「働く人に安全で安心な店舗・施設づくり推進運動」を初めて実施します~労働災害が増加している小売業、社会福祉施設、飲食店において、本社主導による全社的な災害防止の取組を促進(厚生労働省)
厚生労働省と中央労働災害防止協会は、労働災害発生件数の多い小売業(スーパーマーケットやドラッグストアなど)、社会福祉施設(高齢者介護施設など)、飲食店(ファストフード、ファミリーレストランなど)での災害防止の取組を促進させるため、平成29年1月より「働く人に安全で安心な店舗・施設づくり推進運動」を初めて実施します。
小売業などの業種では、就業者数の増加、特に高年齢労働者の増加により転倒や腰痛などの労働災害が多発しています。また、 店舗などでは安全担当者の選任などが義務付けられていないため、担当者が不在で安全衛生活動が低調な中で、企業の本社が主導する全社的な取組は効果的です。
この推進運動は、本社の主導で、全店舗・施設での全社的な安全衛生水準の向上を図り、安全で安心して働ける職場環境の実現を目指し、これらの業種における労働災害の減少を目的に実施するものです。
推進運動の主な取組内容
・関係業界団体などに対する要請・企業などに対する周知
・取組を支援するための情報提供(特設サイトの開設)
・労働災害発生件数の多い企業などに対する取組促進の指導
・中央労働災害防止協会による支援
【別添資料】
1. 小売業、社会福祉施設、飲食店での労働災害発生状況(PDF:230KB)
2.「働く人に安全で安心な店舗・施設づくり推進運動」実施要綱(PDF:89KB)
3.「働く人に安全で安心な店舗・施設づくり推進運動」リーフレット(PDF:415KB)
■背景と取組の概要
1.労働災害の状況
(1)第12次労働災害防止計画※では、小売業、社会福祉施設、飲食店の平成29年の休業4日以上の労働災害件数を、平成24年と比較してそれぞれ20%、10%、20%以上減少させることを目標としています。いずれの労働災害件数も増加傾向にあり、第12次労働災害防止計画における労働災害削減目標の達成は、今後相当の努力をしなければ極めて困難な状況となっています。
平成24年/平成28年/増減率/目標(平成29年)
小売業: 10,571/10,786/2.0%増/20%以上減少
社会福祉施設: 5,125/6,387/24.6 %増/10 %以上減少
飲食店: 3,477/3,824/10.0 %増/20 %以上減少
(11 月末現在の速報値)
※第12次労働災害防止計画: 労働災害を減少させるために国が重点的に取り組む事項を定めた5か年計画(平成25年度から平成29年度)
(2)事故の型では、「転倒」が約3割を占め、小売業と社会福祉施設では「動作の 反動・無理な動作(腰痛)」、飲食店では調理中の「切創、火傷」が多い。
転倒災害をみると、50歳以上の労働者の占める割合が高く、また、休業見込み 期間が1か月を超えるものが半数以上を占めています。
2.推進運動の内容
小売業、社会福祉施設、飲食店の店舗・施設における4S活動(「整理」「整頓」「清掃」「清潔」)、危険の「見える化」など安全衛生活動の取組を進めるため、別添の実施要綱により、企業の本社主導による全社的な取組の促進を図ります。
3.主な取組
(1) 関係業界団体などに対する要請・企業などに対する周知
約70の関係業界団体などに対して、今回実施する推進運動の取組の促進について協力を要請します。また、都道府県労働局などから企業・法人に対して、今回の推進運動の取組を実施するよう周知を行います。
(2)取組を支援するための情報提供(特設サイトの開設)
厚生労働省のホームページ「職場のあんぜんサイト」内に、特設サイト「働く人に安全で安心な店舗・施設づくり推進運動」を開設します。このサイトには以下のような情報を掲載し、小売業、社会福祉施設、飲食店における労働災害防止対策を推進します。
・小売業、社会福祉施設、飲食店における労働災害統計、災害事例の提供
・労働災害を防止するための対策や好事例の紹介
・労働災害を防止するためセミナー、教育用教材の紹介
(3)労働災害件数が多い企業などに対する取組促進の指導
労働災害件数が多い多店舗展開企業などの本社などに対して、経営トップによる安全衛生方針の表明、作業マニュアルの作成・周知など、店舗・施設における安全衛生活動の活性化に向けた取組について、チェックリストを活用して指導します。
(4) 中央労働災害防止協会による支援
中央労働災害防止協会では、この運動に基づく労働災害防止対策の推進に役立 つ情報の発信、セミナーの開催、専門家による安全衛生指導などを行います。
詳しい内容は、(2)の特設サイトを通じて随時お知らせします。
【照会先】
労働基準局 安全衛生部 安全課
課長 野澤 英児
主任中央産業安全専門官 安達 栄
副主任中央産業安全専門官 永野 和則
(代表番号) 03(5253)1111 (内線 5614,5487)
(直通番号) 03(3595)3225
労働基準局 安全衛生部 労働衛生課
課長 武田 康久
主任中央労働衛生専門官 高橋 良和
(代表番号) 03(5253)1111 (内線 5491)
(直通番号) 03(3502)6755
◆ 詳しくはこちらをご覧ください。
(厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp// 12月19日発表・報道発表より転載)