倉庫内の状況をAIが分析し、管理責任者に代わって最適な人員配置を設計。最大20%生産性が向上~東邦HDと倉庫運営における人員配置の最適化をAIで実現:NEC
日本電気株式会社(以下NEC)は、医薬品卸売業大手の東邦ホールディングス株式会社(本社:東京都世田谷区、代表取締役会長:濱田 矩男、以下 東邦HD)とともに、AIを活用し、倉庫運営における人員配置の最適化を行う実証実験を2017年7月に実施し、システムの有効性を確認しました。
なお、NECは、本システムを用いたサービスを、2017年度中に卸業界を中心に提供開始する予定です。
本実証実験では、東邦HDの医薬品管理におけるノウハウとNECの最先端AI技術群「NEC the WISE」(注1)の一つである「自律適応制御技術」(注2)を組み合わせ、倉庫内の状況をAIが分析し、管理責任者に代わって最適な人員配置を設計しました。これにより、庫内作業のピーク時間帯において、最大20%生産性が向上しました。
さらに、医薬品管理ならではの精度の高い出庫作業、作業の見える化など倉庫運営における新たな課題の発見につながりました。
NECは社会ソリューション事業に注力しており、お客様との共創活動を通じて、AI・IoTなどの最新ICT技術を活用した業務革新を目指していきます。
<背景>
従来、倉庫内の作業における人員配置は、現場での管理責任者の豊富な経験に基づいて行われていました。しかし、昨今の労働者不足や高齢化の問題により、経験豊かな管理者や作業要員の確保が困難となっており、より効率的な業務プロセスの設計や人員配置の適正化が求められています。
NECはこれまで、物流領域のシステムパートナーとして東邦HDと連携しており、倉庫管理における生産性の向上に向けて、両社で改善を図ってきました。今回の取り組みは、その一環として実施したものです。
<実証実験の内容>
1.AIを活用して倉庫内の状況分析から最適な人員配置設計までシステム化
WMS(庫内管理システム)で把握している倉庫内の人員配置状況と出荷作業の進捗情報から、直近の残りの作業と現在の人員による生産性をもとに、最適な人員配置をNECのAI技術「自律適応制御技術」によりリアルタイムに分析・設計します。これら一連の業務はシステム化されており、管理責任者の経験を問わず、適切かつ柔軟な設計・判断のサポートが可能です。
人員配置を最適化することで、倉庫内作業のスループットを向上させるとともに、より少ない人数で作業を行うことで、作業時間の短縮やコストの抑制に貢献します。
2.倉庫内の人員配置・状況の見える化
AIによる分析結果をもとにフロア全体の必要人員数、フロア内各エリアの最適人員配置数、あわせて、現在のエリアごとの作業要員数や作業進捗状況を同時に表示させます。
これにより、人員配置の設計の背景や状況がわかることにより、作業員自身も理解した上で作用を進めることができます。
NECグループは、安全・安心・効率・公平という社会価値を創造する「社会ソリューション事業」をグローバルに推進しています。当社は、先進ICTや知見を融合し、人々がより明るく豊かに生きる、効率的で洗練された社会を実現していきます。
注1:
「NEC the WISE」(エヌイーシー ザ ワイズ)は、NECの最先端AI技術群の名称です。"The WISE"には「賢者たち」という意味があり、複雑化・高度化する社会課題に対し、人とAIが協調しながら高度な叡智で解決していくという想いを込めています。
・プレスリリース「NEC、AI(人工知能)技術ブランド「NEC the WISE」を策定」
・NECのAI技術
注2 自律適応制御技術:
生物(アメーバ)の環境適応メカ二ズムをヒントに、複雑な環境や状況の変化に合わせて、システムを自律的に動作・制御する技術。社会インフラを運用・管理するシステムにおいて、複雑な制御ルールを事前に作成することなく、ヒトやモノをリアルタイムに配置・配分して、全体最適に導くことが可能。
<本件に関するお客様からのお問い合わせ先>
NEC 卸売・サービス業ソリューション事業部
TEL:03-3456-4008
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(日本電気株式会社 http://jpn.nec.com/ /8月29日発表・同社プレスリリースより転載)