげられるが、症状を伴わない不顕性感染も15~30%みられるという。
今後の感染を拡大させないためにも、企業にはワクチン接種の呼びかけや、症状が疑われる従業員への声掛けが求められる。また、風疹患者が発生した際には、社内への徹底した情報共有を行う必要があるだろう。
(『日本の人事部』編集部)